「我慢は人生を狂わせます」の発信についての疑問
「あなたの悩みを解決します」的な先生は、集客の主なターゲットを主婦にしている。
なので、子育ての悩みを解決すべき発信をせっせとしているのだが、子育ての方法論というのは世の中にあふれている。
そこで、自分の方法論を目立たせるため、先生は奇をてらった発信をしているのだ。
例えばこのようなものだ。
「好き勝手ばかりしていたら社会にでてから苦労するよ」と言って育てられた子供は現実の厳しさを刷り込まれているので、それを証明するように世の中の苦労と大変さと厳しさに向き合う人生を送ります。
と言ったものだ。
このように先生は言っているが社会にでたら誰でも現実に向き合うことも考えたほうがいいだろう。
さらに先生は・・・
「自分勝手にしていたら痛い目にあうよ」と育てられるより「好きにしていいんだよ。そのままでいいんだよ」と育てられたほうが楽しい人生を送れる」
と言っている。しかし、子供時代に好き勝手してそれが通用しなくなった時にドン底の苦しい人生を感じるケースがあることを知らねばいけないだろう。
奇をてらった発信で注目を集め、お金儲けをもくろむ先生は、お金に対する発信も好んでやっている。
「お金があると幸せと思っている人はお金がなくなると不幸になる。つまり、お金があるからという条件付きの幸せはもろいのだ」と言う先生は精力的にお金もうけをしているので、言っていることとやっていることは違うことを見逃してはいけない。
「『人に迷惑をかけてはいけない』や『快楽に溺れてはいけない』は固定観念です」と固定観念を悪者にして自分の教えを植え付けようとする先生がいるが、よく考えると、先生の教えも固定観念であり、言葉巧みに別の固定観念を植え付けようとしているのだ。
社会の一員として自然に身に付いた「〇〇してはいけない」というモラルは固定観念であり、あなたの自由を奪っていると言ってモラルを手放すように勧める先生。
その教えを信じてモラルを手放しても、あなたがいる社会ではあなた意外の他人はモラルを手放さないのであなた一人が浮いてしまうだろう。
一人の社会人として自然に身に付いた「〇〇しないほうがいい」を悪い固定観念だと決めつける先生も、結局は社会の中で生きているので他人の固定観念を避けて生きていくことはできない。
本当に固定観念を捨てて幸せになりたいならその社会から離れなければ難しいだろう。
先生は、「〇〇したほうがいい」のは分かっているけれど、面倒でしたくないという誰もが持っている心理をうまく利用して甘い言葉をかけてくる。
そのうちの一つが「宿題はやらなくていい」と言う考えだ。
「宿題はやらなくていい」がネット上で流行っている。
僕も宿題は答えを丸写しだったし、半分も出来なかったので勉強にはなっていない。
しかし最初から「やらなくていい」と言われるのではなく、義務化されることで、社会には期限内に終わらせる決まり事があるという概念を身をもって知ることは出来た。
なので、最初から「やらなくていい」と言ってしまうのはどうかと思う。
先生はみんなの常識を覆すというフレーズが大好きだ。
「私の教えは、いままであなたが信じていた常識や子供のころから刷り込まれてきたものを壊すものなので、恐怖や痛みを感じるだろうが、それでもやり続けた先にバッカーンと運が開けるのです」と言う先生の教え。
それを実行してバッカーンと運が開けない時、先生に文句を言っても信心が足りないと逃げられるだろう。
子育ては悩みの連続で思うように行かない。そんな母親を狙って甘い言葉で集客する先生は「お菓子を我慢させる必要もなく、子供の好きだということを優先させよう」と言うが、ハムスターでも好きなものばかり食べさせたら肥満になるように、ある程度の栄養管理や食育をした方が体の強い子に育つのにね。
先生の教えには「信じれば救われる」という考えが根底にある。
