「責任はわしが取る」田中角栄ばりの男気を上司に求めてはいけない。自分を守れるのは自分だけである
責任はわしが取る
1962年、44歳で大蔵大臣に就任した田中角栄さんが、官僚たちの前でした就任演説は、名演説として、あまりにも有名です。
「私が田中角栄だ。尋常小学校高等科卒業である。諸君は日本中の秀才であり、財政金融の専門家ぞろいだ。私は素人だが、トゲの多い門松をたくさんくぐってきて、いささか仕事のコツを知っている」
「一緒に仕事をするには互いによく知り合うことが大切だ。われと思わんものは誰でも遠慮なく大臣室にきてほしい。なんでも言ってくれ。上司の許可を得る必要はない」
「出来ることはやる。出来ないことはやらない。しかし、すべての責任はこの田中角栄が背負う。以上!」
かっこいい。男として素直にそう思います。こんな上司のもとで働けたら幸せ。「よし、思いっきりやってやるぞ」と腹の底から力が湧いてきそうです。
しかし、「責任は俺が取る。お前たちは思い切ってやれ」そう言ってくれる上司が今どれだけいるでしょうか?
転職回数9回以上の私ですが、ほとんどあったことがありません。どちらかと言えばこのようなタイプの上司の方が多かったと思います。
守ってくれない上司
「自分の失敗は部下の責任である。部下の手柄は自分の実績である」と思っている
クレーム・トラブルは、下の者の仕事と思い、遠くから状況を眺める。もしくは逃げる。
自分が悪くても頭を下げる必要はない。それが上司の威厳だと思っている。
このような上司ばかりを見てきて思ったことは、会社や上司は守ってくれない。期待しても無駄骨に終わるということです。
では、なぜこのような上司が多いのでしょうか?
守ってくれない上司の心理
上司も人間であり、トラブルに巻き込まれるのは面倒だと思っている。
部下が勝手にやったこと。自分のミスではない。自分には関係ないと思っている。
全ては自己責任という考え。部下の自己責任ばかりを問い、自らの管理責任は問わない。
これでは何のための上司なのか?と愕然としますが、会社や上司に過度に期待をすると、現実とのギャップに苦しむだけだと思います。
今回は私が経験した守ってくれない上司の話をして、最後に「会社や上司は守ってくれない」と愚痴るだけではなく、ではどうすれば、守ってくれない上司から自分を守ることが出来るのか?と言うことをお伝えしたいと思います。
お客様都合による返品は断れ
勤め先の食品スーパーでの出来事です。もうずいぶん前のことになりますが、会社の決定事項で、今まではレシートと現物があればすんなりと受けていたお客様都合による返品が一切受けられなくなりました。
お客様の都合というのは、買い間違いや、やっぱりいらなくなったという都合です。買い物は契約です。売買契約というものは、後になって一方的に破棄することが出来ません。
書面での契約ではありませんが、レジを通した時点で契約は成立しています。なので店側は返品をお断りすることが出来ます。
そして、でかでかと「お客様のご都合による返品・交換は一切受け付けられません」の張り紙が店内に掲示されました。
今まで、出来ていたことが出来なくなりました。私たちは、このことにとても不安な気持ちになりました。「そんなことをして大丈夫なのか?」と、その不安は的中しました。
現場は大混乱
買い物は契約であり、法律でも返品を受ける義務が店にはありません。しかし、そのことを知っているお客様は少ないです。返品は当たり前と思われていました。
「今まで、返品してくれていたのにどうして?」
「ちょっと買い間違いしただけじゃないの?」
「いらなくなったんだから仕方がないでしょ?」
お客様にどう言われても、会社が決めたことに従わざる負えません。私たちは泣く泣く、お客様の返品を毅然とした態度でお断りしました。
もちろん、「申し訳ないことですが」の気持ちは前面に出しました。そして現場は大混乱。さらに本部も大混乱になりました。
本部の大混乱
店で返品を断られたお客様の中には、本部にクレームを入れる人が出てきました。
「なんてひどい対応なの?」
「そんなことで客商売が成り立つと思っているの?」
「もう、二度とあんなところで買い物はしないよ」
本部の上司は電話の対応に追われたそうです。そして、この混乱の原因は店側の対応にあるのではないかと言うことになりました。
「状況を考えろ」と言われた私たち
私たちの店でお断りしたお客様も、本部にクレームを入れたそうです。そのことで、店長が、本部の上司に叱られました。
「お客様の都合による返品を断れというのは基本だが、何がなんでも断るというのは、あまりにも不親切ではないか?」
「例えばご年配のお客様が見間違って購入することもあるだろう。そんなお客様にかたくなな態度をとるのは問題だろ?」
「そして、断るにしても、お客様を怒らせないように、対応するのが接客業だ」
私たちは、お客様に対して、申し訳ない気持ちを出しているのですが、それを否定されました。申し訳ないという気持ちが本当の意味で伝わっていないからクレームになるということでした。
本部にクレームが入るということは私たちの対応が間違っているということで、お客様のおっしゃることはもっともだという考えでした。
とても、残念な気持ちになりました。会社から「自己都合での返品は一切断れ」と言われてしたことなのに、今度は柔軟に状況を考えろになったのです。
「毅然としろ」「柔軟な対応をしろ」どっちを現場は優先する?
