ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

催眠商法のコマーシャルショップにお年寄りしか集まらない理由

こんにちは、熊さんです。

3分で分かる催眠商法の手口と対処法。

私は6年間、催眠商法の現場にいました。

現在は催眠商法の危険性を訴える活動をしています。

今回は、なぜ催眠商法にはお年寄りしか集まらないのか?

についてお話します。

催眠商法は、潰れたコンビニを2か月間借りて宣伝会場をつくります。

そして、オープンする二日前から近所の住宅街にチラシを配っていきます。

インターフォンを押して、出てきたお年寄りに

「近くで自然食品のお店がオープンします」

「地域のみなさんに挨拶に回っています」

「明後日に開店記念として高級卵と洗剤がまとめて100円です」

「ぜひご来店お待ちしています」

と言って、チラシを渡します。

チラシを持って行くと、高級卵と洗剤がまとめて、100円で買うことが出来ることにお年寄りは警戒します。

「あとで高いものを売りつけてくるのかな?」と。

しかし、気になって言ってみると、

そこには近所のお年寄り達が列をなして並んでいます。

「あっ、これなら安心だわ」

と一緒に並び、会場に入っていきます。

会場では90分間の講演があり、その中で、次の日のお土産の紹介がされます。

「明日のお土産は高級はちみつです。定価1800円ですが、今日来てくれた人には無料引換券をお渡しします」と無料引換券を配られます。

すると「明日も貰いに行こう」となってしまい、足を運んでしまうのです。

その後も毎日、日替わりで魅力的なお土産がタダ同然で配られます。

普通のスーパーで買うと千円はする食料品が100円で配られるのは魅力的です。

なのに、どうしてお年寄りしか集まらないのでしょうか?

その理由は、お土産をもらうには90分間の講演会を聞かなくてはいけません。

若い人には、いくら魅力的なお土産がもらえるからと言って、90分間の講演を聞くのは苦痛に感じるのです。

さらに無料でもらうためには前日に配られる引換券が必要です。

つまり、連続して通える人だけが無料でお土産を毎日もらえるのです。

仕事をしている若い人には無理な話ですよね?


なので、時間と暇を持て余しているお年寄りばかりが集まります。

それに、若い人には居心地が悪く感じるでしょう。

集まっているのは全員がお年寄りです。

若い人はかなり周囲から浮いた存在に見えてしまいます。

そういった理由で、客は全員がお年寄りになってしまいます。

そして、判断力の衰えたお年寄りに高額な商品が販売されます。

催眠商法は社会問題です。

どうかこの危険な悪徳商法の実態を知っていただき

被害にある方が、少なくなるように願っています。

ありがとうございました。

 

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催眠商法が「ハイハイ」と相槌を打つ理由

こんにちは、熊さんです。

3分で分かる催眠商法の手口と対処法。

私は6年間、催眠商法の現場にいました。

現在は催眠商法の危険性を訴える活動をしています。

今回は、催眠商法が別名「ハイハイ商法」と言われていることについてお話しします。

講演会では常に「ハイ」「ハイ」という掛け声が飛び交います。

 

従業員にはそれぞれ役割があります。

 

講演を担当する講師と、その横で講師の話を盛り上げるアシスタントです。

テレビショッピングの司会者とアシスタントをイメージしてもらえると分かりやすいです。

アシスタントは講師の話の合間合間に「ハイ」「ハイ」と小刻みに合いの手をいれます。

150人のお客さんの前で「ハイ」「ハイ」と笑顔で合いの手をいれる役割。

明るく元気よく「ハイ」「ハイ」と合いの手をいれることで講師は話がしやすくなるのです。

これはカラオケをイメージしてもらえると分かりやすいです。

カラオケを歌う時にみんなで手拍子をしますよね。

あの手拍子があると、みんなにノセられて気持ちよく歌えるという経験をしたことはないでしょうか?

