ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

とても仲の良いお客様から、まさかの怒鳴り声に心が砕けた私を救ったものとは?

 

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長年やってても「えっ!」と思うようなクレームがある

食品スーパーに勤めています。サービス業につきものなのがクレーム処理。特に多くのアイテムを販売するスーパーでは毎日とまではいかないけれど、それに近いぐらい色々なクレームが入ります。

クレームは苦手です。お客様から罵倒され、怒鳴られ、それが嫌で辞めて行った同僚もいるほどです。

本社のお客様相談室(クレーム処理の部署)の上司は「慣れるしかない」と言います。本当にその通りだと思います。しかし長年やってても「えっ?」と思うようなクレームが出てきます。

とても仲の良いお客様からのまさかの怒鳴り声に心が砕けた。

先日、クレームの電話があり、お客様の家に伺うことになりました。理由はパートさんのレジでの打ち間違いです。2個しか買ってないのに3個でレジが打たれているということでした。早速差額を用意して「今からそちらへ伺います」と言いました。

電話では「伺います」と言う私の言葉に対して「来てくれるんですか?有難うございます」と優しい言葉をかけてくれたお客様。

しかし家に着くと「今から来るって言ったのに、なんでこんなに時間がかかってるんだ?」と大きな怒鳴り声をあげられました。

「申し訳ございません」と謝る私に「私は何で?と聞いているんだ」とこちらを睨みつけられ、「初めて伺う場所で、抜け道があったかも知れませんが大きな道路から来ましたので・・・」と答えました。

これにお客様は無言で睨みつけ、ひたすら謝る私に、最後は「本当に気をつけろ」と最後まで怒りは収まらない状態でした。

普段優しかった常連さんだけに大きなショックでした。

お客様から連絡があってすぐに家に伺ったので、決して店を出るのが遅れたわけではありません。お客様は普段抜け道を使ってるからもっと早く来れるのだと思いますが、私は初めて伺う家なので若干時間がかかったのだと思います。

この程度のやり取りのクレームは良くあるのですが、私がショックを受けたのは、普段私に優しい言葉をかけてくれる常連さんだったからです。

その普段とのギャップが大きくて辛くて辛くて、その後の仕事にも、なんとなく元気が出せませんでした。

そんな中またクレームの電話が鳴りました。

同じくレジでの打ち間違い。「ま・・・またか?」もう本当に泣きそうな気持ちになりました。電話口で「何でこんな間違いをするんや」と声を荒げるお客様。「申し訳ございません。こちらから伺います」と言う私に冷たい口調で「あ~ハイ」と返すお客様。

怖い。でもきっと大丈夫。そう言い聞かせてお客様のインターホンを押しました。お客様が出てこられたらすぐに「大変申し訳ございません」と本当に申し訳ない気持ちで謝罪しました。しかしそれと同時にお客様は「わざわざすみません」と返してきました。

電話で怒られていても、実際伺うと優しい言葉をかけられる時がある

クレーム処理を経験した人なら、理解できること思うのですが、電話では凄く怒っていても、実際に行って見ると優しい言葉をかけられることが多々あると思います。

今回もレジの打ち間違いに対して「その場で気付かない私も悪いんですよ。わざわざここまで来ていただいて有難うございます」と優しい言葉をかけてくれました。

本当にこのお客様の言葉がありがたいと感じて「いえいえご迷惑をおかけして本当に申し訳ございません」と言い差額を返金しました。

その帰り道は、さっきまでの心がボロボロになった状態でなく、何となく心に温かいものが入ってきたような気持ちになりました。

心がボロボロになった時、現実逃避も有効だが・・・

クレームのストレスでボロボロになった時、スポーツをしたり、ペットに癒されたりと様々なストレス解消法があると思うのですが、それらは有効だと思うのですが、私が思うには職場に行くとすぐに現実に引き戻されて、嫌な経験はトラウマになるような気がします。

厳しい口調でクレームを言うお客様ばかりでない。

どうしてもクレームで思い出に残るのは、怒鳴られたり、罵倒されたりしたことが多いと思います。しかし、そればかりを気にしていたらトラウマになり、電話が鳴るたびに「クレームかも?怖い、逃げたい」になります。

しかし、実際はそのクレームを解決する事で、温かい言葉をかけられることも多々あります。そういう勇気づけられる経験こそが、前向きにクレームに取り組めるモチベーションにつながると私は思うのです。

クレームで心がボロボロになり接客業を辞めていく人が多いのですが、辞めたい気持ちになった時は温かい言葉を思い出してみてほしいです。