セクハラが許される男と、許されない男の境界線を探るのは夢のまた夢で終わる
「お前、老けたな~」
テレビのバラエティー番組で活躍のオアシスの大久保佳代子さん。この方は昔、コールセンターで勤めていたそうです。
女性ばかりの職場に男性の上司が一人。おしゃれで、話し上手で、爽やかなイケメン上司。その男性にひそかに憧れていたという大久保さん。
昔の職場の仲間と久しぶりの同窓会を番組でやってもらい。最後はお決まりの「そういえば佳代子って、あの人のことが気になってたんだよね」っていう風なくだりで、その上司が登場するっていう、いかにもなパターン。
昔の爽やかさが健在の元上司の姿にスタジオからも「おぉ~~」の声が上がり、そして、焦る大久保さん。イケメン爽やか元上司は大久保さんに近づき一言・・・・
「お前、老けたな~」と言いました。
許されるキャラは何かを持っている。
大久保さんは、「久しぶりの再会で何を言い出すんだよ」と言わんばかりの表情を見せましたが、「もぅ、この距離なのよ~」と元上司の自然に相手の懐深くに入っていく様を笑いに変えていました。
私の記憶に頼った番組の内容なので、若干登場人物の言葉は違うと思いますが、イケメンで爽やかな元上司のいわゆる「許されるキャラ」というものは、とっても印象に残っています。
そうそう、こういう人っているよな~と妙に感心しました。男女問わずこういう、普通に考えたら失礼な言葉でも、なぜだか許されるような空気にしてしまう。その人が持つ何かが気になってしまいました。
許されるキャラへの嫉妬
とくに、私には、そういう「許されるキャラ」と言うものがないがために、そういう人種を見ると嫉妬をしてしまいます。
そして、女性に対して同じようにきわどい言葉を投げかけても、許される男性とそうでない男性がいるのも気になるところです。
転職回数9回以上ある私は、様々な「許されている男性」を見てきました。同じ男性として、「それってアウトじゃねぇの?」と思える会話でもその人の持つ雰囲気だとか、打ち解けている両者との関係などが、「も~~う、悪い人(笑)」で済まされているケース。
そんな場面を数多く見てきて思うことが、この差は一体何なんだ?と言うことです。
戦略的に許されるキャラになれるのか?
捉え方によってはセクハラになるのではないかと思われる発言をしても、「もう、悪い人(笑い)」となることもあれば、「キモイ(怒)」となることもある。
どっちが、人間関係に有利なのか?そう思うと「この人はこういう人なんだから」で片付けられる前者の方が有利に見えて仕方がありません。
そこで生まれるのが、「これは戦略として使えないか?」「と言うよりも戦略としてこのようなキャラを自分に付けることは出来ないか?」という想いです。
しかし、それにはとんでもない落とし穴があると気づかされた出来事があります。
女性は我慢していることを知るべきだと感じた出来事
男性が女性に対し性的な嫌がらせをする時、男性は冗談のつもり、相手と楽しくコミュニケーションをとっているつもりでも、女性にとって、とても辛い我慢をさせていることがあります。
「これぐらいなら大丈夫だろう」
「ほんの少しだから」
「冗談で済まされているから大丈夫なんだ」
と思いがちですが、冗談で済まされているのではなく、女性が我慢をしていることを知るべきだと感じた出来事です。
そしてセクハラは解雇という大きな制裁が待っいてることを今更ながら、感じた出来事です。
食品スーパーに。長年勤めていると信じられないような出来事に出くわします。
「セクハラ社員を出せ!」と旦那さんは怒鳴りこんできました。
他店から移動してきた社員は移動前の店でセクハラの注意を受けたことのあるA君でした。話によるとアルバイト女性に「寒いから手を温めてあげる」と言い手をぎゅっと握ったそうです。
そこの店長にアルバイト女性は相談し、A君は、うちの店舗に異動になりました。勤務態度はまじめで、良く動き、頼りになる男でした。
しかし、ある日40代前半のパートさんの旦那さんが店に怒鳴りこんできました。「○○ってやつにうちの嫁がセクハラされている」「○○をだせ」と。そして私と、A君と旦那さんの3人で話をすることになりました。
A君はパートさんにどんなセクハラをしてたのか?
