ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

失敗してもすぐに「すみません」と謝るだけで全く成長しない後輩に腹を立てた先輩が取った行動とは?

すぐに謝る人への違和感

人から注意を受けた時の態度で、その人の性格がよく分かります。注意をする立場からすると、言い訳をする人よりも素直に謝る人の方が良いと思いがちです。

しかし、素直に謝る人の中には、あきらかな違和感を感じることがあります。しっかりと分かった上で「すみません」と言っているのではなく、とりあえず「すみません」と言っているだけに見えることがあります。

俗に言う「すぐに謝る人」です。では、なぜしっかりと分かってもいないのにすぐに謝るのでしょうか?それは・・・

謝るだけでやりすごす人の心理

とりあえず謝っていればその場は丸く収まるし、やっかいな口論にならなくて済むと思っている

上司・先輩からの注意には、まずは謝ることが基本だと教えられ、それが体に染み込んでいる。なので、条件反射的に思考停止のまま「すみません」の言葉がでてくる。

このように、すぐに謝る人の中には、「すみません」の言葉が本心ではなく、その場をやり過ごすためだけに使われることがあります。

今回は、そんな後輩君に接したことがある私の経験談をご紹介して、最後にその対処法をお伝えしたいと思います。

すぐに謝る後輩

今は他店に異動になった後輩君の話です。彼はすぐに謝ります。私が注意すると言い訳は一切しません。素直に「すみません」と言います。

と言うよりも「すみません」しか言いませんでした。しかし、同じミスを連発するので、

本当に分かっているのかな?と思って聞いてみると・・

「忘れていました」

「次は気を付けます」

と言いました。そして、やはり「すみません」と謝りました。とにかく彼から発する言葉の多くは「すみません」でした。

しっかりと反省の色を見せてきます。しかし、違和感抜群でした。彼の心の中までは見えないのです。

どことなく「すみません」と言っていれば全てが丸く収まる。そんな気でいるように見えました。

理由を聞いても、「すみませんでした」と言われると、まるで、「謝っているんだから、もうこれ以上僕を責めないで」という壁を作られているように見えました。彼に対して、「うううう・・・」と悩む日々が続きました。

先輩がついに注意しました。

後輩君に注意したのは、通称アラフォーさん。彼女は私にとって不思議な人です。人に指導をするのが、とても上手いのです。

私も彼女からいろいろと仕事を教わりました。しかし、彼女自体が、指導しているのにミスばかりです。

これは、とても不思議。「あんた、人にそんだけ教えられる力があるのになんで、自分では出来ないの?」と思います。

そんなアラフォーさんが、「すみません」の後輩君にかみつきました。

ガオーーーー。

「それって口癖か?}

アラフォーさん 「それって口癖か?いつも『すみません』ばかりで改善されないのは何も考えてない証拠だろ?」

後輩君 「あ・・・ハイ、申し訳ございませんでした」

アラフォーさん 「すみませんの表現を変えても同じだよ。どうせ謝っていれば丸く収まると思っているんと違うか?」

後輩君 「・・・・」

アラフォーさん 「黙っているってことは、そう言うことだろ?」

アラフォーさん 「別に私は、ミスしたことに怒っているのと違うよ。それと、別に『すみません』と言う言葉が悪いと言ってるんじゃないよ」

後輩君 「・・・・」

アラフォーさん 「そうして、何も言ってこないのは、何も考えてない証拠だろ?何もないから『すみません』しか言わないんだろ?」

後輩君 「・・・・」

アラフォーさん 「これだけ言っても、分からないかな?私は『すみません』のその先が聞きたいんだよ」

結局、後輩君はこの時のミスを繰り返さないために、このようにします的なことを言いました。

「すみません」しか言わない後輩君から、「すみません」のその先を引き出したアラフォーさん。私は、「あるほどな~」と思いました。

いかがでしたでしょうか?

「すみません」しか言わない後輩君に違和感を感じつつもどうしていいのか分からなかった私。組織の中で生きる上では、人に注意することは避けては通れない問題です。

相手に正してもらいたい目的で注意しているのに、「すみません」しか言わずに全然響いていない。私と同じような悩みを持つ人は多いでしょう。

そこで今回の出来事から学んだすぐに謝る人への対処法をまとめたいと思います。
すぐに謝る人への対処法

本当に分かったうえで「すみません」と言っているのかどうかを聞き出す。今回のアラフォーさんの例で言うと「それは口癖か?」と聞いたことにあたります。

謝っていれば丸く収まるとしか考えていないことを自覚させる。今回のアラフォーさんの例で言うと「何も言ってこないのは何も考えてない証拠だろ?」と問い詰めたことにあたります。

具体的に何に謝るのか、そして今後どうするのかを聞き出す。今回のアラフォーさんの例で言うと、「私は『すみません』のその先が聞きたいんだよ」にあたります。

人を注意する時、相手が素直に聞いてくれたようで本当は聞いていないということは、意外と見落としがちなことだと思います。気を付けたいものですね。