結局、申し訳ない気持ちで返品を断っても、お客様は本部にクレームを入れてきます。
それに対して上司はお客様の言葉だけを信じて部下の言葉は信じません。
こんな状態では、毅然とした対応をするのはばかばかしくなります。店の張り紙では、
「お客様のご都合による返品は一切お受けできません」と書かれていますが、結局、柔軟な対応をした方がいいという気持ちになりました。
返品をお断りして、その場では素直に聞いてくれていたと思われているお客様も、後になり、怒りがこみ上げ、本部にクレームを入れるかもしれません。
そんなリスクを考えると、とてもではありませんが、会社が決めた「自己都合による返品を一切お断りする」という姿勢を持つことは出来ませんでした。
結局、以前と同じように、私たちは返品に対しては柔軟な対応をするようになりました。
「責任は俺が取る」を上司に期待してはいけない
いかがでしたでしょうか?会社の理想とする形と、現場でおきる現実にはギャップがあります。上司が決定したことを部下が言い負かしても怒りを買うだけでしょう。
「責任は俺が取る」という姿勢の上司のもとでは部下は思い切って行動をすることが出来ます。そうでなければ出来ません。
「責任は俺が取る」という気持ちを上司に期待できないということは、上司の気持ちの中に、「逃げ」と言うものがあります。
面倒なことに巻き込まれたくないという「逃げの気持ち」です。このような場合は、柔軟な対応をしても、後で何とでも柔軟に報告をすることが出来ます。
「後で、大きなクレームになるのは目に見えていたからです」と。それで上司は納得です。上司が守ってくれない。現実によくあることですが、柔軟な考えで自分を守ることが出来るのです。
「現場を知らない上司の指示は意味がない」と愚痴る部下ほど事業の全体像は見えていない。
現場を知らない上司の指示で現場は大混乱
どうして現場を知らないのに口を出してくるんだろう?。どう考えても現場で頑張っている私たちの方が状況を正確に分かっているのにと憤りを感じる時があります。
しかし、上司の指示を部下は無視出来ません。縦社会の難しい問題です。そして、疑問を抱きつつ従った上司の指示で現場は大混乱です。
すると、「それ見たことか、だから言わんこっちゃない」「現場を知らないからそうなるんだ」「余計な口出しはせずに、俺たちに任せておけばよかったんだ」と一斉に部下の毒吐きが始まります。
現場を知らない上司への部下の不満
言うのは簡単。しかしやるのは私たち。最後まで一緒に手伝うのなら、それも良し。しかし、言うだけ言って途中から丸投げ。後に残るのは「やらされた感」だけである。
いきなりの計画変更。もううんざり。とんでもない無茶な指示。やらなければ結果は分からないと言うが、結果は目に見えている。だからこそやる前から疲れを感じてしまう。
失敗は部下の責任。やっても結果は目に見えていた。失敗。もうやめた方がいい。しかし、結果が伴わないのは部下のやる気のなさにあると思われている。自身のプランが間違っていたとは認めない。これは理不尽ではないか?
