ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

「自分だけが頑張っている」「自分だけが忙しい」とみんなが楽してずるく見えたときの対処法

「自分だけが頑張っている」と言う気持ちはうまくコントレールしにくい。

皆様は、職場で「自分だげが頑張っている」「みんな楽してずるい」と思ったことはありますでしょうか?私はしょっちゅうあります。

どうして、自分はこんな仕事内容になったのだろう?腑に落ちない。しかし、組織の中で生きる以上は個人のあれがしたいこれがしたいという仕事の選り好みなんて出来ないものです。

「どう考えてもあの人の仕事の方が楽に見える」と同僚の仕事内容がうらやましく思え、損をしている気持ちにさせられます。

かといって、ストレートに自分の立ち位置の不満を口にしても、自分勝手な人と思われるのではないかと、心の中でぐっと我慢を重ねる日々が続きます。

しかし、言いたいけれど言えないというストレスはどんどん膨らんできます。そして抑えきれなくなった時、表情・態度に出てきます。直接口に出さずとも、その人から発する雰囲気そのものが八つ当たりのような攻撃性を持ってしまいます。

  • 私は頑張っている。
  • 認めろ
  • 褒めろ
  • 尊敬しろ
  • 共感しろ
  • ちょっとは感謝しろ

そのような感情からくるイライラした気持ちを周囲に振りまいてしまいます。顔に出しても、態度に出しても、状況は変わりません。そんなことは分かっているのですが、「ちょっとは俺の気持ちを分かってくれよ」の感情はとても強く、うまくコントロールすることが出来ません。

そして、もがけばもがくほど、自分にとってマイナスになります。理解してもらいたい気持ちが逆に理解されなくなってきます。

「自分だけが忙しい」と思うストレスが生み出す悪影響とは?

仕事をしていて楽しくなくなる。「あいつばかりが楽をして」と思うたびにどんどん相手が楽しそうに楽そうにしているように見えてきます。「あいつが楽をしているせいで私が忙しい」という被害妄想はどんどん大きくなっていくものです。

人間関係にひびが入ります。「早く気づいてよ。私の大変さを」と気持ちが高まると、どんどん表情は険しくなり、人に優しく出来なくなっていきます。そして、どんどん不機嫌になっていき、周囲から「なんであの人は最近カリカリしているんだろう?」と思われ、距離を置かれるようになり、悪循環に陥ります。

まさに「百害あって一利なし」です。不機嫌にしてても仕方がない。そんなことは誰でも分かっています。分かっていてても、「なんで私ばっかり?」「いい加減に気づけよ」の気持ちは簡単に抑えられないことがあります。

もちろん、「いい加減に気づけよ」の気持ちで過剰なまでに忙しさをアピールすると、中には「大丈夫?」と声をかけてくれる人はいますが、そこで、相談をしても、自分が求めていない言葉が返ってくることがあります。

「忙しいのは皆同じだよ」の言葉に納得できますか?

「あー忙しい」と忙しいアピールをする人に良くかけられる言葉があります。それは「忙しいのは皆同じだよ」です。

私は言ったことも、言われたことも多くあります。しかし、本当に多くの仕事を抱え込んでいてパンク寸前の人がこの言葉を耳にして、どれだけの人が納得に至るのでしょう?

現実問題として同じ職場の中でも特定の人にだけ仕事量が多くなることはあります。そのような時は「忙しいのは皆同じだよ」と言われても、到底納得は出来ません。

みんな同じということは、「みんな我慢しているんだから文句を言うな」と言われているように感じます。

そして、どんどん自分がみじめに思えてきて、どんどん不機嫌な自分になっていきます。不機嫌になっても状況が変わらない。そんなことは分かっているけれど、抑えられません。

そんな悩む私の日々を紹介して、最後にこの悩ましい問題をどう解決するか?についてお話したいと思います。

「あ・・・もうこんな時間だ」時間がいくらあっても足りません(涙)

