ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

目が回るほど忙しい時に「何あの人?」と思われていないか疑う必要がある

 

発注ミスをして他店に商品を取りに行くことになった

他人の言動で「何あの人?」と思うことがある。でも、自分はどうなんだろう?そんな話だ。

勤め先の食品スーパーで、商品の発注ミスをした。なので、同じ会社のA店に商品を取りに行くことになった。

開店時間前にA店に行き、私は期待で胸が膨らんだ。なぜなら、とても会いたい男がいたからだ。A店で店長になってから私と会ってない男だ。彼とは以前に何度も会社の集まりなどで、一緒になったことがある。

そして、仲良く話をしたことがあった。しばらく会っていない。だから、私の顔を見たら懐かしくて喜んでくれるだろうと思った。

久しぶりに会った男の態度に驚く

そして、彼に会えた。その時、私の期待と逆の行動を彼はした。とても、不機嫌そうな表情で「そこにあるから勝手に持っていってください」と怒ったような声で言ってきた。  

久しぶりに会って、それはないだろうと納得いかない私は、再度彼に近づき、「商品の移動、ありがとうございます」と言った。

彼は首を縦に振るだけで、何も言わずに立ち去った。まるで、このくそ忙しい時に相手なんかしてられるかという雰囲気があった。

忙しいからと怒った態度を取る人

実は、この出来事の前に私は彼のある噂話を聞いていた。仕事が忙しい時に自分よりも立場が弱い従業員に当たり散らすそうだ。

私はこの噂話を聞いて思っていた。当たられる従業員にも問題があるんじゃないか?なぜなら私の知っている彼はとても穏やかで優しい口調があったからだ。

しかし、噂は事実だった。開店前の忙しい時間の彼は仲の良い私にさえ、怒った態度で接してきた。

いつもは、にこやかな笑顔の彼

さらに話はここで終わらない。しばらくして本社での、ある説明会に参加した時、彼と一緒になった。

私はあの時から、彼の態度にイラついていた。だけど、そんなそぶりを見せずに、この前の礼を言ってみた。腹を探ってみるという気持ちだった。

「この前は、有難うございました」

すると「えっ何のことですか?」真顔で、返された。

「この前、商品を移動させてもらって助かりました」

「あーーそれですか。いえいえ、どういたしまして」

いつもの、にこやかな笑顔を見せた。私の、彼に対するイラついた気持ちは吹き飛んだ。逆に芽生えたのは「何この人?」という思いだった。

人の振り見て我が振り直せ

店に戻った後、同僚の女性従業員にこの事を言った。

「そうそう、知ってます?〇〇さんって別の顔を持ってるんですよ」

すると「ははは、でも熊さんも人の事言えないよ」

「え?人のこと言えないって?そりゃあ誰だって、多少は別の顔はあると思うけど、あそこまで酷いかな?」

「いやいや、熊さん、自覚してないの?熊さんは。忙しくなったらフーフー言ってて、うるさいよ。眉間に思いっきり、しわ寄せて、はっきり言って怖いよ」

「マ・・・マジで?」

「マジマジ。本当にビデオ撮って見せてやりたいよ」

「いやー見たくない」

その時、はっと気付いた。これは神様からの気づきのプレゼントだ。そうだ。そうに違いない。確かに私は忙しい時に、周りに聞こえるように、フーフー言って、忙しさをアピールしていた。この忙しさを誰かに訴えたいという気持ちがあったからだ。

つまり私にも「何あの人?」と思われる部分があったのだ。忙しい時こそ周りにどう思われているか気をつけなくてはいけないと思った。

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