ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

店長「社員にならないか?」アルバイト「嫌です」はなぜ起きるのか?

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一歩踏み出せずに周囲がやきもきする

はたから見て、この人はもったいない選択をしていると感じることがあります。それに見合う能力が十分にありながら一歩踏み出さずに現状で満足をしている人です。

昨今話題になっている中年フリーター急増という社会問題の原因もこれではないかと思うのです。自分の能力を過小評価しすぎているのではないか?と思います。

食品スーパーの社員としてつくづく思うことはこのままでは中年フリーターになるのではないかと危惧されるアルバイトが存在することです。

頑張ってる中年フリーターに社員になってもらいたい

私が勤める食品スーパーではアルバイトの正社員登用制度があり、「社員にならないか?」と声をかけるのですが、「このままでいいです」「ちょっと考えさせて下さい」「もう少し様子を見させてください」と意外と、誘いを断る中年フリーターが多いのにガッカリです。

彼らは決して能力が低いわけではありません。アルバイトとしてしっかりとした働きを認めているから正社員になってもらいたいと思って私は声をかけるのです。それ以上に私が同世代なので気になるのです。

どうして断るのかを聞くと、こういった答えが返ってきました。

「今まで、アルバイトでやってきたので今さら社員になろうと言う意欲はありません」
「社員の仕事をそばで見ていて大変そうで自分には無理だと思います」
「もっと自分に自信を付けてから社員になりたいと思います」
「今の方が自由がきくので今のままでいいです」

長年アルバイトをしてきたため、そこから変化をしていくのをためらうような言葉が返ってきました。

社員としてのメリットを説明すると「そんなことは分かっています」と返ってきます。分かってはいるが、年齢を重ねるごとに環境の変化について慎重になるのです。

1回断るとチャンスは遠ざかります。

せっかくの誘いを1回断られると、しばらく声をかけれません。どうせまた断るんだろうと思うからです。しかし心配はしているのです。私自身が中年で体力の衰えも感じてるので、同世代の中年フリーターが気になります。

「もうちょっと、もうちょっと」と様子を見ているうちに中年フリーターから初老フリーターへ、そして老人フリーターになるんじゃないでしょうか?

急増する中年フリーターが社会的な問題になってるのですが、このままいけば、10年後は新聞や雑誌で「急増する初老フリーター」として社会的な問題になると思います。そう思うと同世代としていい気はしません。

なってみればどうってことはない社員

今まで私の説得で社員になった3人の元中年フリーター。そのうちの一人との思い出を4コマ漫画にしました。

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いかがでしたでしょうか?

彼の気持ちはとても分かります。いままでさんざん近くで社員の大変さを見てきたのですから。

こういったアルバイトから社員になった彼らは「社員ってこんなに大変なんですね」とアルバイト時代と比べて言います。

しかし、なんとかやっては行けるのです。

その理由は、しつこく言うようですが無理な人には声をかけませんので。

本当に能力的に無理なの?そうじゃなく自分の心のブレーキの問題も考えるべきだと思います。

社員になったら責任が重たくなる。自由もきかなくなる。気持ちはとても分かります。なぜなら私も「店長にならないか?」の誘いに同じ理由で断りましたから(汗)

しかし、責任が重くなると言っても、しょせんは雇われでの責任です。自由がきかなくなると言ってもきちんと休みはあります。

大変そうに見えても、アルバイトだって大変です。本当に無理なのか?良く考えて欲しいのです。

同世代として「自分は駄目」と思ってほしくない

私も40代で就職氷河期を経験し、時代が悪いと思ったこともあります。しかし、時代が駄目という考えがいつの間にか自分はどうせ駄目と言う考えに変わっていないだろうか?

正社員になりたくてもなれない。それはもしかしたらなれるのにならないだけではないか?同世代として、自分の心に聞いてほしい。心からそう思います。

では、その心の中とは?

「まだまだ様子を見たいです」

「もうちょっと経験をつんでから]

いや、違うでしょ。大事なことを見逃しているんです。そもそも何年も勤めていたら

十分に様子は見れたはずです。

なのに、なぜ?

それは逆に様子を一杯見たからです。社員の大変さ近くで見続けていたから。人間ってね、飛び込むときは、さっと飛び込まないと様子を見れば見るほど飛び込めないんだよ。

なぜ、そんなこと言える?それは私がそうだから。

もし、私が逆の立場なら?

アルバイトからスタートして、いずれは社員になろうと思って今の会社に入ったらどうだろう?

想像するに、期待していたことと大きく違い、「こんな会社で社員になりたくねぇな」って考えを変えたと思うんです。

仕事というものはそういうもの

実際に体験したら最初の考えって変わるんですよ。「あれっ!思っていた感じと違うよな」と、

違って当たり前だと思うんですよ。その世界に飛び込む前は、夢と希望で胸一杯になっている。

しかし、どんな仕事でも現実は違う。それでも、せっかく飛び込んだ世界だからと言う気持ちで続ける。それでいいと思うんですね。

嫌な仕事はやらない?そんなこと言ってたら永遠に転職を繰り返す。

つまり、多くのベテランアルバイトが、せっかくの社員の誘いを断るのは、近くで現実を見続けたからでしょうね。