「頑張っても報われない。働いても働いてもお金がたまらない。それは、あなたの周波数が宇宙の豊かさの波と波長があってないのですよ🎵」と言う先生。
その言葉を信じるよりは仕事のスキルをあげて家計を見直した方が現実的なご利益があるだろう。
「新しい宇宙の流れが始まっています。そこで漠然とした不安や『このままで私はいいのかな?』と言う気持ちが生まれるかもしれません。それは、あなたの魂が新しいステージにいきたがっているのですと言ってキラキラした前向きな道を指し示す感じでカモを高揚させる手口にご注意ねがいたい。
先生は、みんながやりたいと思っていても、なかなかそれは出来ないと思っていることをやったほうがいいとけしかけてくる。
そのほうが、より多くの人を惹きつけられるからだ。
「飛行機のファーストクラスに乗ると世界観が変わり、成功者のマインドが身に付く」と先生はどや顔で言うが、実に薄っぺらい教えだ。
お金持ちが味わえることを味わっても、世界観が変わっても、目の覚めるような実用的な発見がなければ、ただの優雅な旅の思い出にすぎず、成功に役立てることは出来ない。
このように、奇をてらった成功論の発信で注目をあつめようとする先生は「それが出来れば苦労はしない」と批判されることがある。
しかし、「せっかく答えを与えているのに固定観念で受け取らない人は常識から抜け出せないからいつまでも変わらない」と反論している。
しかし、その批判は多くの人が感じるもので、先生の話には、常識的に納得のいく説明や根拠やデータがないから批判されているのだ。
すると、今度は悪人正機説のようなもので反論してくる先生。
「スティーブ・ジョブズは人を道具のようにこきつかった。つまり功績と人間性は関係ない。いい人のままで人に遠慮をしていると自分のやりたいことを極められないし、自分の人生を生きられない」と先生はどや顔している。
しかし、先生はジョブズの人間性の低さよりも能力の高さを知るべきだろう。
さらに、ボクシング連盟山根会長のことも引き合いにだしていた。
この人に関しては多くの人が嫌悪感を感じたのではないだろうか?
勝てている試合を大人の勝手な都合で負けにされた選手が可哀そうと。
会長は、テレビの取材でダウンを2回奪われても勝てる奈良判定について、「ボクシングのボの字も知らない」人の意見だと批判したが、告発しているのはボクシングのボの字も知らない素人ではなくボクシングに真剣に取り組んでいる選手やコーチだ。
そんな山根会長を先生はあえて褒めたたえている。
それは、先生が発信している「人に遠慮をせずに自分の好きなことをすると幸せになれる」をまさに体現しているからだろう。
「罪悪感があると自分の人生を生きられない」と発信している先生。
先生は、ボクシング連盟の山根会長の報道に対して「罪悪感のある人が罪悪感なく自分の人生を生きている人を批判している。山根会長は権力を振り回して自分の好き勝手出来る凄い人だ」と発信しだした。
僕はそれを冷ややかな目で読んだ。これだけ報道されたら好き勝手出来なくなるのにね。
「我慢は人生を狂わせます。子供が勉強したくないなら、放っておきましょう。子供は自分が必要だと思ったときに勉強をします。温かく見守りましょう」と発信している先生がいる。
しかし、簡単な仕事を覚えられない人を何人も見てきた経験では必要なときがおとづれても勉強する習慣がなかった人は勉強出来ないものだ。
それに、知らないでは済まされない基礎的なものもあるだろうしね。
とにかく、いきすぎたすべてを許す子育てで、いざと言うとき踏ん張りがきかない。
ちょっとでも自分の思うようにいかないと、かっとなる。ひじょうに生きづらくなる子が増えていくだろう。
「そんなことしては危ないよ」は親の先入観の押し付けだと先生は言うが、先日の朝のニュースでオモチャの銃を持っていた子が本物の銃と勘違いした警官に射殺される事件から学んだ方がいいだろう。