ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

相談すべき上司を無視してその上の上司に相談すると自分の評価が下がる

勤め先の食品スーパーでクレームがあった。その日はとても混んでいて忙しかった。そんな時にお客さんから「商品の在庫を見てくれ」と言われた。「少々お待ち下さい」と言い倉庫の在庫を見に行った。しかし、お客さんが欲しいと思っている数がなかった。早速お客さんに謝った。その商品は売れ筋でいつも多く在庫を抱えていたのだがこの日はたまたま大きく売れてしまっていた。

しかしお客さんは大きく怒った。「それが欲しくてここまで来たのにその商品の数がないのはお客様に対する裏切り行為だ。お前たちにとってはたまたまでも俺にとっては貴重な一回の買い物だ」謝る私に「お前じゃ話にならない。上の者を出せ」と言われた。店長に連絡したがつながらなかった。仕方なく本部の部長に連絡した。お客さんと電話で話してもらい、なんとかお客さんの怒りは収まり帰られた。

その後、部長から電話があった。「どうしていきなり私に連絡してきたんだ」

「店長に連絡したけれどつながらなかった」と伝えた。しかし、店長の一つ上の上司にはエリアマネージャーがいてた。

「店長に連絡がとれなかったのは仕方がない。それじゃ、店長の一つ上のエリアマネージャーに相談するのが順番じゃないのか?」これにはただ「すみませんでした」と謝るしかなかった。しかし部長は本部のクレームの最終窓口だった。順番は間違ったかもしれないが、クレームの解決は早くすんだからそれでいいんじゃないか?と思った。

そんなことを考えている私に部長は話を続けた。「まずその店で起きたクレームは社員が対応し、お客様が納得されなかったら店長が責任を持って対応をしなければならない。店の責任者は店長だからだ。そうでないと何のための責任者か分からない。もし、店長が不在であったり、何かの理由で連絡が取れないときは、その一つ上のエリアマネージャーが出ていかなくてはならない。現場で起きたクレームはそこで解決されるべきだ。しかし、本部にクレームの部署があるのは、現場の責任者そのものに問題が生じた場合、それまでになかったような重大なことに対応するためだ。なぜ会社の役職が主任、店長、マネージャー、係長、課長、部長と細かく別れているかを知っているか?それは、担当者を変えて対応しても解決出来なかったら、もう一つ上の上司で仕切り直しが出来るからだ。一つ上の上司で仕切り直すことによって解決に近づくんだ。それを最初から最終の窓口に相談するとその後がない。それ以上を求められても応じることは出来ない。社長をだせと言われても応じられない。なぜなら私は社長にクレームの最終の窓口として任せてもらってるからだ」

話を聞いて納得した。解決を急いで相談する順番を間違っていた。いきなり最終窓口の部長に話をもっていったということは、その下の上司を無視したということだ。上司に報告、相談、連絡の出来ないやつだと思われても仕方がない行為だ。何のために細かく役職があるのかを考えていなかった。それで自分の評価を下げてしまった。