食品スーパーに勤めています。薄利多売の小売業で使える人件費にも限りがあり、そして従業員の入れ替わりも激しくて、手が回らないことが多々あります。

そんな時にどうしても思ってしまうことがあります。

「どうして私だけがこんなに忙しいんだろう?」

「どう考えても私が一番忙しいよな」

です。もちろん忙しい時はみんなが忙しいのは分かっています。しかし、気づいた時には、あれもこれもと仕事を抱え込み、どう考えても自分が一番やるべきことを抱え込んでいると思います。

そんな時はついつい不機嫌な自分が顔を出し、周囲への気遣いが出来なくなってしまうことがあります。気をつけなきゃと思う私はいつも思い出すことがあります。

自分一人だけが頑張っていると言う上司

私が勤める店では店長の異動が頻繁にあります。そんな中でも印象に残っている店長との思い出です。

ある日、倉庫で私の後輩社員君が店長に責められていました。

「俺一人が頑張っていても店は回らないんだよ」と。

そばで聞いていた私は腹が立ちました。なぜなら店長の言葉は自分のことを棚にあげた言葉に感じたからです。

店長は前任者と違って売り場にほとんど出ることなく事務所で事務的な作業ばかりしていました。

そのことで、前任の店長の時と違って売り場での私の仕事の負担が大きく増えました。このことに対して私は不満を持っていました。

「どうして何も手伝ってくれないんだ?」

そんな不満を持ちながら仕事をしていると顔に出たのでしょう。一人のパートさんから、「熊さん!何をそんなに難し顔をしているの?」と声をかけられました。そこで私は、ついつい苦しい感情をぶつけてしまいました。

店長に対する愚痴をこぼしてしまいました。

「どう考えても僕の方がやるべき仕事の量が多いのに、店長は何も手伝ってくれないし、まるで自分一人が頑張っているかのようなことを周囲に言うし、腹が立つんです」

「どうして僕だけがこんなに忙しいの?」

そんな私の愚痴にパートさんはこういいました。

「それはみんなが『あっち向いてホイ』をしているからだよ」

「みんながみんな、頑張っているんだよ」

「でも、みんな違う方向で頑張っているから不満が出るんだよ」

「みんな、あっち向いてホイッしているんだよ」

なんとなく分かるような分からないようなことを言われた私は、「こっちは売り場で、ヒーヒー言ってるのに、あの人は何も分かっていないんですよ」と返しました。

するとパートさんは「分かるわけないでしょ。そんなの。熊さんの大変さなんて分かってもらえなくて当たり前だよ」と、ちょっぴり笑顔で言われました。

あきらめのような、悟ったような、気持ちにさせられました。 

結局何の解決にもなっていないけれど、愚痴を聞いてもらっただけで、どことなく心は軽くなるような感じがしました。

その数日後、店長が休日出勤をしてきました。あまりにも資材倉庫の在庫が多いため整理をしに来ていました。日中倉庫内は高温になります。上半身汗だくになり、ほとんど片付けてくれました。

しかし、夕方から用事があるということで、「後は引き継いでくれ」ということになりました。

「残りは熊さんがやってくれるかな?」と言う店長の言葉に、心の中で、「そんな暇はない」と叫びました。

私にもやるべきことが山ほどあるのです。しかし、店長が休日出勤してきてるということもあり、心良く引き継ぐことになりました。

店長が、「それじゃ宜しく」と言って帰ろうとした時です。ふとパートさんの、「みんなが『あっち向いてホイ』をしている」という言葉を思い出しました。

大事なことに気付いた私

「あっ俺、もしかして、あっち向いてホイッしている? 店長はこんなに日中高温になる倉庫で作業してさぞ暑かっただろう。きっとそうだ」そう思った私は帰ろうとする店長に声をかけました。

私 「店長?」

店長 「えっ?」

私 「これってめちゃくちゃ暑かったんじゃないですか?」すると・・・・

店長 「いやー泣きそうでしたよ」

「いやーー泣きそうでした」と言った時の店長の表情を私は見逃しませんでした。あきらかに、「あっち向いてホイ」に気持ち良く負けちゃった時のような、「はははは、やられちゃったな」という顔でした。

