「頑張っているのにチャンスを貰えない」と嘆く人は責任者の孤独を無視している
耳の痛い余計な心配をしてくる先輩
「僕は、熊さんが出世出来ないことに納得出来ないんですよ」と年下の先輩に言われたことがある。
心の中で、「余計なお世話だ」と思った。もちろんその気持ちを先輩には言わなかった。
先輩は悪気があって言っている訳ではないからだ。素朴な疑問をぶつけているだけなのだ。
私を心配してくれているのだ。それは分かってはいるけれど、なんだか耳が痛かった。
「そんなこと言われても・・・」と思う私
私は会社で、そこそこ実績が認められるようになっていた。先輩が言うには実績から考えると「熊さんは出世してもおかしくないですよ」と言ってくるのだ。
私はどう返事したらいいのか困った。「そうですね。私を出世させない会社はおかしいですね」と正直に返事するのは厚かましいと思ったのだ。
さらに先輩は、「出世するには、まずは上司から責任のある仕事を任されるようにならないと駄目ですよ。だから自分から『やらせて下さい』と言った方がいいですよ」とアドバイスしてくれた。
評価は周りが決めるものだと思うのだが
先輩が言うことも分かるのだが、自分から「やらせて下さい」「チャンスを下さい」と言うのはどことなく抵抗があった。
責任ある仕事といっても後から思えば、なんでもないやれば出来る仕事なのだが、当時は、「やらせて下さい」と言って駄目ならどうしようという心のブレーキがかかっていたのだ。
それに、今のまま頑張っていたら、そのうち認められるだろうという現状を肯定的に捉えたい気持ちもあったのだ。
しかし、月日が経ち、会社から営業成績で表彰されるようになっても、一向に責任ある仕事が与えてもらえそうな気配を感じなかった。なので、「なぜ会社は私のことを理解してくれないのか?」という疑問が出てきた。
異動後も、電話がかかってきた
その頃になると先輩は主任、係長と順調に出世をしていき、営業所長として他店に異動になった。これで耳の痛いことを言われなくなると思いきや、今度は頻繁に電話がかかってくるようになった。
理由は、責任者になると周囲が自分と同じ気持ちで動いてくれていないように思えて孤独感を感じるようになるからだった。
それで夜になると電話が熱くなるまで話し続けるのだ。先輩に悪気はないのだが面倒だと思った。相変わらず、「僕はまだ熊さんが出世出来ないことに納得出来ないんですよ」と親切心から言ってくれているのは分かるのだが、なんだか柔らかく責められている様な気持にさせられた。
そんな先輩にある日、「熊さん聞いてください。ついに僕は熊さんが出世しない決定的な理由を見つけましたよ」と言われた。私は、「もう、またか?」と思ったが、社交辞令で、「どういうことですか?」と聞いた。
先輩の営業所には部下が5人いた。そのうちの一人の部下が主任になったのだ。その人は私の後輩で営業成績も私の方が上だった。
「これ以上耳の痛い話はよしてくれ」思ったが一理ある話
この事で先輩は私とその人との違いを分析したのだ。主任になれたその人は、他の4人の部下が、先輩に自分の仕事で必要な事以外では近づかずに孤独感を与えているのに対して、積極的に近づいてきたそうだ。そして、先輩が責任ある立場で悩み、苦しんでいる気持ちを察するような言葉をかけてきたそうだ。
先輩は部下を持った時に「どうして自分の気持ちを理解してもらえないんだ」と大きく悩み孤独感を味わったのだが、一人の部下から、その孤独を埋めるような接し方をされ、その部下にどんどん重要な仕事を任せるようになったのだ。
「熊さんもこれは真似した方がいいですよ」と言われた当時の私は、「もう、その話はいい加減にしてくれ」と思ったが、後で考えると一理あると思った。
「どうして私のことを分かってくれないんだ」という苦しみは部下だけのものではなかったのだ。
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出版社: 自由国民社 (2018/11/2)
筆者 ロバート・熊
イラストレーター にゃんとまた旅/ねこまき
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