ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

社長が来るからちゃんとしよう!これってありなのか?なしなのか?

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何っ!社長が今から店を見に来るだと?

こんにちは、食品スーパーのおやじです。「今からそっちに社長が来るかもしれないよ」っていう連絡が来た時って焦りませんか?

そもそも、そんな連絡なんてないよっていう会社も多いと思いますし、あっても焦らないって言う方もいるとは思いますが、私は緊張しますね。

たいていの場合、店がきれいに保たれている日よりも、人手不足で売り場がガタガタの日に限ってこういうことがあるというタイミングの悪さに涙です。

本来は抜き打ちでの視察

そもそも、なぜうちの会社にこういう「社長が来るかも?」と言う連絡が回るのか?まぁ、それは私たちが内緒で回している裏の情報なので、自慢できることではないんですけどね。

本来、会社の偉いさんが店を視察するのは、抜き打ちで、いつ見に行ってもきちんと出来ているのかを確認するためで、「さぁ今から行くからな」と宣言しているわけではないんですよね。

そもそも、社長が見に来るからきちんとしようという考えよりも、いつ誰が見に来てもいいように出来ているのが理想なのですが、そうは言っても難しい部分はあるんです。

「下手を打てないぞ」という緊張感

なので、こういった連絡が来た時は緊張感が生まれるというか「下手を打てない」「普段よりもいいところを見せたい」という気持ちが生まれるんです。

では、この社長が見に来るからきちんとしようという考えには意味があるのか?それとも意味がないのか?そんなことを考えさせられた経験をお伝えしたいと思います。

従業員全員に「しっかり頼むよ」と連絡する。

私たちの会社(食品スーパー)では、時折、社長が視察に来るかもしれないという情報が他店から入ります。

その時、私たち社員は「社長が来るかもしれないから元気よく頼むね」と笑顔でアルバイトさんとパートさんに伝えます。そして綺麗な店を見てもらいたいので掃除をします。

そのことで一人の男性アルバイト君に疑問をぶつけられました。

彼「社長がくるから元気よくとか、店を綺麗に掃除するのは可笑しくないですか?」
「って言うか、そんなに社長が怖いのですか?」

私「下手を打てない状況というものがあるだろ?」

彼「それってお客さんのためじゃなくて社長のためですよね。お客さんよりも社長の方が大事ってことですよね?」

私 「お客さんより社長の方が大事なんて一言も言ってない」

彼 「普段からちゃんと出来ていたら社長が来るからと言わなくてすみますよね?」

 

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彼が言うように、社長が来るからちゃんとしようというのでなく、普段からちゃんと出来ていたら最高です。

しかし、いつもいつも緊張感をもって仕事をしている訳ではありません。とても痛い所を突かれました。

まず、考えたいことは、アルバイト君の意見は正論です。

社長が来るからちゃんとしようとするよりも、普段からちゃんとすることの方が大事です。しかし正論だけでは世の中、渡ってはいけないこともあります。

なので、このような事をいう彼に対して経験の浅さ、責任を持ったことのない軽さを感じました。

そこで、彼の意見を正論だと感じてはいるが、社長がくるからきちんとしようという考えもアリだと思う理由をまとめました。

  1. そもそも社長が来るかもしれないという情報がくるのは暗黙の了解で「きちんとしておけよ」と言う意味でもあります。そこでキチンとするのが礼儀でもあります。
  2. 社長が来るから掃除をするという考えがおかしいと感じるのならば、ずっと彼に掃除をしてもらいましょう。ということは正直に無理ですよね。理屈ではどうにもならないことがあります。
  3.  社長は怖くありません。目標となるシンボルです。
  4. 何かきっかけがないとやらない事もあるので、社長が来るからキチンとしようと言うのもありだと思います。
  5. お客様が大事というのもあるが、組織の人間として社長に対する気持ちが必要でしょう。
  6. 社長がくるから掃除をする。きっかけは社長だけど、それで「掃除の日」になってるからステキ。
  7. このような口論をしている間は二人とも手がとまっていることの方が問題です。
  8. 人間は常に緊張しっぱなしで居続ける事は不可能です。
  9. 誰でも普段から完璧にやりたいと思ってはいるが現実にはそうもいかない。
  10. 欠点を見に来るだけなら社長でなく覆面社員がきます。社長が来るのは気付きのためです。
  11. 社長が来ることで、より気を付けるのは最終的にお客様のためになるからいいと思います。

私を悩ませた問題

彼の意見は正論だと思います。普段から誰が見に来ても恥ずかしくない状態でいられるのが最高です。

そう考えると「社長が来るからきちんとしよう」と言う私の言葉は彼に残念な印象を与えるでしょう。

しかし、私は彼の言葉に腹が立ちました。

「言っていることは分かるけど、理想と現実は違うんだよ」

「ちょっとは空気を読めよ」

「人の気持ちも考えろ」

「いらんことを言うな」

と言う気持ちで、 なんとか分からせてあげることは出来ないのかな?とこの問題にすんごく悩みました。

たとえ彼を説得しても大きなしっぺ返しが予想される。

私に限らず、こういう部下や後輩に苦しめられている上司を何人も見てきました。中には、とても気の毒な上司の姿も。

「言っていることは分かるけど、それは違うだろ?」とその場で説得をする上司です。

 その場では、引き下がった部下。しかし、後日会社の偉いさんに呼び出され、部下の言っていることは正論だと言われ、しょんぼりする上司の姿です。

 そもそも、彼が私にかみつくのは私の人望のなさも影響していると思います。彼の言っていることは正論です。

社長がくるから、あれして、これしてとその場を切り抜けるよりも、普段からいつ誰が見に来ても大丈夫にしておくのが理想でしょう。

これに対して、私が、「それは違う。どこの会社でもこのようなことがあって、それは、気を引き締める上でのことなんだよ」と説得してもどうでしょう?

納得するかどうかは分かりませんが、たとえ納得しても、大きなしっぺ返しも覚悟しなければいけないと思うんです。

なぜなら、経営者の目線で言えば、彼の正論の方が正統な意見になるから。抜き打ちでいつ見に行っても、しっかりやってもらいたいから。

だとするならば、私の考えよりも彼の意見の方が強くなります。

本当に痛いところを攻められました。

正論は言うのは簡単だと思います。そのまま思ったことを相手の気持ちを考えずに言えるから。

 しかし、その正論を分かっていても、貫けない人もいます。そこを攻められると痛い。

もっと広い心で物事を考えてもらった方がやりやすいこともあると思うんですね。

しかし、そうは思っても、会社にとっての視点で見ればそれが正統な意見であるならば、それは仕方がないものとしなければいけないでしょう。

 なので、彼の意見に対して戦うべきではないということです。戦ってもいい時は、相手の考えよりも自分の考えの方が正統である時でしょう。正論よりも正統かどうかです。

最後に私が思うこと。

そもそも、社長がくるという連絡の意味をどう受け止めるのか?でその印象も変わります。

ただ単に社長が怖くてご機嫌取りに走っているのか?それとも最終的にお客さんのためになるからか?その受け止め方次第で価値は変わります。

社長はお客様を気持ち良く迎えるために注力している社員の姿を見たいはずです。決してお客さんよりも自分のご機嫌取りを優先する社員を見たいわけではないはずです。

「社長がくるから」と言う言葉は残念な印象に捉えられることもありますが、最終的にはお客様のためになるきっかけになります。

「気を引き締めて頑張ろう」という良い意味で捉えた方が仕事は上手くのではないでしょうか?