ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

「本物の男になれよ」の本物って何?

悪徳催眠商法の会社に勤めていた。

 

そこの社長にことあるごとに

 

「本物の男になれよ」と言われ続けてきた。

 

お客さんに販売する商品は本物をそろえてやる。

 

しかし、肝心のお前らが本物でなければ意味はない。

 

商品が本物でも扱う人間が本物でなければ台無しだということだ。

 

薄っぺらいうわべだけをつくろった人間になってはいけない。

 

偽物は必ずメッキがはがれる。

 

偽物はその場限りで長くは生きられないということだ。

 

本物には人が集まってくる。

 

長い間、人々に支持されるのは本物である証拠なのだ。

 

これからは本物の時代になっていく。

 

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正直者がバカを見る時代から

 

嘘のない本当を追及している人が生き残るようになるだろう。

 

では、本物になるにはどうすればいいのか?

 

本物の輝きに触れることだ。

 

ごまかしのない、本物のコーヒー

 

といった世の中には本物の〇〇があふれている。

 

僕たちは常に本物であることを求められた。

 

本物の男になれよ

 

本物の男

 

ここでいう本物の男とは何だろう?

 

それは性別のことを指しているのではない。

 

性別という視点でいうと、

 

男に生まれた時点で、みんな本物の男だ。

 

本物の男になれよと言われなくてもれっきとした本物の男だ。

 

では、本物の男になれよの本物とは?

 

生き方を指している。

 

それぞれの分野で本物を目指しているのだ。

 

ということは本物にも段階があるだろう。

 

本物になったばかりの、そこそこ本物がここにいる。

 

しかし、本物を極めた本物から見ると

 

「まだまだよのう」と思われるだろう。

 

本物にも段階がある。

 

社長は僕たちに真の本物を目指してもらいたいのだ。

 

嘘をつかない。本当の人生を生きる本物。

 

催眠商法はお年寄りにふざけた価格の健康食品を買ってもらう商売だ。

 

お年寄りは、お前ら20代30代の何倍も人生経験を積んでいる。

 

お前らのうわべの嘘などすぐに見破るのだ。

 

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本物の男になれ。

 

社長はあつく語った。

 

お前らをどこへ出しても恥ずかしくない本物の男に育てたい。

 

そう熱く語った社長は本物だった。

 

少なくとも僕たちの目には本物に見えた。

 

本物に段階があるなら、まさにキングオブ本物の男だ。

 

本物を意識することでにじみ出てくる本物。

 

本物のたたずまいがにじみ出ている、なぞの大物感。

 

大物感?本物感?大物感?本物感?

 

存在そのものが本物であり、うむを言わせぬ本物だった。

 

日本一の社長だ。

 

そうみんなが思った。

 

本物って何だろう?

 

これこそが本物の歌手だ。

これこそが本物の警察官だ。

これこそが本物の先生だ。

 

歌手になった時点で肩書だけは本物であるが

それだけでは本物ではないということだ。

 

本物の価値を感じさせる何かがあるから本物だと認められる。

 

あれでも歌手かな?と疑問符がつくのは

 

生き方と言う意味では、本物といえない。

 

その職業に就いた時点で広義的な意味では本物だ。

 

しかし、人々に与える意味で本物を目指すということ。

 

本物の男になれよ。

 

本物の男になれよ。

 

社長に事あるごとに言われ続けてきた。

 

本物として生きなければ

 

あの世界では生き残れないのだろう。

 

今、僕は食品スーパーの店員をしているが

 

本物の店員になれよとは言われない。

 

言われたら違和感抜群。

 

これが本物の横綱になれよならしっくりくる。

 

本物のコンビニ店員になれよはしっくりこない。

 

本物の占い師になれよはしっくりくる。

 

本物になれよ

 

不思議なことにそう言われるたびに体があつくなった。

 

悪徳商法に勤めていて、どんな気持ちだった?

 

罪悪感は?

 

罪悪感はなかった。

 

なぜなら、商品は本物だと信じていたからだ。

 

社長も本物。

 

本物になるべく本物を意識していた。

 

やっている時は楽しかった。

 

正直な気持ち。

 

本物になるべく、本物を意識していた。

 

生きているのが楽しかった。

 

本物を意識していたからだ。

 

夢の中で生きているから疲れない。

 

本物になるべく本物を意識していた。

 

ただ惰性でいきているのではない。

 

本物になりたい。

 

自分がどんどん本物に近づくたびに

 

生きている充実感に包まれた。

 

本物を意識することで得られる

 

充実感。

 

やってきたことは悪徳商法であるが

 

惰性で生きているだけでは味わえなかった心理を味わえることもできた。

 

 

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