ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

ABCテレビ報道情報番組「キャスト」高齢者を食い物にする催眠商法の実態

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2019年8月21日(水)
ABCテレビ(関西ローカル  6チャンネル)

報道情報番組「キャスト」内「天本周一 こだわる男」特集コーナー内にて
18時19分~約20分、催眠商法について放送されました。

 

ABCテレビを見ることの出来る関西圏だけではなく

日本全国で知っていただきたいことなのでシェアしたいと思います。

 

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催眠商法とは一体何なのか?

その実態にせまります。

 

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まず、催眠商法とは何なのか?

国民生活センターによると

閉鎖された会場にお年寄りを集め異様な雰囲気で場を盛り上げ、催眠をかけたような状態にして高額商品を売りつける商法です。

 

しかし、取材を進めていくとこの言葉とはイメージが違うと感じました。

今回取材したきっかけは関西在住の40代の男性

過去6年間催眠商法の会社に勤め、その時の最高月収は80万円。

後悔の念で暴露本を出版

本の印税は日本赤十字社を通じて被災地に全額寄付をしました。

では、そのロバート・熊さんにインタビューをした内容をどうぞ

 

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宣伝会場と呼ばれる場所に100円で卵とかパンを配りお年寄りを集めていました。

 

講習宣伝販売というビジネスです。

 

講習をするという名目で沢山の人を集め、良かったら買ってくださいねというビジネスです。

 

催眠商法ではないのですか?

 

いえ、催眠商法です。

 

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9割以上が女性で70代の年金暮らしがほとんどです。

 

最初は毎日配られるお土産目当てで通いますが、そのうち高齢者にとって貴重な娯楽の場になります。

 

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お年寄りは寂しいから通います。

会場は地域のコミュニティーの場になるのです。

 

そこに行くと若い社員がちやほやしてくれます。

「〇〇さん、今日も来てくれてありがとう」と歓迎されるのです。

社会的に孤立をしがちなお年寄りにとって自分を認めてくれる場所になるのです。

 

そして毎日通うようになるのです。

 

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こちらはVIPと呼ばれる客を招待した中国旅行です。

 

原価1万円の商品を20万円から30万円で販売し、次々と購入して金払いのいい客をVIPと呼んでいました。

 

開催期間の2か月間で5つから6つの高額商品を販売しまして、ストレートで全てを買うと180万円ほどになります。

 

VIPと呼ばれる客はそのように大金を使ってくれる客です。

 

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70代の女性はだましやすいですか?

騙しやすいです。

健康というキーワードだけでも食いつきます。

誰もが健康で長生きをしたいと思うので健康食品は売れます。

 

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それでは、どんなお土産が宣伝会場で配られているのでしょうか?

 

今回取材で催眠商法の疑いのある店に潜入し記者がもらってきたものです。

 

100円でこんなにたくさんのおせんべい。

 

格安お土産をエサに高齢者を集めています。

 

でも、これで集まってもこれで終わりというわけではありません。

 

当然その後があります。

 

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店はコンビニの跡地などに出来ます。

 

実際に記者が潜入した店は店の名前というのはないんです。

 

3か月ほどで次々に場所を移動する店でネットなどでは検索できません。

 

で、1時間ほどの話を聞くのですが9割は商品の話ではないのです。

 

人生の気づきの話だとか健康の豆知識などがほとんどです。

 

まずはトークから入るという感じです。

 

閉ざされた会場で物を売られるイメージではなく非常に明るい感じで、講師が話をしている横でアシスタントが

 

「そうですね、そうですね」と盛り上げる明るい感じでした。

 

いわゆるものを売りつけられるという雰囲気ではありませんでした。

 

では、そこからどうして高額商品が売れていくのか?

