ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

「あの人が言っていた」よりも自分の意見を言ってほしい

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「誰々がこう言ってたんだけど・・・」と嘘を言う人

皆さんの周りでこのような人はいませんでしょうか?自分の意見を言う時に、あえて「○○さんから聞いたことなんだけど」と自分の意見を他人からの意見のように言う人です。

「その意見に責任を持ちたくない」 「自分よりも影響力のある人の意見にすることで意見を通りやすくしたい」 など、その理由は分からなくもないのですが、あまりにも、癖のようにそういった言い方を多用されると「ずるい人だな」という印象を人に与えます。

嘘つきは泥棒の始まり

昔から良く聞くことわざに、「嘘つきは泥棒の始まり」というものがあります。嘘をつくことで心が悪に染まっていくのでしょう。

普通に意見をするよりも自分よりも影響力のある人の意見にすり替える。この安易なやり方が癖のようになると、周囲から大きな、しっぺ返しがくるということを目の当たりにした出来事があります。

勤め先の食品スーパーで、従業員に注意する時に、やたらと「お客様に言われたんだけど・・・」と、切り出すことが多かった店長の下で働いたことがあります。

「お客さんに言われたんだけど・・・」

とても、怪しいです。なぜなら店長は私のように店の中で動き回っていると言うよりも事務所にこもっている時間の方が長いからです。

そんなに頻繁にお客様が助言してくるものなのかな?と言うほど数が多いのです。 さらにその内容にも疑問があります。

ここの店員さんは他と比べて元気がないんですね」

「せっかく買い物にきたんだから商品を選択する楽しさがほしいですよ」

とお客様に言われたそうですが、確かに言われなくもないのですが、本当に言われたのか怪しい内容が多かったです。

なぜ、わざわざお客様が言ってきたことにするのか?それは、お客様からのご意見にしたほうが注意されたほうは納得に至りやすいからでしょう。

お客様あっての商売なだけにお客様からのご意見は重く受け止めなければいけません。そこを分かった上で「お客様が言ってたんだけど・・・・」を大義名分のように使っていたように思われるのです。

さらに店長は、上司が視察に来た後は、ここぞとばかりに私たちに駄目出しをしてくるのです。もちろん上司の名前を出してです。

「部長が言っていたんだけど・・・」

「部長が言ってたんだけど・・・」と、これも言われなくもないだろうと言うような内容なのですが、言い方がどことなく大げさな感じに聞こえました。

「来ていきなり言われたんだけど・・・・」

「めちゃくちゃに怒られたんだけど・・・」

と、ありえなくもない内容なのですが、その頻度の多さと大げさな語り口調から、なんだか怪しい。そんな気持ちにさせられました。

しかし、本人になかなか「それって嘘でしょ?」と言えることでもなく、悶々とした日々を過ごすことになりました。

そんなある日のこと、店長が発注ミスをしたのです。売れ筋の商品があと2日後でないと入って来ないと言う時に、近所の系列店に商品を分けてもらうことになりました。

その店へのお願いの電話は店長がしたのですが。そのお願いの仕方を私に自慢げに語ってきました。

「『お客様の注文だから』と言えば一発だったよ」

普通に、「商品の数に余裕があれば分けてもらえませんか?」と言うよりも、「お客様の注文なのですが、分けてもらえませんか?」と言う方が分けてもらえると言う独自のやり方を自慢してきました。

この時私は、「あっ!この人やっぱり黒だな」と思いました。 この店長とは半年ほどしか一緒にいませんでした。

半年ほどで他店に異動になりました。そして、残念なことに異動してしばらくすると降格になり、さらに消えるように辞めて行かれました。この話には続きがあります。

「あの人、いっつもそうなんですよ」

仲良くなった上司に辞めた店長について真相を聞きました。

店長は月に一回の会議の時に上司から、店長が率先してやるべき仕事について出来ていないことを指摘されると・・・ 「あれっ!○○さんに言ったんですけど?・・・えーと。申し訳ないです。もう一回言います」 と首をかしげながら1段高いキーの声をだし、スラスラっと言い訳をするのです。

部下に自分は言っています。やっていないのは部下が悪いから的な意味合いの発言です。

会社が力を入れて販売をする商品の売れ行きが良くないことを指摘された時には・・・ 「お客様がおっしゃってたのですがこの商品は・・・・」 とスラスラっと出てくる売れない理由に上司も最初は妙に納得させられたそうです。

しかし、毎回同じような自分の責任を逃れるような発言に、本部の上司から・・・

「いい加減にその言い訳はやめた方がいいですよ。周囲の状況のせいにばかりするのは自分には状況を変える力がありませんと言っているのと同じですよ」

と言われたのです。その時に、謝りつつも、首をかしげている店長の姿を見て上司は「こ・・・・これは直らないな」と思ったそうです。

「お客様が言ってたのですが・・・」を多用すると、まるでずるい営業マンの様に思われます。

この店長の「お客様が言ってたんだけど・・・」の口癖から思い出すことがあります。それは私が20代の頃、浄水器の訪問販売の会社で働いていた時のことです。

そこの上司から教わった事は、商品の良さを説明する時に・・・ 「さきほどのお客様にも言われたんですけど・・・・」と他のお客様がその商品を褒めていたという形にして話しを持って行った方が、信憑性が高まるというものでした。

それを聞いて私はずるいやり方だなと思ったものでした。 「誰々がこう言っていた」と自分の意見を人の意見にすり替えて、自分の意見に重みを持たせる行為。

たしかに、それが本当のことならば良いのですが・・・ それが嘘ならば、正直に自分の言葉で言うべきなのです。

なぜならば、自分の意見を人の意見にすり替えるという、ずるいやり口は癖になりがちで、周囲から気付かれた時には・・・ 自分自身の評価を大きく落とす結果になるからです。