耳に息を吹きかけた。
着替えて帰ろうとしてた時に、背中が開いている服を着ていて、その背中を「温めてあげる」と言って触った。
肩や腰を触ってきた。
何でそんな事をしたのか聞きました。
彼は「冗談のつもりでした」と小さな声で答えました。パートさんはとても明るい性格で、おそらく彼は冗談を受け入れてもらえていると勘違いしたのでしょう。
A君に肩や背中を触られた時、パートさんは「止めてください」と言って逃げたのですが、大声をだしたり、誰かに助けを求めることはしなかったそうです。
そして他の社員に相談しようと思ったそうですが、目撃者のいない状態でこんなことを言っていいのか悩んだそうです。どうしていいか分からず、ついに旦那さんに相談したそうです。
「冗談のつもりでした」のA君の返事に旦那さんはさらに怒りました。
「冗談でしてもいいことか?もし逆の立場で自分の嫁さんがそんなことをされたと知っ
たらお前はどうするつもりだ?」A君は黙りこみました。
A君は解雇されました。
異動前の店舗で問題を起こし、注意されていた彼。2回目で、しかも言い逃れの出来ない状態で解雇になりました。
この件の後、知ったのですがA君は別のパートさんの肩もポンポンと叩いたり、「あっごめんごめん」と言いながら脇腹をつついたりしていたそうです。パートさん達はこれぐらいで怒っていいのだろうか?と悩んだそうです。
A君は恐らく冗談で済まされているから大丈夫と思ったのでしょう。冗談で済まされているのではなく、女性が我慢をしていることをA君は知るべきでした。そしてセクハラは解雇という大きな制裁が待ってることも知るべきだったと思います。
セクハラなのか冗談なのか?
A君と同じようなことをしてもセクハラではなく冗談で済まされる。そんな場面も今まで沢山見てきました。例をあげますね。
飲み会で、男性従業員が女性従業員の肩に手を回したり、腰に手を回したりする姿を見たことがありますが、女性従業員は普通に接していました。
別の会社で社員旅行(海外)で女性従業員がそばにいるのにかかわらずに性的な話で盛り上がる男性従業員を見たことがありますが、女性従業員は聞いていないふりをしていました。
どこまで許されるか攻めすぎたA君。
しかし、冗談で済まされているのではなく、女性が我慢しているからセクハラとしての制裁がないのです。
これぐらいは冗談で済まされているから大丈夫と思うことは今回のA君のような大きな制裁が待ってることを認識することが大事でしょう。
今回のケースで私が注目したのはA君の「冗談のつもりでした」と言う言葉です。彼はどこまで許されるのか?と言うことを攻めすぎたように思います。
許される境界線を探る行為は危険な行為である。
男女問わず、馴れ馴れしいような印象を私は彼に持っていました。そんな彼からは、セクハラと思われることでも、自分の立ち位置がどこまで許されるかを探っていたように見えるのです。
これはとても、危険な行為だと思います。確かに様々な、きわどい行為をする男性の姿を見てきて、「もう悪い人ね(笑)」と笑いで済まされているようなケースと、セクハラ一発退場処分を受けている男性をたくさん見てきました。
私にはそんな許されるキャラはなく、一発退場させられる自信?があるので、触らぬ神にたたりなしできわどいことは封印しています。危険な行為ですからね。
許される境界線に正解はあるのか?
正直な気持ちを言うと、「許される人」というものに嫉妬を感じることがあります。そんな時は、何とかして「許される人になれないものか?」と探りたくなる気持ちが生まれます。
自分の立ち位置を変えて、戦略的に女性のパーソナルスペースにすっ~~と入っていくことは可能なのか?と言うことです。
「キモイ」と思われるゾーンから「面白い人」と思われるゾーンに入っていく方法。それに正解はあるのか?と思ってしまいます。
しかし、これは夢のまた夢で終わると思うのです。
一見、「許されている」と見えることは、疑った方がいいのではないかと言うことです。「許されている」と言うことは本当の意味で許されているのでしょうか?
