焦れば焦るほど動きがばたつくことは長年染み付いた癖になるほど直しにくくなる

勤め先の食品スーパーで、とても真面目で一生懸命に作業をするアルバイト君がいた。彼は、動きがとても速かった。しかし、その動きの速さの割には作業が進んでいないことが気になった。原因は分かっていた。彼は無駄に動きがばたついていたからだ。
ある日、彼に教えてあげた。「動きがこんなことになっているよ」と、彼と同じ無駄な動きを見せた。そして「こういう感じで普通に動いたらいいよ。焦る必要はないよ」とスムーズで無駄のない動きを見せてあげた。彼は後でこう言った。
「実はあの日の夜は眠れなかったんです。どうしてかと言うと、あの様なことを言われたのは初めてで悔しかったんです。しかし、言われなかったらいつまでも気付かなかったかも知れません。だから教えて頂いて有難うございました」
私からの指摘を真剣に受け止めた彼は成長し、本来の真面目で頑張り屋の性格があったため、とても仕事の早い皆から認められる存在になった。
彼にとって今まで誰にも指摘されなかった動きのばたつきを、なぜ私は教えてあげられたのか？それは私にも彼と似たような所があるからだ。焦れば焦るほど無駄に動き回り逆に遅くなる。だから常日頃から自分に、「焦るな」と言い聞かせている。しかし、昔はもっとひどかった。ずいぶん改善されたのは、過去に指摘をされてそれから直す努力をしたからだ。
思い出すのは、工事現場でのことだ。現場には納期というものがある。先輩たちが「急げ急げ」と急がせる。そして私は焦った。そして無駄に手足をばたつかせる私を先輩たちは笑った。
「そんなにバタバタするな。もっとスムーズに動け」そう言われて見ると作業の早い職人の動きはスムーズだった。動きに焦りがなかった。しかし、動きが速く見えるのに作業が遅い職人は、バタバタと無駄な動きが多くあることに気付いた。私も同じように焦れば焦るほど無意識に無駄な動きが多くなっていた。この動きのばたつきは意識しないと直らない。箸の持ち方と同じで、長年染み付いた癖になればなるほど直しにくくなると思った。
その後、私は自分の動きを意識することで以前よりもスムーズに動けるようになった。そして今では先輩の「そんなにバタバタするな」と言う言葉に大きく感謝をしている。なぜなら様々な職場で働いてきたが、動きのばたつきを指摘されることは少ないと感じたからだ。余計なお世話と思われがちなことは、なかなか言われない。それに、みんなが急いでいる時は、他人の動きのばたつきまでは、かまっていられない。
仕事ではなくスポーツの世界なら指摘されることは多いだろう。昔、水泳を習っている時、手のかきが速いのに速く泳げない私にコーチは動きが空回りしていると何度も指導してくれた。
職場で「もっと速く動け」とはよく聞く言葉だが動きのばたつきまでは指摘されないことがある。そのまま長年染み付いた癖になればやっかいだ。だからこそ自分でしっかりと意識をすることが大事だ。

あやしい催眠商法 だましの全手口 身近な人を守るために知っておくべきこと

あやしい催眠商法 だましの全手口 身近な人を守るために知っておくべきこと [ ロバート・熊 ]

「あやしい催眠商法だましの全手口身近な人を守るために知っておくべきこと」
単行本: 230ページ
出版社: 自由国民社 (2018/11/2)　
筆者　ロバート・熊
イラストレーター　にゃんとまた旅/ねこまき
身近な人を守るために知っておきたい催眠商法の現場を元社員が詳細に明かした本です。
★本書の特徴
１．いかにしてお年寄りのこころを奪うか、元社員が明かします。　　　
２．ネット上にある催眠商法の説明はごく簡素なものですが、事実はかなり込み入った内容です。本書では複雑で巧妙な手口をあますことなく紹介いたします。
３．まず近づかないことが一番ですが、もし被害にあってしまった場合の有効な対策も分かります。

大型書店の法律書の棚に並べられていることが多いです。
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