ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

コンサルタントが1年以上「さすが」と言われるアドバイスをするのは難しい。

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ジョーン・K

食品スーパーのおやじです。過去に一度だけうちの会社がコンサルタントを雇ったことがあります。なぜ雇ったのか?それは、どうも経営陣の知り合いでのコネがあったそうです。

コンサルタントといってもその仕事内容は幅が広いのですが、その人は定期的に各店を回ってきて写真を撮りまくって問題点をリストアップする現場コンサルタントでした。

見た目50代後半の男性で、鼻筋がすごく通ったいかにも仕事が出来そうな顔立ちで、私たちは陰で「ジョーン・K」と呼んでいました。

Kさんは、正直店長たちから迷惑がられていた。

Kさんは店側から決して歓迎されるような存在ではありませんでした。それはそうでしょう。ジョーン・Kは売り場の問題点を見つけて写真を撮って

「売れ筋の商品なのに欠品がある」

「ここの売り場はもっとこのようにした方がいいのではないか?」

「ゴミが落ちている」

と指摘をしてきます。指摘していることはごもっともですが、こういったことに心から、「ご指摘くださってありがとうございます」と言う人は少ないでしょう。

もちろん表向きはきちんと対応をしているのですが、裏では「また来やがった」的な扱いになっていました。

さらに、「あんな誰でも出来るような売り場のあらさがしでコンサル料を取る奴は怪しい」と言う声まで上がっていました。

だが、私はある意味好きだった。

ねぜ私は彼のことがある意味好きだったのか?なぜなら、このジョーン・Kという生き方に興味があったからです。

人の会社に有益なアドバイスをしにきているのです。その中には耳の痛いこともあるでしょう。「あなたに言われなくても分かっている」と思われることもあるでしょう。

人によっては「うさんくさい」と思われたり、過去の実績を聞かれて正直に答えても「どうせ自分を大きく見せて信用を得ようとしているんだろう?」と思われたりで大変だろうと思うのです。

さらに、会社の同僚から「ジョーン・K」とあだ名される彼のことをもっと知りたいと思って私はいろいろ話しかけたことがあります。

4コマ漫画(ジョーン・Kの実績)

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※漫画では山田さん(仮名)になってますが、ジョーン・K(仮名)です。

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プロですから、5分もあれば十分です。

4コマ漫画では「山田さん(仮名)」になってますが、記事では「ジョーン・K」でいきます。彼は5分程度しか一つの店にいないんです。

もちろん各店を回るので、そんなに時間をかけていられないのでしょう。そこを「早いですね」と聞いてみると「プロですから、5分もあれば十分分かりますよ」と言ってきました。

興味津々な私はさらに聞いてみた。

私 「過去に何社ぐらいコンサルされてきたんですか?」

ジョーン・K 「独立してまだ3年なので57社です」

私「へぇ~~」

私は「へぇ~~」としか言えませんでした。ネットとかで良く見ますよね。過去に1000社の実績とか1万社とか、私はそんな大見栄を期待していたんです。

がっかりです。この57という数字は、なかなか、あり得る数字なので「凄い」とも「いまいち」とも何とも言えませんね。

どうせならこの人のようなレベルの自己アピールが欲しかったところです。


ショーンK 魔女たちの22時 三畳一間から年商30億円

もう「ジョーン・K」に会えない(涙)

そんなジョーン・Kさんですが、1年契約が過ぎ、うちは契約を更新しなかったそうです。その理由を仲の良い上司に聞きました。

ジョーン・kさんは毎月、現場の問題点をリストアップしてくるのですが

「ゴミが落ちている」

「商品の欠品がある」

「もっと従業員に元気がほしい」

といった別にジョーン・kさんでなくてもいいのではないかと思われる内容だったんです。つまりそんな助言にお金は払えないということです。

ジョーン・kさんの作る資料は、確かに見事な出来栄えに見えました。「さすがコンサルタントの先生だ」という声も最初のうちはありました。

しかし、毎月、毎月、似たようなリストばかり作ってくるんです。そりゃあそうでしょう。毎月毎月、目新しいことを指摘するなんてことは難しいことです。どうしてもそうなってしまうでしょう。

と言うよりも、いつまでも同じ内容のコンサルタントが必要な会社であってはいけないと思います。そのノウハウの提供が終われば、後はそこの社員が引き継げばいいことだと思うんです。

「安泰」の二文字はハードルが高い

このことで私はあることを思いました。一つの会社でコンサルをつづけるのは難しいのではないか?ということです。

首尾よく顧客(会社との専属契約)をゲットできたとしても、同じ会社に長くいられることは少ないのではないでしょうか?

とにかく「新規」「新規」と攻める必要があるでしょう。そうでないと先が無い。生き残るのは想像以上に難しい世界です。

この「ジョーン・k」さんの出来事から、コンサルタントの世界で、「安泰」の二文字をゲットするのはかなりハードルが高いということに気付かされました。