例えば、最初に紹介した、大久保さんの上司の言葉、「お前、ずいぶん老けたな~」は普通に考えたら失礼なことですよね。
ちなみに、私は思っても、一回も言ったことはありません(笑)。テレビのバラエティーという場や、大久保さんがお笑いのお仕事をしているという特殊なケースが、笑いになっているのだと思うのです。
キャラ作りは昨日今日では出来ない
さらに、テレビで拝見した元上司のキャラは、同じ男性としてみても、「あっなるほど、これは許されそうだ」と思えるような雰囲気を醸し出していました。
こういうキャラは昨日今日では作れないでしょう。長年の染みついてきた自身のキャラが「この人はこうだから」という気持ちで片付けられるのです。
もちろん、これはテレビの番組なので、多少は面白おかしく大げさにやっているのかもしれません。しかし、現実にこういう人っているよな~とも思います。
普段から周囲に「そういう人だもんね」と思われる言動で、失礼なことでもケロッと言ってしまい、相手もそれを受け入れるということ。
あまりにもケロッとした顔で言ってのけるので、相手の女性もセクハラの概念を考える間もなく日常的なことと錯覚してしまうんです。
自分の立ち位置の自己評価は低めが良い
しかも、こういった「憎めないキャラ」は爽やかで清潔感のあるイケメンだけに限らず、見た目以上にその人が醸し出す雰囲気からくるものが多く、こういうのを見ると・・・
「あっ俺もマネできるんじゃないか?」と思ってしまいがちです。そう言った人は、表面上しか見ていないから、自分もいけると自分で自分を勘違いしてしまいます。
どこから、そんな自信が生まれるんでしょうね。こういったことに関しては自己評価は低めがいいでしょう。
その場では許されているように見えているだけであることもあるんです。テレビなんかでも、毒舌キャラって言うのがいますけど、私たちがそのキャラを見るのは編集後の映像です。
これは大きな落とし穴でしょう。数多くのセクハラ退場事件を近くで見てきて思うのは、セクハラが許されるキャラなんて存在しないと思った方が賢明です。
もっと言うならば、自分もやり方次第では、憎めないキャラになれるという自信は幻想だと思った方が賢明でしょう。
まとめ
まとめると、セクハラが許される人と許されない人との境界線を探るというのは危険な行為だと認識したほうが賢明です。
今回のA君のように、勘違いがどんどん進行するでしょう。セクハラは一発退場もあれば、2発目退場や3発目退場もあります。
勘違いの進行度合いが高ければ高いほど、許されるキャラではなく、許されない迷惑なキャラになるのです。
難しい判断はお客様に選んでもらうべきだという姿勢がクレームを未然に防ぐというお話
選ぶのはお客様であり、従業員ではない。
お客様にとって何がベストな選択なのか?そう思い行動に移す。しかし、その判断が間違った悲劇を生むことがあります。
つまり、お客様にとって満足のいく選択ではなくて、不満足な選択を従業員がしてしまうことです。
営業・販売・サービス業とすべてのお客様に接する仕事において、とても大事なことを今から書きたいと思います。
順番をぬかされたお客様の大きな怒り
「オイ、順番が違うんじゃねぇか?」と
お客様の怒鳴り声が店内に響きました。ご年配の男性のお客様です。レジ担当の女性のパートさんに突っかかるように怒鳴るおじさんでした。
「お前じゃ話にならん、店長を出せ」
その日、店長はお休みでした。代わりに対応したのが私。どういうことかお客様に話を聞きました。
理由はお客様の方が先にレジに並んでいたのに、違うお客様に順番を抜かされたということでした。レジでのクレームでたまにあることですが、この順番を抜かされたというケースはいろいろなパターンがあります。
お客様の勘違いもあるし、従業員の誘導ミスもあります。で、今回のパターンは従業員の誘導ミスでした。
事のいきさつはこういうことです。
まずレジが大きく混みあいました。
そして空いているレジを開けることになりました。
その開けるレジを担当するパートさんは、目の前のレジの2番目に待っているお客様を誘導するのではなく、3番目に待っているお客様を誘導しました。
なぜこのようなことをしたのでしょうか?パートさんの話によると、その2番目のお客様のお会計はすぐに始まると思ったそうです。
なぜなら1番目に並んでいるお客様の会計は終わりかけていたからです。しかし、これはパートさんの勝手な思い込みによるものでした。
しかし、実際は1番目のお客様は、723円のお会計に千円札を出していたのですが、やっぱり細かいものも出すということになり、そうこうしているうちに時間がかかってしまったのです。
そして、パートさんが誘導した3番目のお客様はジュースを3本だけのお会計だったため、すぐにお会計が終わってしまいました。しかし、横のレジのお客様は細かいお金も出すことに手間取っていました。
そうこうしているうちに別のお客様が問題のパートさんのレジに並び、その人の方が先にレジが終わるという形になってしまいました。
結局、問題のお客様は2番目に並んでいたにも関わらず、後から来たお客様2組に先を越された形になりました。
そして、順番を抜かされたことに腹を立てたお客様は、「こるぁ、お前、頭がおかしいのか?」とパートさんにクレームを入れてきました。
「あんな奴にレジをさせるな」のお客様
そして、私が対応して、「大変申し訳ございません」と謝りましたが・・・
「あんな奴にレジをさせるな」
