ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

「あの社長は私に優しい」ということで転職を考える前に気付きたいこと

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同業他社や、自分のところの他部署の待遇が気になる。

食品スーパーのおやじです。今からお話しする内容は、うちに限らずいろいろな職場で見かけることではないでしょうか?

嫌でも耳に入る「同業他社の待遇」「うちの会社の他部署の待遇」。そんな時に思うこと・・・

「あっ!そっちの方を選んでいればよかったな~」

私の勤める食品スーパーでもね、配送・テナント・社員・アルバイト・・・いろいろと求人を出しています。そこで、未来は変わる。それはそうですよね。

たまたま見た求人が、スーパー本体の社員であることもあれば、テナントの社員であることもあるわけです。

後悔しても、スタート地点は変えにくい。

そこで、いろいろと「ボーナスは?」とか「休みは?」とか聞いて、言い合って、「いいな~」「いやいや、そっちもいいな~」なあんて言い合っている不毛な戦いです。

今更スタート地点は変えられないと思いつつも、よその待遇が気になるんですね。

最近、うちを辞めたアルバイト君もね、隣の芝生は青く見えるを絵にかいたようなことをしてきたんですよ。

4コマ漫画(またあそこで働きたいけど、部署を変えたい)

 

 

 

 

 

 

 

 

いつも暇そうにしている総菜屋

まず、この時に話してきたのはうちのテナントの大将です。つまり、総菜屋の社長。私たちが忙しくてヒーヒー言っている中でも涼し気に暇そうにしているんですよ。

私も、この大将に対して、「いいな~のんびりしていて」と思うことがたびたびあります。

しかし、この大将がクセものである。

何人もの若い衆を「使えない」と言う理由で厳しい口調で退職に追い込んでいるように見えるんです。

辞めた人に直接聞いたわけではないけれど、耐えられなくなったんだと思うんですね。かなりアルバイトには厳しく指導する大将です。

口調がきつい。客商売だから売り場ではもちろん大人しくしてますが、バックヤードでは、かなり若い衆に無茶ぶりをして、出来てなかったらきつい言葉を投げかけています。

私たちには優しい。

しかし、私たち食品スーパー本体の社員・アルバイト・パートさんには、とっても優しいんです。

いつも話しかけてくるお茶目なおっさんに見えるんですよ。ここで、勘違いが生まれると思うんですね。

山田君(仮名)は、総菜屋の大将を、自分には優しいと思っているのでしょう。今まで、若い衆が何人も厳しい指導でリタイヤしていったのは、若い衆の出来が悪かっただけで、自分は違うと思っているんでしょう。

彼の性格を良く知っている私は、その心が透けて見えるんですよ。「あれだけ僕に優しかった大将だから、優しく受け入れてくれるだろう」という気持ちが。

大将の気持ち。

大将は言っていました。「雇ってもいいけど、なんかやりにくいな~」と。そりゃあそうでしょうね。

今まで他の部署のアルバイトということで、気を使って優しくしていたのをいきなり手のひらを返したように厳しく接するのは抵抗があるのでしょう。

結局、大将は「みんなの気持ちも考えろ」と山田君(仮名)に連絡して断ったそうです。みんなの気持ちというのは、私たちのところで、一生懸命彼を一人前に育てようとしていた社員や先輩アルバイト・パートさんの気持ちです。

「あの社長は優しい」と感じるのは自分が直接の部下でないからである。

私から見て、山田君(仮名)はうちの仕事がきつくて辞めたような子なんです。そして、彼が惣菜屋に入りたいと言ったのは楽そうに見えるからと言う気持ちが透けて見えるんですね。

私でも、大将がフレンドリーに話しかけてくるから勘違いしてしまうほどです。暇そうにしているように見えるので、うらやましくも思います。

だから、彼がそっちに転職したくなる気持ちも分かります、私たちにはとっても優しくフレンドリーだからです。

しかし、「あの社長は自分と仲が良い」「自分は気に入られている」そう思ってその社長のところに行く前に考えたいことがあるんですね。

それは、なぜ、部下には厳しいのに、自分には優しいのか?です。そう考えると決して自分の個人的な魅力ではなく、他部署の人だからと言うところが大きいでしょう。

この出来事から私が気付いたこと。それは、表面上の優しさ・仲の良さで進む道の判断をうかつに考えてはいけないことなのでした。