ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

集団の中で積極的に動かないのは動いている人に失礼である

新店オープンの応援に行った。新店オープンは、お客様が多く来店され、するべき仕事の量が多いため他店から多数の社員が応援にかけつける。

この日も、こんなに応援の人数が必要なのかな?と思うほど多かった。しかし、新店オープンは、どれだけ忙しくなるのか分からない。だから、どんなに忙しくなっても大丈夫なように応援人数が多い方が安心だ。

そこでいつも問題になるのが、大人数で仕事をすると必ずといっていいほど手を抜く人が出てくることだ。レジや入口での受け付けは、ひっきりなしにお客様が来られるのでサボることが出来ない。

しかし、売り場で商品補充をする人の中には、自由に動き回れるため、手を抜き、サボる人が出てくる。さらに、レジや入口での受け付けはお客様と一対一での仕事になるために個人に責任が集中する。

しかし、売り場での商品補充は大人数でするために・・・
「こんなにたくさんの人がいるから自分一人ぐらい手を抜いても大丈夫」
「自分がしなくても誰かがやってくれるだろう」
という心理が働く。大人数であればあるほど責任は分散される。
そのため上司から、「他の人の店に手伝いに行くという受け身な気持ちでなく、自分たちの店という気持ちで積極的に動いて下さい」と言われる。

「誰かがやってくれるだろう」「自分が頑張らなくても、こんなに人数がいるから大丈夫だろう」と手を抜く人の気持ちは理解できる。なぜなら自分がそういうタイプだからだ。

しかし、その考えは出来るだけ捨てるようにしている。遊びでなく仕事だからだ。
しかし、運悪く巻き込まれる時がある。今回も大人数での応援で、売り場での仕事は正直やるべきことがほとんどなくなった。

夕方をすぎて何人か応援の社員が集まり、雑談が始まった。今しなくてもいいような雑談だ。何人もの社員が集まって、みんなでサボれば怖くないという心理が生まれた。しばらく話をしていたが誰も注意をしてこなかった。

しかし、私はとても不安に思った。なぜそう思ったのか?その店のアルバイトやパートさん達が、私たちを白い目で見ていたからだ。嫌な予感は当たった。店の店長が私たちにカミナリを落とした。

「お前たちは何をしに来ている?話をしに来ているのか?やることはないのか?」これに対して一人の社員が反論した。

「やることを何も指示してこないからどうしていいか分からないです」これに対して店長は、あきれた表情で言った。「こんな大人数に一人一人細かく指示が出来ると思っているのか?自分たちの店のつもりで動いてくれたらいいんじゃないか?自分たちの店だったら、もっとここをこうしよう、ああしようと、やることがどんどん出てくるんじゃないか?それが証拠にうちのアルバイト、パートさんは自分でやることを見付けて動いているじゃないか?忙しく動き回っているじゃないか?」

これに対しては誰も反論しなかった。忙しく動き回っている人達がいる中で自分たちはとても失礼なことをしていたと反省した。