ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

教団から離れた私が今まで信じていた神様にした最後のお願いとは?

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女性が祈りをささげる姿はここまで美しいものなのか?

まだ学生だったころ、私はある宗教に入り浸っていました。心から神様を信じる一方で、ある女性A子さんのことがとても気になりました。

A子さんは幹部で、信者さんへの面倒見も良く、品があり、穢れなき心を感じさせる私の理想の女性でした。その祈る姿はあまりにも美しく、いつしか憧れを抱くようになりました。

若いころの女性にたいする煩悩に苦しみながら祈りをささげる私

教団には若い信者だけで集まる勉強会のようなものがあり、そこに集まる若者はみんな真面目な印象がありました。なのに若い女性信者のことが気になって仕方がない私。

若い頃の女性にたいする煩悩はどうしても捨てられす。神様は私の心の中を見ているんだろうと思うと恥ずかしくて、情けなくなりました。

色々考えさせられることがあり、教団から足が遠ざかる私の家に・・・

初めのうちは一生懸命通いつめていた私ですが、少しずつ教団から足が遠のいていきました。なんとなく熱が冷めてきたからです。

しかし、完全に冷めたわけではありませんでした。そんな私の家にある男がやって来ました。部屋にやってきたのは幹部候補生の若い男でした

部屋でくつろいでいるときに、母親から「お友達が来たよ」と言われ、ズカズカと私の部屋に入ってきた男です。

いきなりの事で「えっ何?」と思いました。来ると分かってたら部屋を片付けたのに(汗)。

教団に戻るように説得をしに来た彼

部屋が散らかってているのを恥ずかしと思う私に「気にしないで」と笑う彼。彼は、私が何カ月も教団に顔を見せないことを心配してくれました。

ちょっとだけ嬉しかったです。しかし、私はもう心が教団から離れかけていたので、「しばらくほっといてほしい」と伝えました。

「お前、こんなのが好きなんか?」

彼は教団の若者の集まりの中でも、特に活動的でみんなをぐいぐいと引っ張っていくようなリーダーシップのある男でした。私にもよく声をかけてくれて話やすい感じで好きなタイプでした。

そんな彼が私の散らかってる部屋に無造作に置かれている清純派アイドルの写真集を見つけました。「お前、こんなのが好きなのか?」と言われました。

そして、女性信者の話になりました。

写真集が見つかって恥ずかしがる私に「男なら当然だ」と笑う彼。そして「じゃあ、教団の中だったら誰がいいと思う?」と聞かれました。

私は、魅力的な女性信者が多い中で、やはり別格の品の良さを感じるA子さんのことを言いました。

ニヤニヤしながら私の話を聞く彼

彼 「A子さんか。確かにあの人はいいよな」
私 「そうなんです。品があって、いかにも育ちが良さそうで」
彼 「分かる分かる」ニヤニヤ
私 「清純というか、穢れを知らなさそうでいいです」
彼 「そうか、そうか穢れてないのか?」ニヤニヤ

「そうか、じゃあお前にいい物を見せてやるよ、ほれっ!」

ショックで倒れそうになりました。

彼と一緒にA子さんがニッコリ笑顔で写ってる2ショット写真。「こ・・・これは」と言う私に「俺もA子さんは別格だと思って頑張ってるんだけど、今までの中で一番難しいんだな」つまり、まだアプローチの段階であることを彼は言いました。

A子さんが私を心配している?

彼が言うのはここに来た理由はA子さんが私が教団から離れることを心配してくれたからだそうです。

「だから戻ってきてくれよ」

「なあ同じ男だったら分かるだろ?」

「なあなあ俺の気持ち分かるだろ?」

と言う彼は私を連れ戻すことでA子さんの気をひこうとしてることを知りました。私を心配してくれての行動だと思っただけに裏切られたような気持ちになりました。

「俺と手を組まないか?」

その頃、まだ私は女性と付き合った経験がありませんでした。そんな私に「俺と一緒にいれば、いい思い出来るぞ」と過去の女性信者との関係を自慢してきました。活動的でリーダーシップのある彼に惹かれた女性信者がいたのでしょう。

適当に話しを合わせながらも「考えさせて下さい」と返事しました。

後で考えてみると

あの幹部候補生の彼は、日常的には教団に顔は出さずに、若者の勉強会とかには頻繁に顔をだしていました。

宗教の信者の中には、真剣に人を良い方向に導こうという考えを持つ人がいる反面、人をダシにして自分の立場をいいものにして、おいしい思いをしようと考える人もいる。そんなことを知る出来事でした。

「はは~~ん。そう言うことか」と思った私。しかし、教団には戻る気がしなかった私は、今まで信じていた神様に最後の祈りを捧げました。

「神様、どうかお願いです。彼だけは幹部にしないでください」と。