ありがとう熊さん

食品スーパーのおやじが、生き方について辛いことも楽しいことも含めて、心を込めて書かせてもらいました。

「どうしていいのか分からない」と泣く女性従業員への対処法

f:id:robakuma:20170612215503p:plain

「どうしていいのか分からない」と泣く女性従業員

食品スーパーのおやじです。先日、40代のパートの杉本さん(仮名)が事務所で涙を流しました。原因は「どうしていいのか分からない」という理由です。

なぜ、「どうしていいのか分からない」と言う心境にパートさんがなったのか?それを順を追って説明します。

アルバイトが辞めたのはパートさんが怒鳴ったから。

先日の記事←クリックすると記事にビューンです。

この出来事は先日記事にしたので、そちらをお読みいただいてもいいのですが、今回の記事だけでもその背景が分かるように簡単に説明しますね。

アルバイトの山田君(仮名)が「もう耐えられません」と言ってきました。

理由は、パートの杉本さん(仮名)が怒鳴るように注意したからです。何度も同じことを教えてもなかなか成長しない山田君に「いい加減にしてくれる?」「みんな迷惑してるのよ」と怒ったから。

問題なのは、その口調があまりにもきつかったこと。指導でも、叱るでもなく、もはやパワハラレベルの怒鳴り方でした。

覚えるのに時間はかかったものの、せっかくレジ業務を一人でできるようになったアルバイト君です。一時の感情でつぶしてしまうのは良くありません。

なので、私から杉本さんに話をしました。

何度も同じことを教えてもなかなか覚えてくれないというストレスは理解できるけれど、あまりにもきつい口調でいうのは問題があるということです。

その後、杉本さんは、どことなく大人しくなったように見えました。私にも、なんだか優し気に話しかけてくるようになりました。

そして、山田君も、「もう一度頑張ります」と言っていたのですが、ある日、「やっぱり無理です」と言ってきました。

理由は、杉本さんは怒鳴らなくなった代わりに話もしてこなくなり、避けられているように見えたからだそうです。

なので店長から杉本さんに話をしてもらいました。

そして「今後は気を付けます」ということになったんです。しかし、彼女は彼女で店のことを必死で考えているんですね。なかなか思うように動いてくれないアルバイトに、大きなストレスを抱えているようでした。

それが、私を驚かす、まさかの行動を見せてきたんです。私が事務所で仕事をしているとき、その奥にはもう一人のパートの後藤さん(仮名)が休憩していました。

その後藤さんに話を聞いてもらいたいようで、事務所に駆け込んできた杉本さん。私が奥にいているにもかかわらず、自分が抱えているストレスを後藤さんに訴えてきました。以下はその出来事を4コマ漫画にしたものです。

4コマ漫画(もう泣かないで)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後藤さんは面倒見のよい人。

パートの杉本さんは、休憩中のパートの後藤さんに泣きついたんです。後藤さんは、とっても正義感の強い人。さらに、面倒見がよくてみんなから慕われている人です

その性格は、困っている人を放っておけないタイプです。その後藤さんに「さっき、アルバイトの山本君(仮名)に、ゴミが置きっぱなしだから注意したら、『ハイ』の返事はしたけど『すみません』の一言もなかったの」と泣きついたんです。

確かに、注意されて「すみません」の一言がないのは問題です。「注意されたら、まずは謝った方がいいということは指導すべきことで「私はどうしたらいいのか分からなくなった」と泣くのはどうかと思うんですね。

でも、泣くには理由があって、それは、少し前にアルバイトに怒って、アルバイトが辞めてしまったことが原因でしょう。

これに、後藤さんは「そんなのは杉本さんは間違ってないよ。泣かないで。私が代わりに言うから」と言ったんです。

私がそばで聞いていることは知っているはずです。

私は、同じ事務所のちょっと奥にいました。私がいることを知っているはずです。知っていて彼女は泣きながら「どうしたらいいの?」と後藤さんと話していたんです。

私は出て行って話をしようか一瞬だけ悩みました。「どうしていいのか分からない」って、そんなことは普通に指導したらいいだけの話に思えたのです。

ですが泣くという行為にはパニックになっている感情も入っているでしょう。私が理屈で「こうしたらいいですよ」と説明しに出ていっても、話がややこしくなりそうだったからです。

後は、後藤さんに任せました。

後藤さんは、感情的に人を注意したりしません。厳しいことを言う時でも、怒鳴ったりはしません。指導と叱ると怒るの区別はつけられる人です。その点は安心できるんです。

この出来事は私の想像の斜め上を行くことでした。男性でこの手の涙を流す人は職場では少ないでしょう。

男性で「どうしていいのか分からない」と泣いている従業員がいたら「泣いても状況は変わらないよ」と私は言うでしょう。

男性が仕事で涙する場面は、仲間と大きなことをやり遂げた達成感による涙がほとんどだと思うのです。

辛くて泣く男性は・・・・たまにいるけど、少数です。しかし、女性従業員の涙にはいろいろ理由があるんですね。

今回はどういう気持ちで泣いたのか?

辛くて泣いている?

嬉しくて泣いている?

悲しくて泣いている?

自分の主張を通したくて泣いている?

今回の涙はどれだ?と考えました。そばにいてる私に聞こえるように、自分の辛さをアピールしているのか?それとも私がいてるいてないは関係ないのか?

いろいろ推測しました。その結果、本当にどうしていいのか分からなくて泣いているように思いました。

ここの判断は難しいでしょう。あくまでも私が感じたことだ。答えは彼女の頭の中ですから。

「どうしていいのか分からない」に理解を示す。

あの時、後藤さんが、「私が代わりに言ってあげる」と言ったこと。それに「おいおい、マジか?」と突っ込みたくなりましたが、今思えば後藤さんの行動で良かったと思うんです。

女性は男性と違って、「どうしていいのか分からない」という理由で涙することがあります。なので、男性の立場からすると、「どうしてここで泣くんだろう?」と困惑しますよね。

でも、泣くには理由があるんです。「どうしていいのか分からない」と言う理由です。男性には良く分からない理由に思いがちですが、それも理由になるんですね。

分からないということは本人にとって、とっても辛いことですから。そこは考えてあげて、代わりに動いてあげるのもありなんだと思ったんです。