「今度、あのおばはんがレジしていたら本社に言うからな」
など、到底受け入れられないことを言ってきました。限られた人員で運営している店でパートさんをレジから外すのはとても難しい問題です。
なので、とにかく「今後は気を付けます」「申し訳ございません」の平謝りで、なんとか、お客様もしぶしぶ、納得されたのかどうか分からない表情で帰っていきました。
良かれと思っての行動である
パートさんはとても、大きく反省をしていました。「完全に私の勝手な判断ミスです」と言ってきました。
これらの状況を休みの店長に報告しました。すると店長は・・・
「こんなこと言ったらなんだけど、運が悪かったかもしれないね」
「それほど悪いことをしているわけではないのに」
とパートさんを気の毒に思うようなことを言ってきました。
なぜ、店長は、このようなことを言ったのか?それは、パートさんの行動は良かれと思っての行動だったからです。
パートさんを、あまり責められない
2番目に並んでいたその問題のお客様のお会計はすぐに始まるだろう。そこでわざわざ別のレジに誘導し、来てもらうと逆に3番目のお客様のお会計が先になってしまうのではないかと思ったのです。
と言うことは、もし、今回のケースが2番目のお客様を誘導していて、3番目のお客差の方が先にお会計が始まったとしたら、また違ったクレームになるのではないか?と言うことです。
なので、店長は「難しい問題ですね」と言いました。こういった問題には、パートさんを、あまり責められないということです。
さらに、パートさんは、お客様に怒られているときも、一切反論せずに「申し訳ございません」の姿勢を貫いていました。
ここも大事です。下手に「順番がすぐに来ると思ったからです」などと説明したらより一層お客様を怒らせることにつながります。
私の見解は若干、店長と違いました。
だから、今回に関して、店長は電話口で、「いや~~こういった、こっちが先、あっちが後のクレームがあるたびに思うけど、難しいですよね」と言ってきました。
私も同感です。しかし、私の見解は若干違いました。店長は当時あまりレジに入らなかったので、そういうケースについては若干私の方が経験値があったのかもしれません。
なので店長に・・・
「確かに難しい問題ですね。僕だったらどうするか考えたんですけど、2番目のお客様を誘導すると思います」
「でも、誘導する前に、『横のレジを開けますけど、どうしましょ?』とお伺いを立てます」
「すると、たいていのお客様は、『いや、もうすぐ会計が始まるからこのままのレジでいいよ』と言ってくれるか、それとも、『じゃあ、そっちに回ります』と言ってくれるかになると思います」
と答えました。つまり、どっちに行った方が早く自分の番がくるかという難しい判断はお客様に委ねるということです。
急がねばと焦る気持ちから判断ミスをする。
このことはパートさんにもアドバイスしました。しかし、「それほどパートさんの行動を責められない」という店長の考えには私も同感でした。
レジが大きく混みあい、待っているお客様もイライラしているし、従業員も忙しくてソワソワしている中で、どうしても、急いで次の方を誘導しなきゃと思ってしまいます。
そんな時に瞬時に、順番を考え、スムーズに別のレジにお回りいただくにはどうしたらいいのか?と判断する中で起きた判断ミスです。
悪気はなかったことです。さらに、パートさんはお客様に、こっぴどく怒られて大きく反省していました。
焦っていても大事なことを見失ってはいけない。
パートさんの行動は、どうすれば一番、お客様の順番通りに事が進むか?を考えた上での行動でした。
そう思うと、パートさんをあまり責められないと言う気持ちが生まれましたが、パートさんは大事なことを見落としていました。
レジが混んでいる。早くしなきゃの焦りから並んでいる人の気持ちを見失っていました。確かに、誘導したら逆に遅くなる可能性もある状況ではあるものの、それは絶対ではありません。
勝手に判断すると痛い目に遭います。難しい判断は自分ではなくお客様に決めてもらうほうが後でやっかいな問題にならずに済みます。
そして、そのお客様の判断で、たとえ後から来たお客様の方がお会計が早く済んだとしても、ここまで怒られることはなかったでしょう。まぁ、少しぐらいは嫌味を言われるかもしれませんが(汗)。
忙しい時には、どうしても焦ってしまうので難しい問題ですけどね。それでも、今回私が一番言いたかったことは、「難しい判断は出来るだけお客様にしてもらった方がいい」と言うことです。
これは、クレームを未然に防ぐ意味で、とても大事なことだと思うのです。
親権を失っても、親として出来ることは何か?の気持ちは持ち続けるべきだと思う
ごはんも喉を通らない子供と会えない喪失感
離婚して、妻が子供を連れて出ていった。子供が使っていたベビーベッド・ベビーカー・小さな服などはそのまま置いてある。
それを見るたびに胸を突き刺す喪失感。悪いのは自分。借金・浮気・夫婦喧嘩。今更悔やんでも仕方がない。
子供に罪はない。悪いことをした。これからあの子は自分がいなくても大丈夫だろうか?心配でごはんも喉を通らない。一人で食べるごはん。寂しくて味気ない。
私の周囲にいる離婚して子供と会えなくなった父親の苦しみです。私にも小学生の娘がいますので、想像しただけで、さぞ辛いだろうと思います。
親しい友人のこのような姿を見るたびに、悲しくなります。どうしたらいいの?と途方に暮れる姿です。
子供と会うべきか?その頻度はどうすべきか?
