ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

サービス残業は周りに大きな気を使わせる

 

自分の担当している場所だけをするわけにはいかない

20代のころ、食品スーパーのアルバイトをしていた。アルバイトでありながら一つの売り場を任された。とても大きなやりがいを感じた。

この任された売り場を完璧な状態で維持するのが私のこだわりになった。しかし、この売り場だけの仕事をする訳にはいかなかった。

ギリギリの人員での営業

店全体のことを考えて、違う作業も指示された。レジ業務、荷捌き業務、他にすることは沢山あった。

任された売り場のことが気になり、それだけをしたかったのだが、それは許してもらえる状況ではなかった。

ギリギリの人員で営業をしているようで、それは仕方のないことだと思った。
私が勤めていた地域のスーパーはとても価格競争が激しく、他店より1円でも安くと企業努力をしていた。

さらに追い打ちをかけるように次から次に他社のスーパーが出店をしてきてお客さんの奪い合いになってきた。

与えられた時間では足りない

会社は安さを求める一方で、様々なイベントや企画を考えるようになった。ギリギリの人員での営業であるにもかかわらず、さらに、一人一人の負担が大きくなってきた。他の従業員を見ても、余裕のある人はいなかった。

それぞれ自分の任せられている仕事を満足に出来る状態ではなかった。

しかし、私はこだわりたかった。任せられた以上は、完璧にしたかった。しかし現実は厳しく、与えられた時間内では満足に出来なかった。

私は仕方なくサービス残業をするようになった。周りは、「明日出来る事は明日したらいいよ」と言ってくれた。

ただ働きのどこが会社に迷惑をかけているのだ?

しかし、私はその考えが嫌だった。きっちりしてから帰りたかった。そのうち毎日のようにサービス残業をするようになった。

そんな私に店長が注意してきた。「ただ働きは会社として問題だからやめてくれ」私は理解出来なかった。

好きでやっていることだ。ただ働きのどこが会社に迷惑をかけているんだ。誰にも迷惑はかかってないはずだ。自分の任せられた仕事をきっちり終わらせたい気持ちは評価されるべきで、注意されるべきではないはずだ。

しかし、会社からは、従業員のサービス残業を大きな問題と捉えていた。会社が残業を禁止していても、それが徹底できていないと残業代を支払う義務が生まれるからだ。

ただ働きを見て見ぬ振りできない理由

本来、残業は上司の指示で認められるものだが直接的な指示がなくても、上司が見て見ぬふりをしていたら、間接的な指示があったものとして残業代が認められる。

さらに、与えられた時間内にとうてい終わる事の出来ない仕事量があった場合も、間接的な指示があったものとして残業代が認められる。

実際に従業員から未払いの残業代を求められた裁判でも同じ判断が下されたそうだ。だから、そうならないためにも与えられた時間がきたら仕事を上がるように指示された。

しかし私は反論した。

「別に残業代が欲しくてやっているんじゃありません」

「私は残業代を請求するつもりはありません」

しかし、これも許されないことだと店長に教えられた。私がサービス残業を日頃から行っていると周りの人達も「あの人もやっているから」という考えになる。

残業代を請求しづらい雰囲気にもなる。残業するのが当たり前のようになっていく。この流れは決して良くない。会社がブラックになることも考えられる。

そんなことは誰も望んでいない。好きでやっているサービス残業。誰にも迷惑なんてかけていない。それは自分の勝手な思い込みだった。

 

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