職場ではみんながみんな頑張っている。

しかし、それぞれに役割があり、なかなか皆が一つの方向に向かって気持ちを同じにするということが出来ないことがあります。そんな時に、「どうして私のことを理解してくれないんだろう」と不満が出てきます。

そんな時に思い出すのが、「あっ!あっち向いてホイしてるかも?」です。
自分一人が大変だと思いこみ、ストレスを抱え込みがちな私です。自分の大変さを理解してもらいたい気持ちに捉われて相手の大変さを理解出来なくなることがあります。

しかし、逆に考えれば相手も同じです。相手も自分と同じで自分の大変さを誰かに認めてもらいたいのです。

認めてもらいたければ自分から認める

「忙しいのはみんな同じ」と言う言葉に「そうじゃない」と思う私ですが、心の中では相手も私と同じように「どうして自分の大変さを分かってくれないんだ」と思っていることがあります。

そういう意味では「忙しいのはみんな同じ」というのは仕事の量がみんな同じというのではなく、みんな、それぞれ自分の大変さに理解を示してもらえていないということでしょう。

今回私が言いたいことは、「自分だけが忙しい」と言う気持ちにとらわれている時は、どうしても視野が狭くなりがちですが、そんな時こそ、広い視野を持とうと意識して、相手の大変さに自ら共感をするように努めるのです。

すると、相手はきっと、ほっとした表情を見せてくれるでしょう。そうなれば勝ちです。あっち向いてホイに見事な勝利を収めたのです。

相手は、あっち向いてホイに負けたことを悔しがり、「私よりも、あなたの方こそ忙しくて大変でしょ?」と逆に、あっち向いてホイを仕掛けてくるでしょう。つまり、自分の大変さを分かってほしければ、相手の大変さを分かってあげた方がいいということです。

 

 

あやしい催眠商法 だましの全手口  身近な人を守るために知っておくべきこと

あやしい催眠商法 だましの全手口 身近な人を守るために知っておくべきこと

 

 

 

「あやしい催眠商法だましの全手口身近な人を守るために知っておくべきこと」
単行本: 230ページ
出版社: 自由国民社 (2018/11/2) 
筆者 ロバート・熊
イラストレーター にゃんとまた旅/ねこまき
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お近くの書店に置いてない時は、本のタイトルをお控えになり、お取り寄せでお願いします。

「好き勝手なことを言いやがって(怒)」と理不尽なお客様の言葉に傷ついた心をどう納得させるべきか?

どうしてお客様は好き勝手なことを言えるんだろう?

接客業をしていて、ふと思うことがあります。それは、私たちがお客様に対して、それは違うだろ?とツッコミ所がある内容でも、出来る限りお客様を傷付けないように、

「確かにおっしゃる通りですね」

「お気持ちは分かります」

「私もそう思います」

など、お客様に共感をする姿勢を見せているのに対して、お客様は思ったことをストレートに言うことが出来、「はぁー、なんで俺はこんな仕事を選んだんだろう?」とため息をつくことがあります。

食品スーパーに勤める私たち、社員だけでなく、パートさん、アルバイトさんも同じような悩みを持つことがあり、その都度愚痴を言ったり、慰めたちの毎日です。先日もこのようなことがありました。

私の対応に首をかしげるパートさんの話

パートさんが私に近づき、「熊さん、あのお客様ね。パンの袋を自分で破っておいて交換してくれって言うの。それで断ったら、今度は値引きしろって言うの。だから相手してあげて」と言ってきました。

さっそくお客様に話を聞きました。すると、お客様によるとただ持ち上げただけで袋が破れたそうです。「わざとじゃないですよ。わざとこんなことするわけないでしょ」と言われました。

