ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

本当の友達とは?その素晴らしい答えを学校の先生から教わり胸が熱くなった

本当の友達とはどういうものか?

年を重ねると、古くからの友達がどんどん少なくなるという声を聞きます。そして古くからの友達がとても大事に思えることがあります。

仕事をしていく上では、古くからの友人よりも、新しくできた職場での友人の方が交流が多くなります。

しかし、職場で出来た友人には、どことなく利害関係のようなものを感じることがあり、その職場を離れても友達でい続けることが出来るのだろうか?と疑問に思うことがあります。

そんな、「本当の友達とは何なのか?」という疑問が生まれたときに思い出すことがあります。

小学校の卒業式の時に担任の先生からお聞きした話です。

先生は母子家庭で育てられました。決して裕福ではなかった子供時代をすごしました。

そして、金銭的な理由で、大学の4年間を、お古の学生服1着だけで過ごしたそうです。当然学生服はボロボロになりました。

そして、大学の卒業式が近づいてきたある日のこと、お母さんが、あるものを用意してくれました。それは新しい背広です。

裕福ではない家庭。それでも一生に一度の卒業式にはこの背広を着てほしい。そんな母の願いが込められていました。そして、母の気持ちに涙をこらえました。

しかし先生は、今までずっと学生服だけで過ごしてきたため、卒業式にだけ背広を着るのは恥ずかしかったそうです。

しかし、気持ちをありがたく受け取り、慣れない背広で卒業式に行きました。すると、晴れ着姿の女子学生にパリッとした背広の男子学生が集まり、華やかな雰囲気だったそうです。

みんなと同じ綺麗な背広で卒業式を迎える先生.。その時、学生服ではなく背広で良かったと思ったそうです。

そして、お母さんからもらった気持ちがすごくありがたいと思えてきて涙をこらえるのに大変だったそうです。

友達がしたことに涙

そんな先生には仲の良い3人の友達がいました。その3人が先生に近づいてきました。その友人たちの姿をみて驚きました。

あれ?なんで、3人とも?他の学生がみんな背広を着ているのに3人だけ、学生服を着てきました。

3人は先生だけに恥ずかしい思いをさせたくないと思ったそうです。それを見て先生は、学生服で来たら良かったと後悔したそうです。

後悔した先生に友達がかけた言葉

3人は,先生の背広姿を見て「良く似合ってるぞ」と喜んでくれたそうです。その後、社会人になってからもずっと、かけがえのない友達でいたそうです。

この話は私の宝物

どうですか? 友達っていいものですね。 これは30年前に聞いた話ですが、今でも私の宝物です。

あの時、先生は40代でした、 今は70代です。どうしてるのか気になります。
先生から頂いたこの話。私は一生忘れません。子供時代に出来た友人は一生の宝物だと言われます。

まさに、その通りだと思います。社会人になってからも友人は出来ます。その多くは職場で出来る友人です。

職場で出来た友人にはどことなく、「私も何かをする代わりに相手にも・・・」と持ちつ持たれつの関係が生じます。

本当の友人というものは仕事を離れた場所にいるのではないでしょうか?もちろん同じ職場であったとしても、仕事を離れた場所でも付き合える関係です。

利害関係が発生しない友人

自分にとって後で都合がいいから相手を助けるというのは、本当の友人ではないと思います。

無条件に、「友達だから」という感情だけで動くことが出来る。それが本当の友人だということです。

「あいつ一人に恥ずかしい思いをさせてたまるか」という気持ちだけでわざとボロボロの学生服で卒業式に出席した友人。

そこで、予想に反して新しい背広で目の前に現れた先生。「友達だから」という理由だけで動いているからこそ、「せっかく気を利かせてあげたのに」という気持ちは生まれなかったのでしょう。

「友達だから」という気持ちに見返りを求めない。だからこそ、そんな友人は無条件に素晴らしいと思います。