ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

催眠商法はなぜ成立するのか?従業員の罪悪感を消し去る話

20万円、30万円の健康食品が飛ぶように売れる催眠商法

運悪くたまたま入った会社が催眠商法の会社だった若者は多いでしょう。しかし、そんな若者もこの商法ならではの悪の魅力に心を奪われていくのです。

「どうしてこの人たちはこんなにもお金をもっているんだ?」

20万円、30万円の健康食品を次から次に買っていくお年寄り。多くの新人が最初に驚くことです。

自分なら絶対に買わない。買うお金もない。それなのにこの人たちはどうして買えるのだ?

そこで上司や先輩から教わります。

「お年寄りはみんな自分たちが想像している以上にお金を持っている」
「お金を使う機会のないお年寄りがいるから社会にお金が回らない」と。

すると自分たちがしていることはお金持ちに売ることで、決して貧乏な人から金を奪うことではないと考えるようになるのです。

しかし、現実を知らない怖さがそこにあります。実際には老後破産をさせるほど買わせてしまっているのです。

今の国民年金の支給額だけでは生活ができないお年寄りは貯金を取り崩して生活しています。

そんな大事なお金を奪い取り破産させるのです。

そんな現実よりも「お年寄りは貯金をいっぱいしているから大丈夫」と従業員は思い込まされるのです。

そして催眠商法の会社は日本全国に山ほどあるけれど、どこも「うちは催眠商法の会社です」とは名乗っていません。

どこの従業員も自分たちの会社は催眠商法ではないと思っているのです。不思議ですね。

ためしにそこで働く若者に「あなたの会社は催眠商法ですか?」と聞くとほぼ全員が「違う」と答えるでしょう。

しかし、やっていることは紛れもなく催眠商法です。

それでも催眠商法でないと彼らが思う理由は「この仕事が催眠商法なら世の中の仕事は全て催眠商法ではないか?」と思い込まされているからです。

自分たち仕事のことを催眠商法だというのならば・・・

テレビのコマーシャルで有名人を起用して信用させるのも催眠ではないか?
新聞に入っているチラシも消費者に目で訴える催眠ではないか?
と彼らは思うのです。

なぜそう思うのでしょうか?それは自分のしていることを完全に正しいことではないと分かっているからです。

現実に同業者が行政処分で業務停止命令が下されるといったニュースがどんどん入ってくることがあります。

自分たちがしていることも似たようなことだと分かっているのです。行政処分が下されないのはその会社よりも目立っていないからであり、やっていることは変わりありません。

そんな中でも彼らは仕事をしていかなくてはいけないのです。

そこで大事になるのが大義名分です。

自分たちがやっていることは「お客さんのため」と思い込むのです。

嘘をつくことは「どこの会社もしている売るための演出」と思い込むのです。

自分たちがしていることは「善意の嘘」いう大義名分です。

そうして罪悪感なくお年寄りの貯金を奪い取っていくのが催眠商法です。

催眠商法はなぜ成立するのか?

その一つに、従業員の罪悪感がないからということがあげられます。

 

 
「あやしい催眠商法だましの全手口身近な人を守るために知っておくべきこと」
単行本: 230ページ
出版社: 自由国民社 (2018/11/2) 
筆者 ロバート・熊
イラストレーター にゃんとまた旅/ねこまき
身近な人を守るために知っておきたい催眠商法の現場を元社員が詳細に明かした本です。
★本書の特徴
1.いかにしてお年寄りのこころを奪うか、元・詐欺会社の社員が明かします。   
2.ネット上にある催眠商法の説明はごく簡素なものですが、事実はかなり込み入った内容です。本書では複雑で巧妙な手口をあますことなく紹介いたします。
3.まず近づかないことが一番ですが、もし被害にあってしまった場合の有効な対策も分かります。

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