そして、こういった不満を感じた部下がとる行動は大きく分けて3つあります。
現場を知らない上司の意味のない指示に対する部下の行動
- やっても無駄だということを説明して断る。
- とりあえず「分かりました」と返事をして、実際はスルーする。
- 素直に受け入れ、全力で当たる。
「どうせ、やっても失敗に終わるんだ」と思った時、断るのか、受け入れるのか?その2択以外に、受け入れたふりをするという行動が入っています。
実はこういった返事だけの部下は意外と多いと思います。この行動はとても日本的で、外国のビジネスマンからは不思議がられる行動です。
アメリカでは、やっても無駄だと自分が思ったことは、はっきりと相手に「NO」を突き付ける人が多いと聞きます。
そこで議論が生まれ、上司は目的のための手段をきちんと説明し、それに対して部下は納得した上で行動に移すことが多いと聞きます。
「ハイ」「分かりました」と返事だけは勇ましく、実際はやらない。やっているふりをする。やっても本気を出さないというのは日本人らしい部分だと言えます。
なぜやる気もないくせに断らないのか?
どこの組織にも納得がいかないことは上司に対しても「NO」を突き付けられる人は一定数います。周囲からは「よくぞ言ってくれた」と称賛され、その立場は「しっかりと自分の意見を言う人」として同僚から評価されます。
しかし、上司からの評価となると話は別です。うまく上司を説き伏せたと思っていても、「やっかいな部下」としてレッテルを貼られます。
そして、次のステップには進めなくなるでしょう。組織の中で求められるのは、上からの指示に従う人でしょう。たとえそれが無駄だと思える指示だったとしてもです。
そういった風土がある中から、中途半端なイエスマンが生まれるのです。イエスと言いながら心の中ではNOを言う部下です。
こういういつわりのイエスマンがいるからこそ、本気で取り組み上司の意向通りの結果を出す部下が光って見えます。「こいつやるな」と思われるのです。そして次のステップに上がれるのです、
そうは言っても、やはり人間と言うものはゴールがしっかり見えてないものには全力で取り組むという気持ちになりにくいです。
だから、やっているふりをして、結局は「頑張りましたけど無理でした」となります。本当は頑張らなかったので無理でした」なのですが、やっているふりで終わらせた方が楽だという考えを持つ人が多いのです。
現場を知らない上司の指示は、とんちんかんなのか?
現場を知らない上司の指示に従って失敗をする。「それ見たことか」と部下はさらに聞く耳を持たなくなる。悪循環です。
「現場に任せてればいいんだ」の叫び声を上司は感じます。部下の厳しい視線はやっかいと思うようになります。そこで「よし、これからは現場の声を最優先にやっていこう。上司は現場をもっと信じよう」と思う上司が生まれます。
しかし、そう思うのは早計です。過剰な指示は現場を混乱に陥れることがありますが、逆に現場に任せっきりと言うのも大きな問題です。
現場を知らない上司だからこそ、その指示の重要性を説くべきです。そもそも、現場を知らない上司の指示に従って失敗をするというのは、本当にその指示がとんちんかんなことだったからでしょうか?
実は、そうではなく、中途半端なイエスマンが、やっているふりだけで終わらせていることが原因であることが多いです。
「ハイ」「分かりました」と言う返事は、ただの見せかけだけであり、上司の機嫌を損ねないためのツールと化しているのです。
そこで、根性論として、「黙って従え」と言ったところで、心から従わせることは出来ません。では、どうすればいいのでしょうか?
「現場を知らない上司の指示は意味がない」は間違い
「現場を知らない上司の指示なんていらない」と言う考えは、一見正しいようで、間違っています。
現場を知らないとは言っても、会社の上層部であり、事業の全体像は見えているのです。逆に現場を知っている部下はその立場上、事業の全体像は見えていないことが多いです。
だからこそ、その事業の全体的な視点から見ると、その上司の指示は光っていることがあります。しかし、そのことを知らない人があまりにも多く、「なにをやっても無駄状態」を作っているのです。
なので、せっかくの指示が「ただの時間の無駄」で終わらないためには、上司も部下もお互いの見えている問題点の食い違いに気付く必要があります。
今からご紹介する話は、私が経験した「一見意味がないと思われる上司の指示にも意味がある」と言うことに気付かされた出来事です。
その後に、現場を知らない上司はどのように部下を納得させるべきか?そして、部下はどのように納得をすべきかを説いていきたいと思います。