 

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日にちをかけて、まず高齢者に健康食品のサンプルを配ります。

 

すると、サンプルを飲んだお客さんで

 

「目がすっきりした」

「朝の目覚めがよくなった」と声を上げる人が出てきます。

 

従業員はその声をひろって

 

「みなさん聞いてください。こちらの方は目がすっきりしたと言ってますよ」と騒ぎだします。

 

すると他のお客さんの「そういえば私も・・・」と効果があったと声をあげるのです。

 

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そこから購入の連鎖が始まります。

 

購入したお客さんは20万円30万円と大金をだしたので効果がなければ納得できません。

 

そこでいい買い物をしたんだと思い込みたく効き目を感じるのです。

 

そこで「血圧が下がった」「病気が治った」などと他の客に宣伝をしてくれるのです。

 

で最後のとどめは「みんな買っているよ」という同調意識です。

 

会場の前に購入者の張り紙をずらりと貼りだすんです。

 

そして「みんな買っているなら私も」と追い込んでいくんです。

 

それでは実際に記者が催眠商法の疑いのある店に潜入しました。

 

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大阪の住宅街にお店がありました。

 

自然食品のお店

 

営業時間が書いてありますね

 

午前10時半、午前1時半、午前4時と書いてあります。

 

営業時間は1日3回ですね。

 

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次々とお客さんが入っていきます。

 

ほとんどが女性ですね。

 

記者も店内に

 

店内を撮影することは出来ませんでしたが会場内には高齢者が50人ほど集まり健康をテーマにした講演が行われていました。

 

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チョコパンなどのお土産が無料で配られていましたが、この日は高額商品の販売はありませんでした。

 

店の従業員によると「うちは催眠商法などはやっていない」と言うことでした。

 

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国民生活センターによると催眠商法の被害件数は年々減っているものの

 

被害総額が100万円を超える被害はほぼ横ばいです。

 

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ロバート・熊氏によると

 

催眠商法はなくならないと断言します。

 

なくなってほしいけれど、高齢者の貴重な娯楽になっているからです。

 

高齢者は閉ざされた会場の中で興奮と熱狂の渦に巻き込まれて冷静な判断力を奪われます。

 

20万円の健康食品を買った後、騙されたと気づいても、自分が買うことで喜んでくれた孫のような世代の若者のことを思うと泣き寝入りするのです。

 

どうでしたでしょうか?

催眠商法というと催眠をかけるというイメージがありますがそうではなく、お年寄りの貴重な娯楽の場になっていて楽しませてもらったお礼に買う面があるのですね。

 

記者が会場に行ってみて印象的だったのは、店員が一人一人のお年寄りの名前を覚えているんです。

 

会場がまるで病院の待合室と言うか公民館でみんながあつまって「今度はどんな商品を紹介してくるの?」といったコミュニティーの場になっているのです。

 

そして、1万円のものを数十万円で売られても、価値と言うものは消費者が決めるので被害になりにくいんですよね。

 

会場に来ていたお年寄りに話を聞くと「すごくいいものを売っているのよ」と騙されているという認識は感じませんでした。

 

お年寄りは高いものを買ってしまったとしても、「あそこで友達もできたし」「販売員の子がかわいかったし」「楽しませてもらったし」と自分で納得するのかもしれません。

 

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次に宣伝会場の2か月間にわたるスケジュール表です。

 

これを見ると常に売り続けるわけではないんですね。

 

3日4日は売り出さずに話だけをしてそこから5日目に予約を開始して7日間で終わり、それを繰り返すので、押し付けて売るような感じにならないんですね。

 

つまり7日間かけて商品を宣伝するわけで、その話の内容、ストーリーは実に巧妙に出来ています。

 

その巧妙なストーリーの全貌はこの本に書かれています。

 

 

あやしい催眠商法 だましの全手口  身近な人を守るために知っておくべきこと

あやしい催眠商法 だましの全手口 身近な人を守るために知っておくべきこと

 

 

警察や国民生活センター地方自治体も注意喚起をしていますが、合法的悪徳商法で警察は取り締まれません。

 

みなさま、ご注意ください。

 

 

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