ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

ストーカー客が来るたびにバックヤードに隠される女性従業員は申し訳ない気持ちで一杯になっている。

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40代・50代のパートさんも被害に・・・

「また来ています」「ずっとこっちを伺ってます」と従業員全員に緊張感の走る瞬間。それはストーカー客の来店です。

食品スーパーに勤めだしてから、これほどまでにストーカー客は後を絶たないものなのか?と衝撃を覚えました。

女子大生のアルバイトさんから40代、50代のパートさんまで年齢・独身・既婚問わず、アプローチしてくるんですよね。

「接客なんだから愛想良くするのは当たり前なのに何を勘違いしてるんだろう?」とパートさんが困惑するストーカー。

今回はそんなストーカーの一人についてお話しますね。

プライベートにやたら詳しいストーカー

プライベートでのパートさんの行動を監視して、さも偶然に見かけたかのように自慢げに話ししてくるストーカーです。見た目年齢は50代。たいてい来店される時間帯は19時台でした。

20歳のお子さんがいる40代のパートさんはとても怖がっていました。やたらと話しかけてくる。やたらとジロジロ見てくる。そのパートさんのレジに何度も小額の買い物をし、コミュニケーションを取ろうとするんです。

しかもですよ。「昨日は休みだったんだね」「昨日は〇〇の本屋さんにいたんだね」などとやたらにプライベートなことまで知っているのです。

恐らく、ストーカーの頭の中では、「ここまであなたのことを気にかけているんですよ」とアピールしたくてたまらないのでしょうね。

しかし、後をつけられている?と思われるような言動はとても相手を恐怖と不安な気持ちにさせるんです。

思いは伝わるとでも思っているのでしょうか?実際に伝わるのは恐怖と気味の悪さだけなんですが、とにかく近づきたいという気持ちがそんなことすら頭の中から消えてしまうのでしょうね。

決定的な証拠がないとガツンと注意は出来ません。

でもね、はっきりと「迷惑です」と言えれば話は早いのですが、仮にもお客様です。シラを切られると、こちらが大きく不利な立場になります。

まで数多くのストーカー客を見てきましたが、正直言って直接注意したことはありません。それでも多くのストーカーを諦めさせてきました。

諦めさせるには?

それは、従業員全員でストーカー客の情報は共有することから始めています。ストーカー客は特定の女性従業員をターゲットにします。

大抵ターゲットにされるのは、優しそうな雰囲気があるパートさん。きつい印象のあるパートさんはあまりターゲットにされません。

あからさまに特定の従業員に接触を試みるので、バレバレなんですよ。後ろから近づき、髪の毛を触られたこともあったりで、放置しておくと大変危険です。情報はみんなで共有しストーカー対策をしています。

しかし、このストーカー対策がね、とっても大変なんです。

忙しい時間でも狙われているパートさんを隠さないといけない私たち。夕方のピーク時で、商品の補充に追われる時間でも、ストーカー客が来たら、狙われているパートさんを店内から外します。

裏の倉庫の整理をしてもらったり、休憩に行ってもらったりします。でも、正直いって店の営業としては非効率です。

しかもストーカー客は狙いのパートさんの車を知っていたり、外から居るのを確認したりして入店してくるので、キョロキョロとなぜ居ない?という感じで長い時間店内をウロウロするんです。

「まだいるよ」「もうちょっと隠れておいて」そんな会話をバックヤードでするんですね。

時間がかかるストーカー撃退法

お客様を傷つけないように最大限の配慮をした撃退法です。ストーカー客がきたら、みんなで狙いのパートさんを守ります。隠します。

レジにその狙いのパートさんが入っていたら、ストーカー客の時だけ私たち男性従業員が交代します。

地道に何度も繰り返すことで、ストーカーも避けられていることに気付きます。それで今まで何人ものストーカーを諦めさせてきました。

そのためにそのストーカーを監視する時間など、とても非生産的な時間を過ごしたことがとても悔しく思います。

出来ればストーカー行為をした人にその分の人件費を請求したいぐらいです(汗)

そのストーカーはどれだけ迷惑なのか知ってほしい

ストーカーされたパートさんはこう言っていました。「接客業なので笑顔で愛想よくするのは当たり前。それを勘違いするなんてどうかしてるよね?」同感です。愛想良く笑顔で接してきた女性を特別な感情があると勘違いするのはどうかしています。

私も若い頃、携帯ショップのお姉さんが愛想良くて、口説いたことはありますが、やんわりと断られたことがあります。でもすぐにあきらめました。ストーカーにはなったことはありません。すぐにあきらめることで誰にも迷惑をかけることはありません。

ストーカーにとっては好きでやってること。ゲーム感覚で接触を試みてること。それに振り回されてる店員がどれだけ迷惑に感じてるか?を知ってほしいと思いました。

忙しい時間に私のせいで・・・(汗)

ここでもう一つ私が思うこと。それはストーカーされている女性従業員をバックヤードに隠しているとき、どうしても彼女が受け持っていた店内の仕事が前に進まなくなりますよね。

これは仕方がないことなんですが、隠れているパートさんは、とっても居心地が悪そうなそぶりを見せてきます。

それはそうですよね。職場に自分が何をしに来ているのかと言うと仕事をしに来ているんですよ。隠れに来ているわけではないですから。

食品スーパーの仕事は店内がメインですから。それが出来ないとなると不安な気持ちになるんですよ。

そこで、大事なこと

以前に、しつこいストーカーに悩まされているパートさんがいてね。彼女が苦しい胸の内を話してくれたことがあるんです。

それは、「私って仕事を辞めた方がいいのかな?」という悩みでした。自分がストーカーをされているせいで、仕事が前に進まないことになっていることに対する申し訳ないという気持ちでした。

ここで大事なのは、ストーカーされているのはストーカーが悪いわけで、ストーカーされている方が悪いわけではないんですよね。

これはとても大事なことであるけれど、ストーカー対策へのストレスから頭の中から消えそうになるんです。

それはね、「このくそ忙しい時に余計な仕事を増やしやがって(怒)」という気持ちです。

薄利多売の食品スーパーで使える人件費にも限りがあり、ギリギリの人員で頑張っているのにそれはないだろう?という気持ちです。

でも、そんなイライラした時に思うこと

それは、表面に出さないでおこうということです。なぜならストーカーされていてバックヤードに引っ込んでいる女性はとても申し訳ない気持ちでいているからです。

ここで私がイライラした気持ちを表面に出して「あの男のせいで仕事が全然進まない」と怒り心頭で愚痴を言ったとしたら、どうなるでしょう?

さらに居心地が悪くなり、私のせいで・・・・という余計な気を使わせてしまうと思うのです。

まとめると、隠している私たちだけが戦っているのではなく、隠れている女性も心の葛藤に苦しんでいるということ。

そこには理解を示し、イライラした気持ちを表面に出さないでおこうと思っているんです。それが女性従業員が安心して働ける職場であると思うんですよね。

 

あやしい催眠商法 だましの全手口  身近な人を守るために知っておくべきこと

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単行本: 230ページ
出版社: 自由国民社 (2018/11/2) 
筆者 ロバート・熊
イラストレーター にゃんとまた旅/ねこまき
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