会計後に「財布の中の金額が合わない」とお客様に言われた時に従業員が気を付けること
あれっ、私5千円札出したよね?
食品スーパーのおやじです。お会計の後に、お客様から、「財布の中の金額が合わない」と言われることがたまにあります。
- お釣りをもらったかな?
- お釣りで小銭は返してもらったけれど、札のお釣りはもらってないかも?
- 五千円渡したはずなのに、千円札としてお会計されているかも?
- 1万円札を渡したはずなのに、5千円札としてお会計されているかも?
このような問い合わせです。こういったことには、すぐにレジを一旦止めて、中の金額を確認します。
経験上、ご年配のお客様に多い。
すると、お客様のおっしゃる通り、従業員がお釣りを渡し忘れていたり、お札の見間違いをしていたりで、金額がその分浮いているときがあるのですが、そうでない時もあります。
お客様の勘違いです。「あれっ!もしかして私、千円札と5千円札を間違って渡していないかな?」という勘違いです。
これは、私の経験上では、ご年配のお客様に多いと思います。「おかしいな~、財布の中に千円札があれだけあったのに?」と人間の記憶はあいまいなものです。
しかし、今回ご紹介する出来事は20代の若者の話です。
見た目20代前半の男性のお客様。レジでお会計を済ませた後、数分後にお会計をしたレジに血相を変えて戻ってきました。
そして、その時にレジ打ちをしていたパートさんに「あのぉ~~、僕は2千円渡してませんか?」と言ってきたんです。
財布に千円が1枚残っていないとおかしい
お客様のお会計は1200円でした。その時、千円札と500円を出して、300円のお釣りをもらったそうですが、レジを済ませた後に、異変に気付いたそうです。
レジに並ぶ前に財布の中身を確認していたようで、その時は自分の財布の中に千円札が2枚入っていたそうです。
これなら十分に足りるという確認をしたそうです。ところが、1200円の買い物で千円札と500円を出して300円が返ってきたのに、なぜか財布の中には千円札が2枚ともなくなっていたそうです。
もしかして僕は千円札2枚出していないか?
「あれっ、千円札が1枚残ってないとおかしい」とその時気づき、お客様は、ハッと気づいたそうです。
「最初に千円札を2枚出して、あれっ、やっぱり端数の200円は小銭を出そうと財布をごそごそしている間に、パートさんは千円札2枚を手に取ってしまったのではないか?」と。
後で500円を出したので、合計は2500円になります。すると、千円札は1枚返してもらって、1500円でお会計をして300円のお釣りになります。
ところが、お釣りの300円だけ返してもらって、余分な千円札は返してもらっていない。きっとそうだと思ったそうです。
レジのパートさんも勘違いしていないか?
そこでレジのパートさんに聞くと、「それはないと思います」と返事をしたそうです。これで、納得しないお客様。社員である私が対応することになりました。
4コマ漫画(あなたも人間でしょ?)
レジの金額は合っていた。
まず、私はレジの金額を確認しました。お客様がおっしゃっている通り、千円多くいただいているならば、レジの中の金額が千円多いはずです。
しかし、金額はピッタリ一致していました。なので、「いただいている金額は間違いないと思います」と伝えたのですが、
「いやっ、でもね、そこのカメラに写ってないですか?僕が千円札を2枚出すところを」と言ったので、確認をすることにしました。
防犯カメラを確認しても良く分からない。
しかし、確認をしたところ、防犯カメラというものは、手元までくっきりと映るものではないんですね。
実際に見たらね、千円札らしいものを出した後に、お客様はごそごそと10秒ぐらいかな?なにやら財布の中から小銭を探して500円らしいものを出したのは確認できました。
しかし、手元までくっきり映ってないので千円札が2枚重なっているとしたら分かりません。ちなみに、それ以外で怪しい動きはありませんでした。
そのことを伝えたら、
「でも、僕は確かに財布の中に2枚あるのをみたんです」の一点張りです。そして、「じゃあ、僕にどうしろと言うんですか?」「諦めろというんですか?」とすごく困る質問をしてきました。
ここで、お客様に対して、「諦めろ」と冷たく突き放すことは出来ません。「僕の勘違いとでもおっしゃるんですか?」と言われても、「そうかもしれませんね」と冷たく突き放すことは出来ません。
友達ではなく、お客様だからです。そうこうしているうちに、「じゃあ。レジの金額があっているのなら、パートさんが余分な千円札をどこかにやってしまったのではないですか?人間だから勘違いすることもあるでしょ?」と言ってきました。
人間だから勘違いもあるでしょ?
ちなみにパートさんにそのような怪しい動きは確認出来ませんでした。この「人間だから勘違いすることもあるでしょ?」の言葉に「あなたも人間でしょ?」とは言えないんですよね。
なぜならお客様だからです。人間だから勘違いするでしょ?ということになると、レジの金額がぴったり一致していたとしても、
他のお客様から千円札を少なくいただき、このお客様から千円札を多くいただくと金額は一致します。ここまで疑わなければいけなくなります。
しかし、ここまでのことは突っ込んで聞いてきませんでした、しかし、なかなか引き下がりませんでした。
完全にそう思い込んでいる
「確かに僕は千円札が2枚あるのをこの目で確認したんですよ」「ついさっきのことだからはっきりと覚えています。2枚あったことは間違いないんです」の一点張りでした。
しかし、店としてできる確認はすべてした後なので、私たちが出来ることと言えば「万が一、千円札が見つかったら、ご連絡します」と言うことです。
何度もそうお伝えして、なんとかお客様は、しぶしぶ納得して帰られました。
嘘をついているようには見えない。
こういったことは私の経験上、ご年配のお客様に多いのですが、今回は若者でした。若者は嘘をついているようには見えませんでした。
何が真実なのかは見えにくい問題ですね。いろいろとツッコミを入れたくなる出来事ですが、そこはお客様相手の仕事なので、冷たく引き離さずに対応することで、時間はかかっても、なんとかなるものだと感じたのでした。
お客様は困っているから言ってくる。
お客様の勘違いじゃないのか?ここまで確認したのになぜ引き下がらない?そんな時は「早く納得してくれよ」と引き離したくなります。
そういった姿勢で2次クレームといって、本来のクレームから対応した従業員への態度の不満からくるクレームに発展するケースを何度も見てきました。
これ以上確認しようがないのは、そうなのですが、お客様は困っているから言ってきています。
ここに気を付けることがこういった問題に対する従業員の姿勢かなと思うんですね。