再婚した後の関係はどうなる?
養育費はどうする?誕生日プレゼント・クリスマスプレゼントはどうする?
考えるべきことは山積みです。
もう一度やり直したい。
妻から離婚を切り出された。理由は?ギャンブルによる借金・浮気・性格の不一致。悪いのは自分のようだ。
しかし、気持ちを入れ替えるから信じてほしい。「なぜなんだ?」「どうしてなんだ?」「あれほど愛し合って結婚した仲なのに?」と訴える。しかし、どんなに必死で訴えても妻の気持ちは変わらない。引き下がるしかない。
あの頃に戻って、もう一度やり直したい。ギャンブルも浮気も喧嘩もしない。今のこの苦しみを予想できたのなら、同じ過ちはしない。
私の周囲でよく聞く「もう一度やり直したい父親の心の苦しみです。しかし、離婚後の復縁は想像以上に難しいことです。
離婚する時はそれなりの覚悟を決めてるはずです。それをもう一度やり直す気持ちに切り替えることを想像すれば分かることだと思います。
特に女性は気持ちがなくなれば、あっさりしていて次に行くのも早い。だから少しでも気持ちが残ってるうちに男性は手を打たないと復縁は難しいと言われています。
しかし、その難しいと言われる復縁を実現した友人がいます。今回はその友人がいかにして復縁を実現させたかをご紹介します。
そして「離れて暮らす子供と、どう関係をしていったらいいのか?」について、私が気付かされたことを書きたいと思います。
離婚の原因は業務上横領。
3年前、以前の職場で仲良くなった男から喫茶店で話を聞いてほしいと電話がありました。会うと、彼は奥さんから別れ話を切り出され、とてもショックでどうしていいか分からないと話してきました。
原因は彼が業務上横領で200万円の借金を背負ったことです。彼は高額な健康食品を年配の方に販売する会社に勤めていました。そして高額のため何年も商品代金が未払いのお客様がいたそうです。
ここに目をつけた彼は未払いのお客様の所に出向き、代金を回収してそのことを会社に報告せずに自分のものにしたそうです。彼はそれをする前に私に電話をしてきたことがありました。
私は「絶対にばれるから止めた方がいい」と言いました。しかし、彼はパチンコで借金があり、正常な考えが出来なかったようでやってしまいました。
ある日、会社にばれ、先輩たちに取り囲まれ、言葉で袋叩きにされたそうです。そのことを奥さんに言うと、「もう別れます」とたった一人の娘さんを連れて出て行かれました。
彼はそれまで何度もパチンコで借金を繰り返し、そのたびに奥さんに貯金を崩してもらい返済をしていました。そんな彼に愛想を尽かしたのです。
彼に残されたのは200万円の借金。そして毎月の別れた奥さんに支払う養育費です。
奥さんの苦しい気持ちを理解してほしい
喫茶店で彼からその話を聞いた時、私は思いました。あれほど絶対ばれるからするなと言ってた事をするとは何を考えてるんだと。しかし、やってしまったものは取り返しがつきません。
200万円の借金の返済と毎月の養育費の支払いは、どんなことがあってもした方がいいと彼に言いました。そして私は奥さんが彼のことをとても愛していたことを知っていました。
皆で飲みに行った時も奥さんはとても彼を心配して何度も電話をかけてくる人でした。私も2回ほど会ったことがあります。奥さんが離婚を決意したのは相当な覚悟があっての事だろうと思います。その奥さんの苦しい気持ちを理解してほしいと言いました。
今の大きく反省している気持ちを失わないでほしい
現在の日本で、離婚後の母子家庭でまともに養育費を受け取っているのは約2割だと言われています。最初は払っていても月日が経つにつれて払わなくなります。
そんな男の話を良く聞きます。絶対にそうならないでほしい。今の大きく反省をしている気持ちを忘れないでほしいと言いました。
母子家庭はどれだけ子供につらい思いをさせるか?