どう見ても持ち上げただけでの破れ方ではありませんでしたが、誰も破っているところを見ていません。なんの証拠もない状態ですので、交換に応じることにしました。

しかし、ただ「交換します」だけでは、「あのパートの人は駄目と言ってたのに人によって対応が変わるのか?」と二次クレームが起きることが考えられます。

なので、「本来であれば交換出来ないのですが、今回は最初から破れてたと思いますので交換させていただきますね」と言いました。

後で、そのことをパートさんに言うと、「え~~、どう見ても自分で破ったとしか思えないのに、それって、おかしいですよね」と首をかしげていました。

私は、「でも、お客様にそういわれたら仕方がないですよね」とパートさんを納得させました。

話はそれだけでは終わりません。同じ日に私にも「理不尽だな」と思うような出来事がふりかかってきました。

いつもではないのに「いつも売り切れてる」と言うお客様の話

「兄ちゃん、これの在庫はあるか?」とお客様に言われ、たまたま品切れをおこしていた商品なので、「申し訳ございません」と謝りました。

するとお客様は・・・

「いつも、品切れさせてるな」と言いました。

後になり、悔しさがこみ上げてきました。その商品を品切れさせたのは、今回が初めてだと思うのです。そう簡単に品切れしない商品です。

それを「いつも品切れさせてるな」と言われるのは、理不尽じゃないのか?なんでそんな勝手なことを言うんだろう?

もやもやした気持ちになり、誰かに聞いてもらいたい。そんな気持ちでいてると、先ほどのパートさんが事務所で帰る準備をしていたので、話を聞いてもらいました。

すると、パートさんは私に・・・

「それこそ仕方がないことですよね」
と言ってきました。「いやいや、それは違うだろ?」「仕方がないことではなくて、腹が立っているんです」と思いましたが、「まっいいや」となりました。

接客では自分を出すことは出来ないという話

いかがでしたでしょうか?お客様に対して、「いや、それは違うでしょ?」とつっこみたいけれど、つっこめない私たちのストレス。

もやもやした気持ちが後に残ることが多々あります。このもやもやした気持ちをどこにぶつけたらいいのでしょうか?ストレートに言うことが出来ないという悩ましい問題です。

しかし、接客の世界では昔から「自分をだすな」という教えがあります。店員は、店に入った時点で、そこの店の人になるのです。自分がしたミスでなくても、その店で起きたミスには、その店の人として謝らなくてはいけなくなるのです。

そんな時に、「いや、自分は違いますから」とは言えません。理不尽だなと思っていても店の中では自分を出すことは出来ません。これは接客の世界では仕方がないことです。

納得と言うものはみんなの協力のもとに築かれる。

今回私が言いたいこと。それは、接客をする立場は言いたいことをぐっと我慢しなければいけない場面がたくさんあります。

それに対して、なんでも思ったことをストレートに言うお客様に対して、もやもやした気持ちになることがあります。

どうにも納得できない。あの時、思い切って言ってやるべきだったのか?いろいろよからぬことを考えてしまいがちです。

そんな時は、やはり「人を傷付けるのは人であり、人を癒すのも人である」と言う言葉通り、誰かに共感してもらうことで心が救われることがあります。

今回の話で言えば、「仕方がないよね」と言われて、すぐには納得できなかった私ですが、その言葉があったからこそ、「まっいいや」となったのです。

「仕方がないよね」・・・確かにそうなのですが、自分一人で悩むよりも誰かに言ってもらった方が納得に至りやすいでしょう。

つまり、納得と言うものは仲間との協力のもとに築かれるということです。

自分の出勤日に仕事を減らし、自分の休みの日に仕事を増やすことで楽をする先輩に後輩が出来ることは?

「あの人が休みの日に限って仕事が山盛りだね(怒)」

どこの世界でも「ずるい人」はいるものです。みんなが力を合わせて頑張っている職場で、「自分だけが楽をする」という考えを持つ人は目立ちます。

長年食品スーパーで勤めている私が不満に思っていることがあります、それは、「自分の休みの日にどっさり納品をさせ、他の人に荷捌きをしてもらうことで自分の出勤日は楽をしよう」という考えが見えている発注担当者が一定数いることです。

注意するなら言い逃れできないようにきちんと尻尾を捕まえてから

「人に多くの仕事をさせることで自分が楽になる」その行為は周囲から大きな反感を持たれてしまいます。

ほんの少しならばれないのですが、あからさまな「ズル」と言うものは本人が気づかれていないように思っていてもばれているものです。

しかし、その「ズル」がバレたとしても、すぐに指摘されるものでもありません。なぜなら、「どうせ言ってもシラを切られるだろうな」という気持ちが生まれるからです。

「ズル」というものは、それに気づいた最初の段階では、「もしかしたら?」の憶測であることも考えられるからです。そこで「もう少し様子をみてから指摘しよう」ということになります。

