ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

娘は成長とともに父親と距離を置きたがり、甘えてくれるのは一瞬の今だけである

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家に奥さんがいないことを喜ぶ旦那さんの話

食品スーパーのおやじです。うちのパートさん達は、週末は休むことが多いです。なぜなら、お子さんの学校がお休みだからです。その代わりに学生バイトが増えるのが週末です。そんな中、珍しくパートのAさんが、日曜日にパートにきていた時の事です。

休憩時間。Aさんが私に話しかけました。「旦那は私が家にいなくて嬉しいんだって」どうやら旦那さんから、そういうメールが来たようです。Aさんがパートに来ている間。旦那さんと、娘さんはお留守番。旦那さんによると、奥さんがいない方が娘さんを独り占め出来るから嬉しいようです。

あーーそれ分かるー
山よりも高く
海よりも深く分かるー

と私は思いました。

娘が父親と距離を置きたがる理由とは?

「熊さんの娘さんは、熊さんになついてますか?」Aさんに聞かれましたが残念なことに、小学5年の娘は私よりも嫁さんになついています。

さらに、私よりも任天堂Switch(小型のゲーム機)になついています。任天堂Switchを買ってから私とお人形さんごっこをしなくなりました。

個人差はありますが、娘というものは成長とともに父親との距離を取りたがることがあるようです。

生物学的な考えによると成長とともに、父親を異性だと認識し、女性の遺伝子が自分と血のつながりの濃い異性のフェロモンを遠ざけるそうです。

つまり、女性として正常に成長している証拠です。

さらに、生物学的ではなく心理学的に考えると父親は息子に比べて娘に特別な感情(心配、不安)を感じて、ついついベタベタと、くっついてしまうことがあるようです。

そうなると追いかけられると逃げたくなるという心理が働くようです。娘が小さい時、ある約束をしたことがあります。

娘に「大きくなったら、パパと結婚するという、あの約束を覚えてるか?」と聞くと「覚えてない」と言われました。小さい時の話なので仕方がないのですが寂しいものです。

小さい頃はあれほど「抱っこ。抱っこ」とおねだりしてくれた娘はもう、抱っこをおねだりしてきません。

さらに寂しい事は、家族3人でお出かけしても、私には、あまり手をつないでくれなくなったことです。嫁さんとは、いつも手をつないでいるのですが、私にはつないでくれなくなりました。

しかし、それは、お母さんの魅力に私が負けているからです。

お父さんが嫌いなのではなく、お母さんに負けただけ。と自分自身で思っています。だから、Aさんの旦那さんの気持ち「嫁さんがいなければ娘を独り占めに出来る」それがとっても理解出来るのです。

私の所も同じだからです。嫁さんが居ない時はあきらかに娘は私になつきます。任天堂Switchには勝てないけれど(涙)。先日こんなことがありました。娘が学校で使う分度器をなくした時のことです。

嫁さんから、「パパに買いに連れていってもらいなさい」と言われた娘は「えーーママは?」「ママは晩御飯の準備で忙しいの?」ということで私はルンルン気分で娘を助手席に乗せました。久しぶりの娘とのデートのようなものです。近くのスーパーに到着し車を降りました。すると・・・・

娘が手をつないできました。

店の中では腕を組んできました。

なんだかんだいってもまだまだ子供です。甘えん坊さんだなと思い私は、娘の柔らかい腕のぬくもりを心の中で味わいました。まだまだ子供。だからこそ私は人生で後悔したくないのです。

子供はあっという間に成長するものです。

特に仕事が忙しいとその気持ちは大きくなります。あれ?この前まで「抱っこ、抱っこ」とおねだりしていたのに、今はこちらから「抱っこさせて」と言っても「嫌だ」と言われてしまいます。

抱っこを卒業するのは正常に成長している証拠なのですが寂しさも感じます。だから子供と接する時間はかけがえのないもの。その時期だから味わえる期間限定の喜びなのです。後になって思い返せば、それはかけがえのない宝物になるのです。

その宝物に愛情を込めれば込めるほど、後になれば光輝くのです。娘が小さい時、お馬さんごっこをおねだりされて、娘を背中の上にのせて部屋の中を何周もパカパカと回っていました。あの時はしんどかったのですが、思い返せばその思い出は輝いています。

中学、高校とすすむにつれて、父親を遠ざける娘さんが多いとは良く聞く話です。いつかは自分から離れていくんだろうなという気持ちもあります。今のご時世、仕事、仕事で忙しくなかなか、子供と接する時間がとれない父親が多いと思います。

成長段階で、異性である父親よりも母親になつきだした娘。仕方がないこととはいえ、寂しさを感じるのが父親です。だからこそ、子供との時間は宝物です。愛情を注げば注ぐほど光り輝く宝物だと思います。