私は小さい頃に両親が離婚をし、母親に育てられ、母子家庭の辛さをとても良く知っています。子供にとって、どれだけ長い期間辛い思いをさせるのかを彼に言いました。
たとえ別れていても、子供にとってはかけがえのない父親です。父親は父親らしくいてほしい。離れていても子供はそう思っています。
復縁を考えても相手の気持ちはどうする事も出来ない。でも父親として子供を思う気持ちは持ち続けるべきです。ギャンブルが好きな気持ちは分かります。でも、もっと娘さんが大好きじゃないのか?と彼に話しました。
その後、何度か「久しぶりです」という電話が彼からありましたが、そのうちお互いに連絡を取る関係でなくなりましたが、3年がたち、彼から久しぶりの連絡がありました。
本気で自分を変える努力。
彼は新しい仕事を見つけ、毎月、遅れることなく養育費を支払い続けたそうです。さらに私が関心したのは2年目に入り自ら養育費の額を1万円増やし、3年目はさらに1万円増やして払い続けたそうです。しかもギャンブルはやめたそうです。
さらに娘さんの誕生日にはプレゼントを送ったりもしたそうです。そんな彼に別れた奥さんから、「娘が会いたがってる」と連絡があり、会うことになりました。
久しぶりの娘との再会に彼は大変喜び、娘さんも彼に会えたことをとても喜んでくれたそうです。奥さんは実家がクリーニング店を営んでいて、そこを手伝ったり、近所のスーパーでアルバイトをしたりで生活をしていたそうです
そんな奥さんは彼に言いました。「もう一度やり直しませんか?」と。
嬉しいことですが結果にだけ目を向けないでほしい
彼は嬉しさのあまり、泣きそうになり、でも娘に涙を見せたくない気持ちがあり、トイレに行き、思いっきり涙を流したそうです。
3年ぶりに彼からこんな嬉しい電話があり、私も嬉しくて仕方がありませんでした。一旦別れた妻が帰ってくることはなかなかあることではありません。
彼と同じことをしても離婚した妻が帰ってくることは少ないと私は思います。復縁という結果にだけ目を向けて行動をしても失敗することが多いと思います。
駄目な自分を変える努力、そして離れて暮らす子供と元妻を思いやる気持ち、父親は父親でいてほしいという子供の気持ちに答える努力、たとえ復縁が出来なくても人として持ち続けることに価値があります。
親権を失っても親としての愛情を失ってはいけないと思うのです。
子供と会えない。どうしたらいい?
今回のケースは復縁というハッピーエンドになったケースですが、ほとんどの場合は復縁を実現できないままに終わるのではないでしょうか?
離婚して、子供と生き別れた。「二度と会えないのではないか?」と思うと悲しくなるでしょうね。でも、会えない辛さは子供も同じです。
私も、小学生の頃、両親が離婚をして、何度も心の中で「もう一度父に戻ってきてほしい」と願いましたが、結局は20年以上も会えずに終わりました。
父が亡くなったことを後で知り、とても大きな後悔をしました。なぜ生きている間に会いに行かなかったんだ?と。
離れて暮らしていても、親は親であり、子は子だと思います。その気持ちがどちらかにある限り、きっと子供から会いに来てくれると思います。
それは、生きている間でないかもしれません。私は父に生きている間、会いに行けませんでした。会いに行ったのは、亡くなってから後のお墓の前です。
愛されていると感じているから会いに行ったのです。だから、親権を失っても、親として出来ることは何か?気持ちは忘れるべきではないと思います。
生きている間に会えなかった父親であっても、その最後を知った時、子供は父の生前の人柄を知りたくなります。その時に恥ずかしくない生き方をする。それが親としての責任です。