ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

エッチな話は女性の前だけでなく男を裏切る男の前でも注意が必要である

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20歳のころ墓石販売の営業をしていました。

今から考えたら、いい仕事でした。数ある営業の中でも墓石の営業は口下手でも真面目に伝えることが出来れば、それなりに出来る仕事だと思います。なぜなら、必要な人を相手にするからです。そこの会社で、私はある先輩に可愛がられました。

先輩は超がつくほどのキャバクラが好きな男でした。ちなみに26歳で独身。本人に確認したわけではないのですが、恐らく、もてない歴も26年だったと思います(汗)。ちなみに私はその時、もてない歴20年でした。性格の悪い私は、心の中で思いました。

「6年間、私の方が救いがある」と。

先輩は私をキャバクラに誘ってきたことがあります。しかし、私は断りました。その当時は興味がなかったからです。まぁ、行けばそれなりに楽しかったとは思います。

しかし、先輩のように頭の中がキャバクラでいっぱいになったら、お金がかかるだけで、先輩のようにもてない歴26年になると思いました。

私は一日でも早く、会社で仕事の出来る男になって、そして可愛い後輩女子社員から「先輩、彼女いてるんですか?」と聞かれる予定でした。その予定は予定のまま終わってしまいましたが(汗)。

私は先輩のキャバクラの誘いを、このように断りました。

私 「僕、ああいうところ苦手なんです。何をしゃべっていいのか、分からなくて疲れます」

先輩 「何を言ってるねん。相手はプロなんだから、何も考えなくてもちゃんと相手してくれるんや」

私 「いや・・・っていうか僕みたいなやつが行くとおかしくなると思うんです」

先輩 「何が?」

私 「そのーつまり、クセになって仕事どころじゃなくなると思うんです」

先輩 「お前、分かってないなーキャバクラは仕事に生きてくるねん」

私 「ホンマですか?」

先輩 「俺が言うんだから間違いない。ああいうところは、営業の仕事に生かすことが出来るんや」

しかし、何度か断ると、もう誘ってこなくなりました。しかし、先輩とは男同士で飲みには行きました。その先輩は私以外にもう一人の後輩を可愛がっていました。私と同期のA君です。その彼がある日、営業部から総務部に異動になりました。

彼が異動になった総務部は年配の部長と課長以外は全員女性だけという部署でした。

恐らく女性社員が10人以上は、いてたと思います。その彼を仮にA君とします。A君も私と同じで、もてない歴20年でした。私は嫉妬しました。

「くっそーいいところに行ったな。若い男が一人も今までいなかった部署で羨ましいな」と。すると彼は「そうでもないよ。逆に居心地は悪いよ」と返しました。

しかし、もてない歴に終止符を打つ絶好のチャンスだと思った私は、出来れば代わってほしいと思いました。彼が総務に異動になった理由は会社の中で、営業成績が一番悪かったからだと聞きました。

ちなみに私は2番目に悪かったです。あとちょっとで私が、その女性だらけの部署に入れたのに・・・・後悔先に立たずです。

しかし、そんな彼に不幸な出来事がありました。ある日、彼が出勤して机の上にある1枚の紙に驚いたそうです。

それは退職届の用紙でした。

あとは名前を書いて、印鑑を押して提出するだけの用紙でした。この用紙を置いたのは彼の教育係をしていたK子さんでした。K子さんは男性社員から評判が良くありませんでした。

話し方や態度が実におっさんぽい感じでいつも不機嫌そうな表情で、とっつきにくい感じの女性でした。

しかも、社内のマドンナA子さんと同期でした。このマドンナA子さんは飲みに誘うと、すぐについてきてくれると男性社員から評判でした。しかし、A子さんを誘ったら必ず、K子さんがコバンザメの様についてくるんだそうです。

A子さんを狙うオオカミから守る。まるで守り神のような、おやじレディーでした。こともあろうに、このK子さんにA君はセクハラをしたそうです。

どんなセクハラ?

