催眠商法が「ハイハイ」と相槌を打つ理由
こんにちは、熊さんです。
3分で分かる催眠商法の手口と対処法。
私は6年間、催眠商法の現場にいました。
現在は催眠商法の危険性を訴える活動をしています。
今回は、催眠商法が別名「ハイハイ商法」と言われていることについてお話しします。
講演会では常に「ハイ」「ハイ」という掛け声が飛び交います。
従業員にはそれぞれ役割があります。
講演を担当する講師と、その横で講師の話を盛り上げるアシスタントです。
テレビショッピングの司会者とアシスタントをイメージしてもらえると分かりやすいです。
アシスタントは講師の話の合間合間に「ハイ」「ハイ」と小刻みに合いの手をいれます。
150人のお客さんの前で「ハイ」「ハイ」と笑顔で合いの手をいれる役割。
明るく元気よく「ハイ」「ハイ」と合いの手をいれることで講師は話がしやすくなるのです。
これはカラオケをイメージしてもらえると分かりやすいです。
カラオケを歌う時にみんなで手拍子をしますよね。
あの手拍子があると、みんなにノセられて気持ちよく歌えるという経験をしたことはないでしょうか?
手拍子が上手ければ上手いほどそのリズムにのせられて歌いやすいのです。
講演会も同じで、アシスタントが話の的確な位置に「ハイ」と合いの手をいれることで講師はノリノリで話をすることが出来るのです。
そして、この「ハイ」という合いの手はお客さんにもしてもらいます。
「みなさんにお願いがありま~す。話の合間合間に「ハイ」と返事があると、
とっても話がしやすくなりま~す。なので、今から返事の練習をしま~す。
僕が手を振り下ろしたら『ハイ』と元気よく返事をしてくださいね。では、
行きますよ~、良かったら~?」
「ハイ!」
「良くなくても~?」
「ハイ!」
「さあ行きますよぉ」
「ハイっ!」
「ハイっ!」
「ハイっ!」
「は~い、みなさん、よくできました~」
パチパチパチ
拍手とともに会場は笑いに包まれます。
そして、きっちりと教育されたお客さんは講師の話の合間合間に
アシスタントとともに「ハイっ、ハイっ」と合いの手をいれるようになるのです。
すると、最初のうちは恥ずかしがっていた人もいつの間にか「ハイ」「ハイ」と楽しく合いの手をいれるようになっていき、会場が一体化したような空気感が出てきます。
みんなで「ハイ」「ハイ」ということによって楽しくて気持ちが高揚してくるのです。
すると、不思議なほど話に引き込まれてしまいます。
熱狂の渦に巻き込まれるとお年寄りは冷静な判断が下せなくなります。
これぞまさに催眠商法の怖さ。
冷静な判断力を奪いとる危険な宣伝会場には決して近づかないで下さい。
御視聴ありがとうございました。
仕事に対する数字を意識し、分析出来れば工夫と成長につながる
数字を意識するのは苦手だ。センスと勢いだけでなんとかなる。若いころの自分はそう思っていた。数字を気にする人よりも、勢いのある私がいい結果を残すこともあった。考えている時間があればその分を行動に移すべきだ。その方が何にしても前に進むことが出来ると思っていた。
そんな私が食品スーパーで働き出した。私がいてた店はかなりの繁盛店で売上の数字がとてもよかった。私はこの原因をとにかくがむしゃらに動いているからだと思っていた。数字を考える暇があったら、とにかく急いで商品を出したかった。出せば出すほど売れていくように思えた。そのようながむしゃらな気持ちで頑張ってきた結果が店が好調な理由だと思っていた。
勤めだして3年が経った頃のある日、本部の課長が視察に来た。店長が公休のため私が対応する事になった。本部の人が視察に来た時は必ず聞いてくる質問があった。その日の売上目標と、今月はどれだけ売上目標を達成できているかだった。その日も同じように聞かれた。私は待っていましたとばかりに答えた。いつも聞かれるから答えられる準備をしていたからだ。だがこの日は違った。
「それでは冷凍食品の売れ筋の上位10位までの商品名を答えてください」
「焼酎の売れ筋の上位10位までを答えてください」
私は答えられなかった。そんなものを知らなくてもどんどん売れている状態から商品を発注しておけば売り切れることはなく売上も落ちることがないと思っていたからだ。しかし答えられないことに対しては素直に謝った。
