難しい仕事に挑戦して自分を高めたいと思う人はそうでない人の気持ちに気付きにくい
最近、責任の大きな仕事を任されるようになった同僚が愚痴をこぼしてきた。どうやら以前よりも仕事量が増えてイライラしているようだ。
同僚は、任された責任感から長い時間残業をするようになった。心配した私は、あまり無理をしないで早く帰ってね」といたわる言葉をかけた。
しかし彼は、「こんな状態で無理をするなと言わないで下さい。ほっといて下さい」と怒った表情で返した。
良く考えてみると、長い時間残業をしているのは同僚の段取りが悪いからだ。段取り良くやれば無理して残業をしなくても済むということは、今までそれをしてきた先輩がいるから明らかだ。
だから、私はいたわりの言葉をかけたのだ。「ありがとう」と言ってもらえることはあっても、「ほっといて下さい」と言われる筋合いはないと思った。しかし、いきなり怒った表情をされて何も言えなかった。
その事以外にも彼は、「責任の大きな仕事を任されると休みの日でも気になって仕方がなくなって、休んだ気にならない」と不満をこぼしてきた。
気持ちは分かる。数多くの従業員を見てきて思うのは、責任の大きな仕事が与えられるとプレッシャーからイライラする人が多かった。しかし、そのストレスをぶつけられ、私もイライラしてきた。
その私の様子を見ていた別の同僚が「熊さんも大変だね」と声をかけてきた。
「どうして彼はイライラしているのでしょうね。重要な仕事が任されるってことは、それだけ認められていることなのに?」と言う私の疑問に彼は・・・
「だって同じ給料なら楽な仕事の方がいいに決まっているでしょ」と返した。
「それはそうだけど、あんなにイライラするのだったら、私があの仕事を取り上げようかな?」
「そんなことをしたら逆に彼の性格だったら怒ると思うよ」
人の感情は一筋縄ではいかないと感じた。人は大きな責任を与えられるとイライラすることがあり、それだったらと、その責任を取り上げると今度は「何で?」と思われることがある。
「同じ給料なら楽な方がいいに決まっているでしょ」と言う同僚の言葉に、確かにその通りだと思い、彼のストレスに気付いた。
しかし、若い頃の私だったら?と思うと、恐らく理解出来なかっただろう。
昔、職人をしていた頃、今よりも、もっと難しくて責任のある仕事を任せてもらいたいという気持ちで一杯になっていた時があった。それは自ら大変さを求めることだった。
しかも、たとえ給料が少なくなってもいいから難しい仕事がしたいと言う気持ちだった。
いつまでたっても、簡単な仕事しかやらせてもらえずに腹が立っていたのだ。周囲の職人たちを見ていても、同じように思っている人が多いように感じた。つまり、環境が変われば人の気持ちなんて簡単に変わるのだ。
そして今、その時を思い浮かべて感じるのは、同じ職人でも、若い人ほど、「チキショー。どうしてこんなに誰でも出来るような簡単な仕事しかやらせてもらえない?」と怒っていたように思う。
仕事はお金のためと思いつつも「お金よりも、もっと責任のある仕事で自分を高めたい」という気持ちは若かった自分の方が確実に強かったと思う。
しかし、そんな気持ちしかなかった自分では、「同じ給料なら楽な方が良い」と考える人の気持ちを理解出来なかっただろう。
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単行本: 230ページ
出版社: 自由国民社 (2018/11/2)
筆者 ロバート・熊
イラストレーター にゃんとまた旅/ねこまき
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