手拍子が上手ければ上手いほどそのリズムにのせられて歌いやすいのです。

講演会も同じで、アシスタントが話の的確な位置に「ハイ」と合いの手をいれることで講師はノリノリで話をすることが出来るのです。

そして、この「ハイ」という合いの手はお客さんにもしてもらいます。

「みなさんにお願いがありま~す。話の合間合間に「ハイ」と返事があると、
とっても話がしやすくなりま~す。なので、今から返事の練習をしま~す。
僕が手を振り下ろしたら『ハイ』と元気よく返事をしてくださいね。では、
行きますよ~、良かったら~?」

「ハイ!」

「良くなくても~?」

「ハイ!」

「さあ行きますよぉ」

「ハイっ!」

「ハイっ!」

「ハイっ!」

「は~い、みなさん、よくできました~」

パチパチパチ

拍手とともに会場は笑いに包まれます。

そして、きっちりと教育されたお客さんは講師の話の合間合間に
アシスタントとともに「ハイっ、ハイっ」と合いの手をいれるようになるのです。

すると、最初のうちは恥ずかしがっていた人もいつの間にか「ハイ」「ハイ」と楽しく合いの手をいれるようになっていき、会場が一体化したような空気感が出てきます。

みんなで「ハイ」「ハイ」ということによって楽しくて気持ちが高揚してくるのです。

 

すると、不思議なほど話に引き込まれてしまいます。

 

熱狂の渦に巻き込まれるとお年寄りは冷静な判断が下せなくなります。

これぞまさに催眠商法の怖さ。

 

冷静な判断力を奪いとる危険な宣伝会場には決して近づかないで下さい。

 

御視聴ありがとうございました。

 

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仕事に対する数字を意識し、分析出来れば工夫と成長につながる

数字を意識するのは苦手だ。センスと勢いだけでなんとかなる。若いころの自分はそう思っていた。数字を気にする人よりも、勢いのある私がいい結果を残すこともあった。考えている時間があればその分を行動に移すべきだ。その方が何にしても前に進むことが出来ると思っていた。

そんな私が食品スーパーで働き出した。私がいてた店はかなりの繁盛店で売上の数字がとてもよかった。私はこの原因をとにかくがむしゃらに動いているからだと思っていた。数字を考える暇があったら、とにかく急いで商品を出したかった。出せば出すほど売れていくように思えた。そのようながむしゃらな気持ちで頑張ってきた結果が店が好調な理由だと思っていた。

勤めだして3年が経った頃のある日、本部の課長が視察に来た。店長が公休のため私が対応する事になった。本部の人が視察に来た時は必ず聞いてくる質問があった。その日の売上目標と、今月はどれだけ売上目標を達成できているかだった。その日も同じように聞かれた。私は待っていましたとばかりに答えた。いつも聞かれるから答えられる準備をしていたからだ。だがこの日は違った。

「それでは冷凍食品の売れ筋の上位10位までの商品名を答えてください」

「焼酎の売れ筋の上位10位までを答えてください」

私は答えられなかった。そんなものを知らなくてもどんどん売れている状態から商品を発注しておけば売り切れることはなく売上も落ちることがないと思っていたからだ。しかし答えられないことに対しては素直に謝った。

課長は言った。「この店は大変売上の数字がいいと思う。しかし、もっともっと売れる店だと思う。今は勢いだけで売っている様に見えるからだ。もちろん勢いはとても大事だ。しかし、そこには工夫や成長がない。数字を意識せずにただ漠然と働いていては5年経っても10年経っても、成長は出来ないだろう。しかしきちんと数字を意識していれば、売り場を工夫することが出来る。その工夫が成長に繋がるんだよ」この言葉に反論した。

「数字を意識している社員よりも私は結果を出しているじゃないですか?勢いだけと言いますが勢いが一番大事だと思います」この言葉に課長は怒った

「じゃあ君の勢いが具体的にどれだけ数字に影響を与えてるか答えられるのか?」

「それは・・・」と言う私に「具体的に数字で説明出来ないと頑張りが評価出来ないんだよ」と課長は言った。

その後、友人にこのことで愚痴を言った。「なんでみんな数字数字って言うのだろう?」友人は答えた「好きだからだと思うよ。自分も好きなものは数字を意識するからね。君は釣りが好きなんだろ?だからいつもメジャーを持っていて魚の大きさを気にしてるだろ?」友人の言葉に「あっそういうことか」と思った。

私は数字を意識するのが苦手なんかじゃない。数字を気にするほど仕事を好きになってなかったんだと気付いた。