永遠の売上右肩上がりを期待されるのは正直辛い
勤め先の食品スーパーで、私が配属された店は、とても絶好調で年々売上を伸ばしてきました。
その好調の大きな要因は、従業員の前年を上回る頑張りと、さらなる工夫だと思います。しかし売り上げの伸びとともに私たちの大変さも大きくなってきました。
会社からは毎年、前年を上回る売上を要求されました。
会社がそれを要求するのは、ライバル会社との熾烈な販売競争に打ち勝ち、社員への待遇の改善(少しでも給料をあげる)を図り、雇用を維持するためです。
そこで私たちは会社の期待にこたえるべく年々店の売上を伸ばしてきたのですが、従業員のさらなる頑張りと、さらなる工夫という成長要素が頭打ちになり出してきました。
「永遠の成長なんてありえない」とは良く聞く言葉ですが、私たちの店の成長も停滞期に入ってきたのかと思うようになりました。
会社の中では、絶好調で売上を伸ばしている時は誰も何も言ってこないのですが、売上が低迷しだすと「どうして?」と聞かれます。
そんな時に、「永遠の成長なんてありえない」などと言える訳でもなく、かと言ってこれ以上の頑張りと工夫ってなんだろう?と考えさせられました。
近隣にライバル店が出店し、お客様が大きく流れて行きました。うちの店も安売りですが、そこも負けず劣らず安売りでお客様の奪い合いが激化していました。
「もう現場だけに任せておけない」と判断された私たち
売上が下がり、本部の上司から「どうなっているんだ?」と聞かれ、売上低迷の理由をライバル店の影響ということで説明しました。
しかし、それまで年々右肩上がりで売上を伸ばしていた当店です。そろそろ頭打ちかと思っていた時の話です。つまり、都合よく頭打ちの理由をライバル店の影響にしたのでした。
しかし、半年、一年が経っても売上が改善されずに、いつまでも「ライバル店の影響です」とは言えなくなってきました。
もっと別の理由で売上が低迷しているんじゃないかと思われるようになり、ついに本部からテコ入れが入りました。
指示を受け入れるしかない私たち
大人数でのテコ入れなので様々な人の意見が反映されるのですが中には、「それは違うだろ?」と思うような売り場変えもされました。しかし、受け入れるしか仕方のない空気がありました。
売上が右肩上がりの時は誰も何も言ってこないのですが、落ち目になるとありとあらゆることを要求され、日常業務ができないほどあれをしたらいい、これをしたらいいと言われます。
沢山の意見が反映されるということは良さそうに見えて逆に以前の売り場の方が良かったと思われるところも出てきました。同僚女性のアラフォーさんも私と同じことを感じていたようです。
中年女性の一言に思わず納得
「よってたかって駄目にしてきてるね」とアラフォーさんはつぶやきました。この言葉に、「あーーそうだな。その通りだな」と妙に納得させられました。
なんとも悩ましい問題です。ちなみにこの大人数でのテコ入れは一時的なものです。売り場を魅力的なものにするため、大掛かりに変えて、「後はよろしく」と立ち去られます。
そして、このテコ入れによって多少の売上の回復の兆しが見えてきたのですが、本部の人が求めているほどの効果はありませんでした。あいかわらず売上は低迷していました。
落ち目の状態から抜け出せない店は言われたい放題。
「何か対策は打っているのですか?」
「何が原因なのですか?」
と本部の上司が聞いてきました。なんとも悩ましい質問ですが私はこう答えました。
「本部の方に様々な意見を頂戴して、全員の力で魅力的な売り場に変えたので、これからお客様が戻ってくると思います」と。
よってたかって意見を出され、とても大変な気持ちになる。なんとも悩ましいものですが、黙って従う姿勢そのものが対策として認められるようです。
常に結果を求められる従業員の立場から考えること
「どうして会社は毎年毎年、前年以上の結果を求めてくるのだろう?」「永遠の成長なんてありえないのに?」は、会社勤めをする人から良く聞く不満の一つです。
何年もずっと、さらなる努力とさらなる工夫を続けてきて、これ以上どうしたらいいのか?と思う段階で成長が停滞する事が多いように思われます。
しかし、それでも組織の中で生きる以上は「じゃあどうするの?」「何か対策はないの?」と求められます。
そんな時は現場に直接いる自分たちの目線では「もうやるだけのことはやってきた。だからそろそろ限界になってきただけだ」と思いがちです。
そんな時に他部署からのテコ入れで様々な意見を言われると「余計なことを言わないでくれ」と思ってしまいます。
しかし、それは期待されている証拠でもあるのです。期待されていなければ無視され、最悪は店の存続にも影響してきます。