課長は言った。「この店は大変売上の数字がいいと思う。しかし、もっともっと売れる店だと思う。今は勢いだけで売っている様に見えるからだ。もちろん勢いはとても大事だ。しかし、そこには工夫や成長がない。数字を意識せずにただ漠然と働いていては5年経っても10年経っても、成長は出来ないだろう。しかしきちんと数字を意識していれば、売り場を工夫することが出来る。その工夫が成長に繋がるんだよ」この言葉に反論した。
「数字を意識している社員よりも私は結果を出しているじゃないですか?勢いだけと言いますが勢いが一番大事だと思います」この言葉に課長は怒った
「じゃあ君の勢いが具体的にどれだけ数字に影響を与えてるか答えられるのか?」
「それは・・・」と言う私に「具体的に数字で説明出来ないと頑張りが評価出来ないんだよ」と課長は言った。
その後、友人にこのことで愚痴を言った。「なんでみんな数字数字って言うのだろう?」友人は答えた「好きだからだと思うよ。自分も好きなものは数字を意識するからね。君は釣りが好きなんだろ?だからいつもメジャーを持っていて魚の大きさを気にしてるだろ?」友人の言葉に「あっそういうことか」と思った。
私は数字を意識するのが苦手なんかじゃない。数字を気にするほど仕事を好きになってなかったんだと気付いた。
相談すべき上司を無視してその上の上司に相談すると自分の評価が下がる
勤め先の食品スーパーでクレームがあった。その日はとても混んでいて忙しかった。そんな時にお客さんから「商品の在庫を見てくれ」と言われた。「少々お待ち下さい」と言い倉庫の在庫を見に行った。しかし、お客さんが欲しいと思っている数がなかった。早速お客さんに謝った。その商品は売れ筋でいつも多く在庫を抱えていたのだがこの日はたまたま大きく売れてしまっていた。
しかしお客さんは大きく怒った。「それが欲しくてここまで来たのにその商品の数がないのはお客様に対する裏切り行為だ。お前たちにとってはたまたまでも俺にとっては貴重な一回の買い物だ」謝る私に「お前じゃ話にならない。上の者を出せ」と言われた。店長に連絡したがつながらなかった。仕方なく本部の部長に連絡した。お客さんと電話で話してもらい、なんとかお客さんの怒りは収まり帰られた。
その後、部長から電話があった。「どうしていきなり私に連絡してきたんだ」
「店長に連絡したけれどつながらなかった」と伝えた。しかし、店長の一つ上の上司にはエリアマネージャーがいてた。
「店長に連絡がとれなかったのは仕方がない。それじゃ、店長の一つ上のエリアマネージャーに相談するのが順番じゃないのか?」これにはただ「すみませんでした」と謝るしかなかった。しかし部長は本部のクレームの最終窓口だった。順番は間違ったかもしれないが、クレームの解決は早くすんだからそれでいいんじゃないか?と思った。
そんなことを考えている私に部長は話を続けた。「まずその店で起きたクレームは社員が対応し、お客様が納得されなかったら店長が責任を持って対応をしなければならない。店の責任者は店長だからだ。そうでないと何のための責任者か分からない。もし、店長が不在であったり、何かの理由で連絡が取れないときは、その一つ上のエリアマネージャーが出ていかなくてはならない。現場で起きたクレームはそこで解決されるべきだ。しかし、本部にクレームの部署があるのは、現場の責任者そのものに問題が生じた場合、それまでになかったような重大なことに対応するためだ。なぜ会社の役職が主任、店長、マネージャー、係長、課長、部長と細かく別れているかを知っているか?それは、担当者を変えて対応しても解決出来なかったら、もう一つ上の上司で仕切り直しが出来るからだ。一つ上の上司で仕切り直すことによって解決に近づくんだ。それを最初から最終の窓口に相談するとその後がない。それ以上を求められても応じることは出来ない。社長をだせと言われても応じられない。なぜなら私は社長にクレームの最終の窓口として任せてもらってるからだ」
話を聞いて納得した。解決を急いで相談する順番を間違っていた。いきなり最終窓口の部長に話をもっていったということは、その下の上司を無視したということだ。上司に報告、相談、連絡の出来ないやつだと思われても仕方がない行為だ。何のために細かく役職があるのかを考えていなかった。それで自分の評価を下げてしまった。