聞いて驚きました。他の男性社員が、うっかりあることについて口を滑らせたことでセクハラ認定されたのでした。

A君は、事務の仕事を、なかなか覚えられず。そんな彼をK子さんは、厳しくいつも叱っていたそうです。その叱られた腹いせなのか?A君は叱られるたびにK子さんのことををいやらしい感情で見たそうです。しかし、このことを言った相手が悪かったのです。

社内でも、口が軽いと評判のMさんに「ここだけの話ですよ」と言ってしまったそうです。Mさんは、会社の飲み会で、K子さんに近づき、このことを面白おかしく、しゃべってしまったのです。これに対してK子さんは大激怒。

「ウチをそんな目で見とったか?気持ち悪ー」と。

A君は上司に呼び出され会社を辞めることになりました。

セクハラは性的いやがらせです。性的いやがらせで、すぐに思い浮かぶのは男性が女性の体を触ったり、性的な関係を迫ることです。だから世の男性は職場での女性に対する言葉には慎重になっています。

しかし、男同士の会話では、気がゆるんで、ついついスケベな話をしてしまうことがあります。男同士だからいいだろうという考えは危険が伴うのです。

それは、男を裏切る男が世の中には存在するからです。A君の失敗はまさにそれでした。スケベな言動は女性の前では封印すべきでありますが、男同士でも注意が必要です。

さて、問題はこれからです。A君はキャバクラ好きの先輩に可愛がられていました。ちなみに私とも仲が良かったです。だから、ないしょで、送別会をしました。その時の先輩の言葉に考えさせられました。

私はA君に疑問をぶつけました。

総務にはマドンナのA子さんがいました。

私「なぜ、A子さんじゃなく、K子やねん?お・・・おかしくなったのか?」

A君「いや・・・俺も最初はA子さんだったけど、K子さんにいつもそばで、仕事を教えてもらってるうちにA子さんはハードルが高いけどK子さんならいけるかも?その感情がいつのまにかK子さんこそ、俺の運命の女性だって思うようになったねん」

それを聞いた先輩は「もうちょっと、早く俺に相談してたら、救ってあげれたのに・・大体、お前たちはA子がいい女って言ってるけど、はっきり言ってA子なんて大していい女じゃないぞ」と言いました。

先輩の言葉に私は驚きました。もてない歴26年なのに、とんでもないことを言う人だと思いました。

しかし、その後の先輩の言葉を聞いて納得しました。

「お前たちは外の世界を知らなさすぎるんだよ。確かに会社の中。狭い世界の中ではA子はいい女に見える。さらに、あのK子をいい女だと思うのも狭い空間で、そばに近づかれたからだ」

「女には、色気というものがあるのを知ってるか?この色気というものは男の正常な判断を狂わせるものなんだ」

「そうならないために遊びに行くことは必要なんだよ」

「インフルエンザにかからないようにワクチンを打ちに行くのと同じ理屈だ」

「お前達はキャバクラに行くとおかしくなるかも知れないと言っているけどそれは違う。キャバクラには、A子よりも何倍もいい女がいるんだよ。

その、いい女と接する事で職場、日常生活で男として正常な判断を下せるようにする場所だ。会社の女の、つまらない色気に惑わされて人生を棒にふる。そうならないためにもキャバクラは男を正すためにあるんだ」

先輩の言葉に一理あると思いました。

ただ、一理あると思うのですが、全てが正しいとは感じませんでした。あくまで、一理あると言うことです。

女性の色気に触れることで、職場の女性の色気に惑わされなくなるという観点からは一理あると思うのですが、日常的に通い詰め、そこから抜け出せなくなるほどの癖になるのも考えものです。

あれか20年経ち、40を過ぎた私が思うこと。

この年になるまで、キャバクラも含めて、ある程度の遊びは経験してきましたが、お金を出してモテに行くところはクセになりがちだと思うこと。

ある程度の経験を積んで、大人としての余裕を身に付けられるか、それとも逆にはまってしまって、やめられなくなるかは個人差が大きいと思います。

女性に対する免疫を付ける目的が逆に中毒になり、ミイラ取りがミイラになるような現象。美味しいものを食べればそこで満足して満ち足りる人と、もっと美味しいものが食べたくなる人がいるのと同じ理屈です。

物事にはなんでも、ほどほどというものがあるでしょう。女性にまったく免疫がなく、狂ってしまったA君も、会社の女性を見ても魅力を感じない代わりに頭の中がキャバクラでいっぱいになっていた先輩も、どっちも問題があると思うんです。

そして、セクハラで解雇になった同僚に思うこと。

それは、男を裏切る男が世の中には存在するということ。A君の失敗はまさにそれでした。スケベな言動は女性の前では封印すべきでありますが、男同士でも注意が必要なんですね。