ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

周囲から不満をぶつけられない立場になったからといってその不満が消えたわけではない

 

年を重ねあれこれ言われなくなる前に知っておきたいこと

仕事の指示を同じように出しても、人によって反発をされやすかったり、されにくかったりすることがある。その大きな理由は舐められているかどうかの違いだ。

舐められないための要素は年齢からくるもの、役職、体の大きさ、顔のいかつさなどがある。いずれにせよ、若い頃の私は年齢からくる貫禄もなければ見た目の迫力もないために、そういった舐められない人に憧れをもったものだ。

しかし、年を重ね、舐められなくなる前に知っておくべきだと思った出来事がある。とても威圧感のある上司の下で働いた時のことだ。

威圧感のある上司

上司は、「急ぎでこれやって」「先にこれやって」と、とうてい時間通りには終わらないであろう仕事量を与えるタイプだった。

しかも、周囲につべこべ言わさぬ威圧感があり、無茶ぶりだからと言って断りにくい雰囲気があった。さらに問題なのは、本人はほとんど動かずに指示だけを出すことだった。

それで職場に余裕があるのならいいのだが、少ない人件費の中では上司も動きながら指示を出さなければ手が回らなくなるのだった。

しかし、ちょっとしたことでキレやすいタイプの上司に意見を言う人もいなくなり、上司には周囲の大変さが見えなくなっているように思った。

部下からのお願いにキレる上司

それでも、私は意見を言ったことがある。私の担当している仕事も手が回っていなかったのだが、それ以上に同僚の担当している仕事の手が回っていないのは明らかな状態だったので、「このままでは○○さんのところが終わらなさそうですよ」と言ったのだ。

すると上司は、若干キレ気味の口調で、「え?何?俺に手伝えって言ってるの?」と言った。

この言葉に若干ひるみながら私は、「はい。手伝ってもらえないと、とても終わらないと思います」と答えた。

結局、上司は同僚の仕事を手伝うことになったが、私に意見されたことに腹を立てたのだろう。

忙しくて手が回っていない私に、「あっ熊さんのところは完璧にしといてよ」と言ってきた。

私は、「え?完璧って?手が回っていないのに?」と思ったが上司からの言葉ということもあり、「ハイ」と返事をした。

すると、「ハイって返事をしたよな。じゃあ完璧にしといてよ」と言われ、なんだかすごく嫌な感じがした。

上司がほとんど私たちの仕事を手伝ってくれないから手が回っていないのだ。一緒に頑張って戦おうという気持ちが伝わってこないのだ。ただ、「これやっといて」だけで丸投げして終わりなのだ。

私が、「ハイ」と返事をしたのは、上司に対して、「それは難しいです」という反論や、「出来る限り頑張ります」という中途半端な返事をするのはどうかと思ったから「ハイ」という返事をしたのだ。

しかし、その「ハイ」と言う言葉に責任を持つと本当に家に帰ることが出来なくなる。だから、「出来る限り頑張ります」という言葉に訂正した。

何もしてくれない上司のことを本社に告発

その後周囲で、「上司は何もしてくれない」の声がどんどん大きくなってきた。しかし、すぐにキレる上司には直接不満を言う人もいなかった。

そんな中、いきなり上司は降格され他部署に異動することになった。その原因は、内部告発があったのだ。一人の従業員が本社に訴えたのだ。

「何もしてくれない」「すぐにキレる」この訴えに本部の上司が動いてくれたのだ。
本部の上司は、訴えた一人の意見だけでは真相を把握することは出来ないということで、別の従業員にも聞きとりをしたのだ。すると、出るわ出るわと、みんなの口から不満が大爆発したのだ。

周囲につべこべ言わさない威圧感は羨ましいと思う。何かあったらすぐに不満をぶつけられる言われやすいタイプの私と違って、つべこべ言わさずに人を従わせる事が出来るからだ。

しかし、不満をぶつけられないだけで、その不満は消えないのだ。不満はマグマのように、今か今かとたまりにたまって大爆発するのだ。

 

あやしい催眠商法 だましの全手口  身近な人を守るために知っておくべきこと

あやしい催眠商法 だましの全手口 身近な人を守るために知っておくべきこと

 

 

「あやしい催眠商法だましの全手口身近な人を守るために知っておくべきこと」
単行本: 230ページ
出版社: 自由国民社 (2018/11/2) 
筆者 ロバート・熊
イラストレーター にゃんとまた旅/ねこまき
身近な人を守るために知っておきたい催眠商法の現場を元社員が詳細に明かした本です。
★本書の特徴
1.いかにしてお年寄りのこころを奪うか、元社員が明かします。   
2.ネット上にある催眠商法の説明はごく簡素なものですが、事実はかなり込み入った内容です。本書では複雑で巧妙な手口をあますことなく紹介いたします。
3.まず近づかないことが一番ですが、もし被害にあってしまった場合の有効な対策も分かります。