上司の指示が駄目でも経験値はプラスされる。
その経験値が次回の成長の種になります。頂いた意見が裏目に出ることはありますが、とりあえず従ってみて駄目なら元に戻すということで何がいけなかったかを考えることができます。
なぜなら、何かを変えなければそのままでしょう。やってみなければ何も始まりません。そこで考えなければいけないことは、現場の人間は今までのやり方に固執しているということです。
視点を変えるのは現場を知らない上司
現場にいる人は、「この地域のお客様はこうだ」「この店ではこれが強みなんだ」「このやり方で今までやってきたんだ」と今までのやり方を変えることを嫌がります。
だから、変われないのです。現場を知らない上司の意見があるからこそ心機一転することが出来ます。気持ちと心を一気に入れ替えて人は頑張れます。
実はここが一番重要なのではないでしょうか?私たちは、「現場を知らないくせに」「そんなことしたって何の意味もないのに」と腹を立てがちですが、意味がないように見えて、それは長年やっている自分の視線を変える意味で意味があるのです。
分かっていないのはお互い様である。
まとめると、「現場を知らない上司の指示は意味がない」と何をやっても無駄状態になるという問題は上司・部下ともにその問題に気づいていないのです。
現場を知らない上司ですが、会社の上層部であり、その立場上では現場の部下よりも、その事業の全体像が見えています。
もっと言うならば、現場の人間が「現場にいる私たちの方が現場を知っているのに」と愚痴るほど、それまでのやり方に囚われています。
細かい部分での現場を知らない上司と、長年その場所にいることで広い視点で現場を見れなくなった部下とでは、分かっていないのはお互い様です。
「現場を知らない上司の指示は意味がない」は部下の勘違いであることもあり、上司は部下にその広い視野を部下が分かったものだと決めつけず理解させる必要があるでしょう。
そして、部下も現場を知らない上司だからこそ、自分たちに見えていないものを教えてくれていることに気付くべきでしょう。
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筆者 ロバート・熊
イラストレーター にゃんとまた旅/ねこまき
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★本書の特徴
1.いかにしてお年寄りのこころを奪うか、元社員が明かします。
2.ネット上にある催眠商法の説明はごく簡素なものですが、事実はかなり込み入った内容です。本書では複雑で巧妙な手口をあますことなく紹介いたします。
3.まず近づかないことが一番ですが、もし被害にあってしまった場合の有効な対策も分かります。
大型書店の法律書の棚に並べられていることが多いです。
お近くの書店に置いてない時は、本のタイトルをお控えになり、お取り寄せでお願いします。
「自分だけが謝っている」「相手にも謝ってほしい」と思う人必見!謝らずに許してもらえる極意
喧嘩をしたとき、先に謝る人でしょうか?それとも相手が謝るまで謝らない人でしょうか?私は先に謝る人です。自分よりも相手の方に非がある。そんな時でも、まずは自分の非を認める私です。
俗に言う大人の対応とでも言うのでしょうか?その方が人間関係が上手く行くことが多々あります。
先に謝ったほうが良いと思う理由
- どちらが悪いのか微妙な場合、先に謝ることで、「いや、私も悪かったです」と相手も非を認め、仲直りが早くなる。
- いつまでも、意地を張り続けるよりも、大人としての懐の大きさを見せることが出来、相手からの信頼を得られる。
- まずは喧嘩を早く終わらせることが先決。世間で良く言われる、「謝ったほうが勝ち」と言う考えです。どっちが悪いかの議論は、永遠に終わらないことがあります。
このような理由で先に謝ることがほとんどの私ですが、どうにも納得できない場合があります。それは、「いつも私が先に謝っている」「いい加減に先に謝ってほしい」と思うことです。
どっちが悪いか?にとらわれて喧嘩が長引きます。特に職場でいつも顔を合わす相手との不仲が続くのは正直言ってつらいです。
自分は悪くないと思っていても、謝ったほうが長引かずに済むとよく言われますが、なんだか負けた気持ちになります。
たまにならいいのですが、何度も先に謝ってばかりだと自分がみじめに思えてきて、相手を許せなくなってきます。今回はそんな気持ちにとらわれて謝れなくなった私のお話です。
そして、いかにして謝らずに仲直りすることが出来たのかをご紹介します。
「急げ!雨が降ってきた」
食品スーパーに勤めています。同僚の女性社員から、「雨が降ってきたよ。早く荷物を倉庫内に押し込んでくれる?」と内線で連絡がありました。