1回や2回の「ズル」を指摘しても、「それはたまたまだよ」と言われたらそこでおしまいと思うからです。

言うからには、「いつもそうですよね」という事実を自信たっぷりに突き付けたいものです。

しかし、そこまでしても、他人の「ズル」を指摘するのは本当に難しいと感じることがあります。

仕事を押し付ける人に注意しにくい理由

立場上注意しにくいから。相手が上司、先輩であったり、性格上注意されることで不機嫌になり職場の雰囲気が悪くなるため

言い訳をされるから。ズルをした本人も周囲から注意をされることを予想していることがあり、様々な言い訳を用意していることがある、例えば、食品スーパーでいえば、

「前日に多く売れたから多く仕入れなければいけなくなったから仕方がないでしょ」という理由。

特に職場では上下関係があります。「後輩から先輩に」「部下から上司に」というのはとてもハードルが高くなるのではないでしょうか?

今回は、そんな後輩から先輩へ『ズル』を指摘する難しさを感じた出来事を紹介して、自分なりに気付いたことをまとめたいと思います。

勇気をもって注意した私

人にいっぱい仕事をさせることで、自分が楽になる。同僚の女性社員のアラフォーさんからは、そんなオーラを感じます。

自分が休みの日に多く納品させて、自分が出勤日の日に少なく納品させる。それに振り回され大きなストレスを感じていた私。

しかし、同僚と言っても彼女の方が私よりも若干先輩です。後輩から先輩へ注意をするというのは少しハードルが高くなります。

しかし、いつもいつも彼女の休みの日に限って納品が山盛りです。どう考えても、わざとしているとしか考えられません。

ここまで、同じような状況が続いたからには間違いないことだと確信しました。そして、パートさんからも「お願いですからガツンと言ってやってください」という後押しもあり、ついに注意しようと思いました。

素直にズルを認めない同僚

「自分の休みの日にどっかり納品させて、自分の出勤日にほとんど納品させないのは、困ります。勘弁してください」

と言う私に対して、まったく予想してない答えが返ってきました。

「熊さんだって同じことしてるじゃないの?」

「熊さんだって同じことしてる」ってどういうことでしょうか?まったく身に覚えはありません。同じことはしてません。自信をもって言いきれます。

おそらく、自分が「人に仕事を多くさせることで楽をする」という考えを実践しているから他人もそうだろうと思っているのでしょうか?

なので、私は反論しました。

私 「そんな勝手なこと言わないでください」

アラフォーさん 「それだったら熊さんも勝手なこと言わないでくれるか」

私 「僕は事実を言ってるんですよ。昨日、今日だけの話ではなく、ずっと見てきていて、明らかにアラフォーさんの出勤日の日の物量と、休みの日の物量が違うから言ってるんです」

するとアラフォーさんは目をつりあげて・・・

「そんな言い方しなくてもいいんじゃないの?」と怒った表情で言いました。

ビックリしました。私はけっしてきつい口調で言っていません。言葉を選び丁寧に接しました。「そんな言い方しなくても・・・」の「そんな」はどこを指しているのでしょうか?不思議に思いました。

しかし、これ以上議論しても無駄に思い、その話は終わりました。
ますますひどくなる同僚のズル

「でも、言うことは言ったから改善するかな?」と一途の望みにかけました。しかし、そんな私の希望を無視するかのように、ますますひどくなってきました。

アラフォーさんが出勤日の日は1時間で終わるほどの少ない納品数。 アラフォーさんが休みの日は夕方までみんなで泣きそうになりながら頑張ってやっと終わる納品数。

人に多く仕事をさせることで、自分の仕事量を減らす。決して真似をすべきではないブラックテクニックです。

店長もあきれてものが言えない状態でした。しかし、店長は私にこう言いました。

「そのうち痛い目にあう時がきますよ」

「そのうちギャフンと言わせられる時が来ますよ」と。

私は思いました。「店長はなにか考えがあるのだろうか?」と。しかし、その店長は結局何の手も打たずに、間もなく異動になりました。とても残念な気持ちになりました。

世の中そう甘くはない。

しかし、その時がきました。代わりに異動してきた店長は発注業務が好きなタイプでした。そこで発注をしたいということで、アラフォーさんの発注業務を店長が引き継ぐことになりました。

