初七日の法要の後、お坊さんから七日ごとの法要の意味を聞かされた。お金も時間もない。さぁどうする?
「えっ!こんなにするべきことが多いの?」と絶句。
生きていく上で大切な人とのお別れは避けて通れない道です。しかし、そう頻繁に経験することのない私たちは、葬儀社・お坊さんとの打ち合わせの際に、「えっ!こんなにするべきことが多いの?」とため息をつく人も多いでしょう。
「やっぱりお坊さんの言う通りにした方がいいのかな?」
ほとんどの日本人が仏教式のお葬式を行うため、その後のスケジュールをお坊さんと相談することになります。
その後のスケジュールは宗派や地方によって若干の違いはあるにせよ、葬儀社の方の話によると以下が一般的に共通するものになります。
初七日←死去から七日目
二七日←死去から14日目
三七日←死去から21日目
四七日←死去から28日目
五七日←死去から35日目
六七日←死去から42日目
満中陰←死去から49日目
初盆←49日が過ぎた後の初めてのお盆
百か日←死去から100日目
一周忌←死去から1年
その後、三回忌・七回忌・十三回忌・十七回忌・二十三回忌・二十七回忌・三十三回忌と続きます。
ここで悩みが生じます。
お坊さんから「具体的な日時はどうしましょうか?」と言われた時・・・
仕事も忙しいし、そんなにするのは大変だと思う。
でも、お坊さんの言う通りにしないと駄目なのかな?
と2つの気持ちがぶつかり、多くの方が悩まれるでしょう。そんな悩みの少しでもヒントになれればと私が経験したことを以下に書きたいと思います。
人生初の喪主をつとめることになった母
母の兄、つまり私にとっておじさんが亡くなり人生初の喪主をすることになった母。お葬式が終わり、これからの予定をご住職様と相談することになりました。
49日の法要まで7日ごとにご住職様が家にお経をあげにきます、その具体的な日時を後で打ち合わせをすることになりました。
「7日ごとにお坊さんがくるなんて、あ~~大変」
「でも仕方がないのかな?」
と母はため息をつきました。
これから大切な人が無事成仏できるようにお世話になるご住職様の言うことです。やはりここは大人しく従う方が無難で間違いはないのかな?という気持ちです。
しかし、それにしても大変だという気持ちがありました。私たちは暇ではありません。
なかなか仕事を休んでその都度集まるというのは難しい面があります。そんな悩む母に・・・
うちの嫁さんが助け舟を出しました。
嫁さん 「私の父が亡くなった時は7日ごとの法要は省略しましたよ」
母 「えっ?省略できるの?」
私は気になってネットで調べました。すると、本来であれば死去から7日ごとに法要をするのですが、最近の人は省略している人が多いらしいです。
しかし、母は心配していました。
「そんなこと、ご住職様が納得するのかな?」と。
なので打ち合わせには3人で行くことになりました。
正直に悩んでいることをご住職様に話しました。
「実は7日ごとの法要について悩んでいます」
おじさんがきちんと49日目で成仏できるように私たちはしたいと思っています。しかし、仕事という現実があります。
そんな苦しい私たちの気持ちに対して、ご住職様は七日ごとの法要の大切さを説いてくださいました。
「七日ごとの法要をする意味は、7日ごとにあの世では閻魔大王様の裁判がありますから」
ご住職様は七日ごとの法要の意味を分かりやすく教えてくださいました。その説明を聞いていると、「やっぱりやってあげた方がおじさんのためになるのかな?」と思いました。
しかし、私はご住職様に、「ご住職様のおっしゃる通りするのが一番だと思います。しかし、私たちがそれを全てするのは大変です」
「そこで、いろいろとお調べすると、忙しい現代では省略するのが一般的になりつつあると知りました」と言いました。
するとご住職様は・・・
私たちの考えに理解を示されました。
「昔と違って、今は仕事も忙しくてなかなか休めないということで省略する人も多いですよ」
とご住職様は時代の変化に理解を示されていました。
私たちの気持ちに対して、「きちんと白木のお位牌に手を合わせていれば省略できますよ」と言われました。
す・・・救われました(⌒▽⌒)
「お母さん一人やったら、ご住職さんの言う通りにしてたと思うわ」と母はほっと胸をなでおろしました。
いかがでしたでしょうか?
ご住職様にこのような相談をするとき、私は少なからず緊張しました。大切な人が成仏してもらうためにはこうすべきだという考えを変えられないのではないか?という不安がありました。
しかし、意外にもあっさりと私たちの気持ちに理解を示されて7日ごとの法要は省略され、後は49日の法要で無事に成仏できるという形にしてくださいました。
これは何を意味するのでしょうか?
時代とともに「こうあるべき」という形は少しづづ変化しています
ご住職様は見た感じ30代ほどの若い方でした。先代のご住職様が高齢でお亡くなりになり、交代して間もない方でした。
先代のご住職は生涯独身でしたが現住職は結婚されています。
さらにお子さんも、この前生まれたばかりだということです。話によると、昔は「住職は結婚せずに独身でいるべきだ」と言う考えが大きかったそうですが時代の変化とともに結婚される方が多くなったそうです。
なので、時代の変化というものに一定の理解を示されているのでしょう。
現状を正直に相談することが一番です
今回私が言いたいこと、それは・・・
人生で避けて通れない道である大切な人の法要。いつ、どのような形ですればいいのか?多くの方がお坊さんと相談されます。
そんな時は、私の母のように・・・
「やっぱりお坊さんの言う通りにしなくちゃいけないのかな?」という気持ちだけに捉われて、黙って従うのが美徳だと思いがちです。
もちろん無茶な相談はすべきではないと思いますが、時代の変化とともに法要のあり方も少しづつ変化をしていることを踏まえて相談をすれば、きっとその気持ちを聞いて下さると思います。