店の外に出ると、どしゃぶりの雨に納品された荷物が濡れていました。
「これは大変だ。とりあえず急いで倉庫内に押し込んじゃえ」と思い、私はどんどん荷物を倉庫内に押し込んで行きました。
「ちょっと!考えて入れてくれる?」
そんな私に、同僚の女性社員は近づき、怒った顔で「ちょっと!考えて入れてくれる?」と言いました。
彼女は私が、とにかく手当たり次第に荷物を押し込んでいっているのが気に入らなかったのです。入れるのなら後で出しやすいように順番を考えて入れて欲しいと言うことです。
なんという身勝手な人なんだと思いました。そもそも大半は彼女が担当している売り場の商品です。彼女が手が離せないからということで私が倉庫に押し込んだのです。
当然私が担当ではないので、何が出しやすい商品かどうかというのは分かりません。
同僚の言葉に腹が立った私は言い返しました。
「雨に荷物が濡れているんだから、出すことを考えるよりも入れるのが先でしょ?」
「そもそも、この荷物はあなたが担当しているものなんだから何が出しやすいかどうかなんて私には分かりませんよ」
そんな私の言葉に彼女は、「もういい。熊さんには何も頼まない」と言ってすごい剣幕で、「どいてくれる?後は私がやるから」と言いました。
お互いが感情的になり、その後イライラした気持ちのまま時間が過ぎて行きました。しかし、同僚とはこれからも一緒に力を合わせて仕事をしていかなくてはいけません。そんな時に芽生えた感情があります。
「あの人、先に謝ってくれないかな?」という気持ちでした。
後になって思うことは、あの時の感情的になった私にも非があります。それが分かっていながら、どうしても先に謝りたくない気持ちにとらわれました。
素直に謝った方が、話が早いことは分かってはいるものの、人の感情は一筋縄ではいきません。
「謝った方が勝ち」という言葉も良く聞くのですが、自分だけでなく相手にも非がある場合。とくに相手の非がどうしても自分の非よりも大きく見えて仕方がありませんでした。
心が先に謝ることを拒絶。
もし、私が他人の立場で、今回の私のように悩んでいる人を見たのなら、きっとこう思ったでしょう。「つべこべ悩まずに謝っちゃいなよ」と。
しかし、素直になれませんでした。先に謝るのは嫌だと言う気持ちを抑えられません。しかし、このままでは駄目だとは分かっていました。彼女は、これからも力を合わせて行かなくてはいけない大事な職場での仲間です。
悩むだけの時間が過ぎて行きました。
そんな時、あることに気が付きました。その日、彼女の仕事が沢山たまっていて、とても大変そうでした。それに対して私の担当している仕事は若干の余裕がありました。
そのことに気付いた私は、謝ることを心が拒絶していても、助けてあげることまでは心が拒絶していないと思いました。
なので、彼女を助けてあげることにしました。そして、彼女に・・・
私 「こっちのアルバイトをそちらで使って下さいね」
彼女 「え!いいの?熊さんのところも大変じゃないの?」
私 「良いですよ。こっちも大変ですが、そっちの方が大変そうだから」
このやり取りの後、彼女は、「ありがとう」と言ってくれました。
「どうしよう?」の気持ちは相手を大事な仲間だと思うから
それまでの、お互いが感情的になって、すれ違っても険しい表情でいてたのが嘘のように元のお互いに協力しあう関係に戻ることが出来ました。
それまでの「謝るべきか?謝らないべきか?」の心の葛藤の中には「どうしよう?」と言う気持ちが大きくありました。その「どうしよう?」と言う気持ちを手放さなくて良かったです。
「どうしよう?」の気持ちは、相手を思う気持ちからきています。それを手放すと敵意の気持ちだけが大きくなります。敵意の気持ちは表情に表れ、相手に伝わります。
本来であれば謝ったら話が早いことですが、お互いの気持ちがそれを許さない時は?
謝ったら話が早いと頭では分かってはいるものの、相手の非が自分の非よりも大きく見える時、どうしても、「そっちが先に謝れよ」という感情に支配されて、心が謝ることを拒絶することがあります。
しかし、相手に「ごめんなさい」の言葉を求めても、そう簡単には言ってもらえません。
そのような、自分にも相手にも「ごめんなさい」の言葉を求められない時は、「あくまでも相手は大事な仲間だ」ということを見失ってはいけません。
その気持ちがあるのなら、相手の大変さに理解を示すことぐらいはできるでしょう。そして、「ごめんなさい」は言ってもらえなくても「ありがとう」は言ってもらえるのです。
つまり、どうしても「ごめんなさい」が出来ない時は、「ありがとう」がありますよというお話でした。