今まで、自分の都合で納品量を多くしたり少なくしたりが出来なくなったアラフォーさん。今までのように楽は出来ません。しばらくして私に愚痴るようになりました。

「店長が発注した量が多すぎる」

「荷捌きが終わらない」

「私の時はあんなにひどくなかっただろ?」

と言うアラフォーさんの愚痴を聞いて、心の中でつぶやきました。「いやいや、あなたの時は私はずいぶん大変な思いをさせられましたよ」と。

「熊さんからも店長に一言いってやってよ」と私に店長の発注の仕方について意見するように求められましたが、「はははは・・・」と笑ってごまかしました。

これにて一件落着かと思いきや

この時は、本当にほっとした気持ちになりました。世の中というものは常ではありません。今まで通用していたズルが通用しなくなったアラフォーさんに、心から「だからあの時私は注意したのに・・・」という気持ちになりました。

そこで、めでたしめでたしとなると思いました。しかし、せっかく店長がアラフォーさんから発注を取り上げて状況が良くなってきたのに、またしても店長の異動があり、発注はまた元のアラフォーさんが担当することになりました。

そして、「わざとでしょ?」「違うわ」の戦いがエンドレスに続いているのでした。
いかがでしたでしょうか?

大変悩ましい問題です。人に多くの仕事をさせることで自分は楽になる。周囲から大きな反感を持たれる行為。しかし、注意しても簡単にこういった行為をやめさせることが難しい事があります。

何とかならないものか?そう悩み続けて、ある時、状況が変わり、相手が今までしてきたズルが通用しなくなった。私はここに救いがあると思いました。

しかし、救いはありませんでした。「世の中そううまくはいかないんだ」と喜んでいたのも少しの間だけで、今度は逆に「世の中そう、うまくはいなない」という現実に吐きそうになりました。

なんとか救いはないものか?周囲を見渡し、はっと気づかされたことがあります。それは・・・

損得は、仕事量ではなく時間で考える

パートさんも私と同じで、アラフォーさんの「人に仕事を押し付ける行為」に腹を立てていました。しかし、同じ腹を立てるにしても私と若干考えは違いました。

それは、「もし、アラフォーさんが他店に異動になってなんでも自分でやってしまう出来る社員さんが代わりに来たら私たちの仕事が少なくなるかも?」と言うことでした。

なるほど、私はニッコリと膝をたたいてニッコリ笑いました。状況が変わっても、良くなることとそうでないことが両方あるということです。

しかし、そうは言っても私は社員だから、仕事量が多くても給料が増えるわけじゃないし・・・」と嘆きました。

なんか損してる?

なんだか損してる。

やっぱり損してる。

どう考えても損してる

相手のズルで、相手が楽をしている。自分には仕事が多い。どう考えても損している。そんな気持ちがピークに達して頭から煙が出るほど悩んだ日々が過ぎました。

そんな頭から出てくる煙とともに、ふと思ったことがあります。それは、「あっ、損していると思うけど、その損って何?」と言うものでした。

同じ給料なら楽な方が良い。それはよく言われることですが、「タイムイズマネー」「タイムイズライフ」時は金なり、時は命なりと言う言葉があります。

私にとって、時間内に帰れるのであれば、さほど損はしていないのです。きちんと帰れているのです。無理やりですが、妥協してでもなんとか帰れているのです。

つまり、自分の時間さえ守ることが出来たらなら、それでいいんじゃないか?と言う考えになったのです。

損得を仕事量で考えると、腹が立って仕方がない。しかし、時間で考えてみると意外に気持ちは落ち着くことがある。そんなことに気付いたのでした。